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誰にも媚びない孤高のS級ヒロインが、最近なぜか俺にだけ優しいのだが ~ドS級美少女の瑛理子先輩は、俺が好きすぎてデレを隠し切れない~  作者: みなもと十華@3/25二作同時発売
第2章 瑛理子先輩は俺にだけ優しい

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第33話 それはタオルじゃありません

 体育祭の開会式も終わり、各競技が始まった。

 俺はというと、校庭隅にある木陰に移動したところだが。


「暑くなってきたな。もう夏も近いか」


 ベンチに腰掛け、雲一つない空を見上げながらつぶやいた。


「しゅ~んくん♡」

「うわっ!」


 突然、目の前に真美さんの顔がアップになり、俺は腰を抜かしそうになる。


「ま、真美さん。ビックリした」

「ふふっ♡ ドッキリ成功」


 そう言って真美さんはおどけたポーズをする。

 お茶目な人だ。

 こっそり背後から近寄ってきたのだろう。


「もうっ、驚かせないでよ……って」


 俺はとっさに目を逸らした。今日の真美さんも刺激的だったから。


「た、たた、体操服が……」

「ん? どうしたのかな?」


 真美さんが体を捻ると、タイトな体操服が体に張り付き、Gカップ巨乳(推定)がグイッと強調される。

 ちょっと待て! これ体のラインが出すぎだぞ!

 体操服って、こんなにエッチだったっけ?


「ねえねえ、どうしたの、俊くん♡」


 真美さんが巨乳を前面に押し出してくる。グイグイと俺の顔目掛けて。

 こんなの偶然とは思えねえぞ!


「ほらほらぁ♡ どうしたのかな? しゅ~んくん♡」

「ああ、真美さん、ち、近いぃ」

「ちょっと真美、話があるんでしょ」


 もう限界だと思ったその時、背後から凛の声が聞こえた。


「あっ、そうだよ凛ちゃん。お弁当の話だよね」

「そうそう。もうっ、真美ったら」


 真美さんは俺から離れて、凛と話を始めた。

 助かったぁああ! あとちょっとで真美さんの胸が俺の顔に……。


「でも、凛ちゃん。止めるのがちょっと早いよぉ。もう少しだけ、俊くんにおっぱい責めしたかったのに♡」

「しー! 声が大きいって!」

「はぁん♡ 俊くんの顔に私のが密着ぅ♡」

「だから声! ここ校庭だから」


 二人は何を話しているんだ? またアップルパイの話かな?


「ところで姉ちゃんは何しに来たんだよ?」

「俊、あんたねえ! 毎回私が止めてるんだから、感謝しなさいよね」

「何の話だよ」


 相変わらず凛は変な女だ。

 そう言えば、さっきお弁当ってワードが聞こえた気がするけど。

 もしかして、真美さんの手作り弁当かな?


「真美さん、さっきお弁当って」

「あっ、そうそう、お弁当作ってきたの。お昼一緒に食べよ♡」

「はい」


 やった! 真美さんの手作り弁当だ!


「期待してね、俊くん♡ 腕によりをかけて作ったから」

「はい、嬉しいです」

「うふふっ♡」


 真美さんのお弁当、楽しみだな。

 凛は一人でオロオロしているけど。


「ちょっと真美、その弁当ってもしかして……?」

「ん、どうしたの、凛ちゃん?」

「ほら、もしかして腋で……」


 凛が真美さんに耳打ちしている。


「うん、もちろん腋とお尻だよ」

「えええぇ……」

「凛ちゃんも食べるよね?」

「わ、私は……」

「食べるよね」

「は、はい……」


 凛の顔が死んでいる。どうしたドS姉よ。


「ああぁ……真美ぃ……。これさえなければ本当に良い子なのに……。何故、天はこの子にこんな欠点を……」


 今度は神に祈り始めたぞ。うちの姉ちゃん、本当に変な女だ。


「じゃあ俊くん♡ 私は出場競技があるから行くね♡」

「はい」

「また後でね♡」


 真美さんは手を振りながら、ぐったりしている凛を連れて戻っていった。



「よし、俺も競技を見に行こうかな」


 クラスの応援席に戻ると、ちょうど女子の競技が始まったところで、周囲は大いに盛り上がっていた。

 俺は長瀬に声を掛ける。


「戦況はどうなってるんだ?」

「おっ、大崎、凄い盛り上がりだぜ、胸が」

「は?」


 グラウンドに視線を移すと、全てを理解した。

 真美さんが走っているところだ。

 奇跡のGカップ(推定)が、バルンバルンと揺れ、周囲の男子の視線を釘付けにしている。


「おお、やっぱり望月先輩が最高だな」

「あの胸、あの可愛さ、あの神々しさ」

「揺れまくってるぜ」

「たまらねえ……」


 イラッ!


 周囲の男子からの噂に、俺の中に強烈な嫉妬が湧き上がる。

 俺の真美さんをエロい目で見るんじゃねえ!

 まあ、俺もエロい目で見てるけど。


「おい、大崎、目がマジだぞ。殺意を隠せてねえぜ」


 長瀬にツッコまれた。

 俺、そんな目をしてたのか。


「くそっ、どいつもこいつも真美さんをジロジロ見やがって」

「お前が付き合えば良いじゃねえか」

「つ、つつつ、付き合えるわけねえだろ!」

「脈ありだと思うがな」


 脈なんてあるわけないだろ。真美さんは、ただの幼馴染だぞ。


 パーン!


 続いて200メートル走が始まった。

 こちらは一方的な展開だ。

 スタートダッシュを決めたメアリー先輩が、二位以下をぐんぐん突き放して、ぶっちぎり一位でゴールした。


「あの人、水泳だけでなく、スポーツ全般が得意だよな」


 日本人離れした180センチ近くある長身、長くしなやかな脚、程よく筋肉質な体。まるで異世界アニメに登場する女戦士みたいだ。



 ◆ ◇ ◆



「ごくごくごくっ」


 校庭の水飲み場で水を飲んでいると、背後から近づく肉の威圧感を感じた。


「えいっ!」

 ブシャァァァァー!

「ぐああっ! ゲホッ! ゲホッ!」


 いきなり蛇口を全開にされ、俺は勢いよく飛び出る水で咽てしまう。ちょっと気管に入っちゃったぞ。


 こんな子供っぽい悪戯をするのは、すぐに誰か察しはつくけどな。


「メアリー先輩、何してくれてるんですか」

「あははっ、ごめんごめん」


 顔も髪もビショビショのまま振り向くと、予想通りそこに立っていたのは天然金髪ブロンドが眩しいメアリー先輩だった。


「もうっ、濡れちゃったじゃないですか」

「ほら、こうすれば乾くだろ」


 何を思ったのか、メアリー先輩は俺の顔を引き寄せ、自分の体操服で拭き始めたのだが。


「ちょ、な、何してるんですか!?」

「拭いてあげてるんだよ」

「わぷっ! ちょっと、タオルじゃなく体操服で拭くとか! って、汗で湿ってるし!」

「ぬふふぅ♡ さっき全力疾走したからね♡ あたしの臭い付きだぞぉ」


 本人が臭い付きと言うように、メアリー先輩の体操服は汗臭かった。女の子特有の甘い香りと汗の臭いが混じった、何ともいえないエッチな感じだが。


「もうっ、メアリー先輩は、もうちょっと恥じらいを持ってください」

「何だとー! あたしだって乙女の恥じらいはあるんだぞ。それを上回るムラムラがあるだけで」


 どんなムラムラだよ!


「何だよぉ、俊も好きだろ? 臭い責め」

「ギクッ!」

「ほら、あたしの上履きを嗅がせた時とかさあ」

「あ、あれは忘れてください」


 自分でも認めたくないが、メアリー先輩のマニアックなじゃれ合いは嫌いじゃない。むしろ好きだ。

 こんなの誰にも言えないけどな。


「こういうのは男子が誤解しますよ」

「大丈夫さ、俊にしかしないから」

「俺が誤解しますって!」


 相変わらずメアリー先輩は、よく分からない人だ。スキンシップが過激というか。

 本人は冗談のつもりなんだろうけど。


 その時、水道の反対側でたむろしている男子の笑い声が聞こえてきた。


「やっぱ彼女にするなら望月真美だろ。あの巨乳はたまらねえよな」

「俺も俺も! あの体はエロすぎるぜ」

「俺は大崎凛だな。美人なのに気さくで話しやすいし」


 よくある『彼女にするなら』って話だ。大抵、面白半分でやる男子のネタなのだが。

 ただ、真美さんの名前が出てイラっとした。

 相変わらず凛も人気みたいだけど


「万里小路瑛理子はどうよ。めっちゃ美人だろ」

「あれは無い。不愛想だし変人だし」

「見た目だけは最高だけどな」


 イラッ!

 次に瑛理子先輩の話になり、俺の中でイライラが増した。瑛理子先輩の良さを何も知らないくせにと。


「じゃあさ、黒森芽亜莉は? 体はエロいよな」


 今度はメアリー先輩の話になった。すぐ近くに本人がいるのも知らず。


「体はエロくて最高だよな」

「セ○レにするには良いんじゃね?」

「お前サイテー」

「だってデカいじゃん。隣に並ばれたら最悪だって。俺がチビに見えるだろ」

「だよな。エッチだけなら良いけど、付き合うのはナイわー」

「やっぱセ○レだよな」

「「「ははははっ!」」」


 その男子たちはメアリー先輩のネタで爆笑している。

 奴らの心無い言葉に、俺はイライラが止まらない。


「あの、メアリー先輩……」

「あははぁ、よく言われるんだよね。ほら、あたしって色々エロいから。見た目も派手で遊んでそうに見えるし」


 メアリー先輩は冗談っぽく笑った。ただ、顔は笑っているのに、どことなく寂しそうに肩を落としている。


 その瞬間、俺は気づいた。メアリー先輩は十分に恥じらいのある乙女なのだと。

 心無い言葉には傷つくし、肩幅が大きいのを気にしたり、可愛い服が好きだったりするのを。


「あいつら……」


 俺の中で、沸々と怒りが湧いてくる。

 余計なことに首を突っ込まない主義だけど、何故か俺の足は勝手に動いていた。



 もしよろしかったら、ブクマと星評価で応援していただけると励みになります。

 よろしくお願いします。

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姉喰い勇者と貞操逆転帝国のお姉ちゃん!

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