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あん時はめっちゃ痛かった。

本日二話。

一つ目の投稿は、第一話として割り込みさせました。

って感じで、リリーナちゃんがボスたちの計画に参加することになったんだよ。


俺が即売会とか本とかを利用したおかげで、『異世界からの転生者』見つけること出来たのに手加減なしで殴るんだぜ、ボス。消滅するかと思ったよ、本当に。


えっ、何で気を失った後のこと知ってるかって?

そりゃあ、すぐに意識戻ったけど気づいてないフリしてたからに決まってんじゃん。

起きたら絶対にまた殴られると思ったからさ。


あっ、俺が書いたやつ気になる?

姫になら見せても大丈夫だろうけど、あんだけ嫌がってたやつ見せた日にはボスに今度こそ殺される気がするからなぁ~

めっちゃ人気があったんだぜ、あのシリーズ。


そうそう、全部で7冊出したんだ。


多分、リリーナちゃんの本棚に隠してあるんじゃないかな?

手を出したら離婚してやるってボスを脅してたし。


そん時のボスとリリーナちゃん?


ん~どうかなぁ。

ボスは不機嫌全開だったし、

リリーナちゃんは不信感全開だったし・・・

あぁでも、ボスはリリーナちゃんをちょっと気にしてたな。


なんでかって?




「ていうか、何でこんな事してんの?」

薄暗い部屋に一つだけ用意された椅子に座り、横向きになった長方形の黒い板が刺さった棒を、板が目元を隠すように持たされた青年。

質問に答えている途中、自分のその様子に疑問を抱き始め、目元から黒い板を外してしまった。


「あぁ、駄目よ!撮りなおしになるでしょ!?」

腰に手を当て怒りを露にするのは、先ほどまで両手で持った箱を青年に向け覗き込んでいた少女。


ここは『闇の精霊王』の居城の一室。

城の主の長女であるステラは、父の悪友である、情報伝達を司りマスコミという組織を運営している『伝達の精霊』から教えられた匿名インタビューのやり方で、兄弟たちで調べている父母の出会いを記録しようとしていた。

調べたことを兄弟達に教えるのに一番楽な方法を考えたところ、この方法を思い出したのだ。


「姫、それなんなんすか?」


遥か昔から、『闇の精霊王』の側近として存在している『闇の高位精霊第三位』へクスをしても、ステラの持つ道具に見覚えが無かった。10を過ぎるか過ぎないかくらいで成長を止めたステラの顔の半分くらいはある箱から魔力を感じることから、それが魔道具だということくらいは分かった。


「タイチさんに貰った、ビデオという魔道具よ。ボタンを押した後にレンズの前で起こったことを後で見返せるようにするものなんですって。」

ステラが箱に着いている、赤い丸のマークがついたボタンと箱の前の部分についている大きな丸を指差して説明する。

「あぁ、じゃあ最近始まった報道ニュースってやつ、これで撮ってるんすかね。」

世界の主要都市などで十年ほど前から始まった、街中の大きな壁に映し出され世界中の事件や出来事を伝えている報道ニュースは、すでに都市の住人たちの生活に根付き、無くてはならないものになっている。

それを運営しているのは『伝達の精霊』が従えた精霊たち。その為、その情報に嘘はなく、どちらか片方の勢力に偏ることもない。彼はこの他にも、新聞・ゴシップ誌の運営に携わっている。

「家では、父様が家族を映す為に使われているわ。」

家族といっても、主に母の様子を留める為といって使われている。


「でも、こんな話聞いて、どうするんの?」


「皆で、父様と母様が一緒になったのが不思議だって話になったの。

 だから調べているの。」

「・・・・・・はぁ。」

「私は此処担当。モントたちは色々な方たちの話を聞きに行っているわ。

 途中だったけど、まぁいいわね。

 他の皆にも聞いてくるわ。ありがとう、ヘント。」

驚いて反応を鈍らせているヘントに礼を言うと、ステラは城の中にある自室で休んでいる他の闇の精霊たちの下へ向かっていった。

ステラの背が見えなくなる頃にようやく瞬きすることを思い出したヘントは、どうしたものかと顔を引き攣らせていた。


「止めた方がいいのか、ボスとリリーナちゃんに報告するべきか、どうしようかなぁ?」

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