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マーフィとのり弁

ぱっと思いついたので書いてみました。短いけど。

幸次は自分のパソコンの前で猛烈に後悔していた。何故こんな失敗をしでかしてしまったのだ。何故。嗚呼何故。

今日は平日である。美穂はお友達とお茶会だ。一応幸次も誘われたのであるが、正座するという行為に苦手意識が出来てしまっているので、今回はお断りしている。

朝から着付けがあるとかで、昼食は500円渡されている。中学生か。

とりあえず、コンビニで海苔弁当380円とカップスープを買ってきた。弁当を暖め、書斎へ移動する。今日はネット飯。だ。ネットサーフィンしながらご飯である。

パカリ、と弁当のふたを開ける。とりあえず、付属のソースをかけようとして気が付く。置く場所がない。マウスをどかして弁当を置く。机から少しだけはみ出している。幸次は注意深くソースを海苔弁当の主役であるところの白身魚のフライにかける。ぐらり。おっとっと。

油断していた。敵は海苔弁当だけかと思っていたのだ。カップスープも置き場に困っており、弁当のすぐ横に置いていたのだ。

コツンとカップに当たる弁当。ぐらり。おっとっと。

弁当に続いてスープが。弁当を押さえていたため、救助が遅れてしまった。あっ! と声をあげて弁当から手を放す。悲劇は弁当がキーボードの上に置かれていたことによって増大した。キーボードの微妙な傾斜により、ズルリと滑り落ちる。

「あああああっっっ!!!」

バシャー。ベチャー。

デスクトップパソコンの本体の上に降りかかる厄災。

運悪く、グラフィックボードの交換中で、真新しいボードを取り付けて試運転中であった。まだ、動画すら見ていないが。

故に、ケースの蓋が開けっ放しである。そして、今日も元気に発動するマーフィー。きちんと弁当がさかさまに落ちていき、スープが追い打ちをかけることと相成った。


ばちん。


モニターが暗転する。幸次の顔も暗転する。


やはり、ジャムだかマーガリンだかを塗った面が下になるのであるなぁ。と、幸次はしみじみと思う。


「あ、あう。あう」


書斎はアシカの如きうめき声しか上げられない幸次の声と、「くぅぅぅ」と可愛らしい空腹の音が鳴り響いていた。


※ 2014.5.2 オットセイ→アシカに修正しました。似てるんだもん。

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