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妄執世界のアリス  作者: 千里万里
第二部 少年皇帝の岐路
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第三章 皇帝陛下の日々

 ついさっきまでマティアスの命を狙っていたロザラム達を加え、一気に大所帯になった一行は、帝都への帰路を進んだ。

 ロザラムと部下が偵察やら宿の手配やらをしてくれるので、これまでよりずっと快適に、つつがなく旅をする事が出来た。

 ナユタとマティアスは事あるごとに「ロザラムは今は大人しくしているが、いつ手の平を返すか解らない、信用しちゃダメだ」と、ロザラムの耳に入るように話し合い、その度にロザラムが嫌な顔をする物だから、それが楽しくて余計に二人して盛り上がった。

 そんな一幕はあった物の、ロザラムは傭兵上がりのくせに細やかな気配りで旅をサポートしてくれたので、荒事だけでなく多方面に優秀なのかも知れない。

 そして一行は、ついに帝都に帰り着いた。

「よくぞご無事でお戻りになられました。マティアス殿下」

 城壁の外で一行を出迎えたのは、ラルダーン帝国の宰相を務めるミュランその人だった。

 身なりこそ豪華な刺繍を施した立派な物だが、小柄でいかにも人が良さそうな老人だった。

 とてもラルダーン帝国の屋台骨を支える重責を一身に担うやり手には見えない。

「出迎えご苦労である」

 マティアスが応じる。

 慣れている相手だからなのか、堂々とした態度だ。

「この三人は道中、世話になった者達だ。賓客として粗相のないようにもてなすように」

「はい。承りました」

 使用人のように恭しく頭を下げるミュラン。

「帝都の忠実な民衆達が、お帰りになった殿下のお姿を一目見ようと待ち望んでいます。馬車を用意しましたので、どうぞお乗り下さい」

 促されるまま、一同は豪華に飾り付けられた馬車に乗り込んでいく。

 見上げるほど高い城壁の分厚い城門が開き、馬車はそこをくぐって帝都へ入っていく。

 ナユタ達の、帝都での日々が始まる。

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