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誰にも媚びない孤高のS級ヒロインが、最近なぜか俺にだけ優しいのだが ~ドS級美少女の瑛理子先輩は、俺が好きすぎてデレを隠し切れない~  作者: みなもと十華@3/25二作同時発売
第1章 瑛理子先輩は誰にもなびかない

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第23話 幼い頃からずっと運命的な

 真美さんの威圧感が急上昇した。ヤンデレのようなハイライトの消えた目をして。

 俺を真っ直ぐ見据えた真美さんが、スッと静かに立ち上がった。


「俊くん……万里小路までのこうじさんの手料理を食べたんだ?」

「た、食べてません! 俺が作りました」

「えっ! 俊くんが手料理を食べさせたんだ? それって極刑だよね?」


 逆効果ぁああ!

 俺が食べさせた方がダメだったのか!?

 てか、何で俺は真美さんと食事をしている時に、別の女子の話をしてしまったんだ。しかも真美さんと仲が悪い瑛理子先輩の話を。

 ダメダメすぎだろ。


「俊くん……」


 真美さんは俺の隣の椅子に座る。


「俊くんと万里小路さんって、どこまで進んでるのかな?」

「どこまでって……」

「キスしちゃったの?」


 真美さんの目がマジだ。次に対応を間違えたらあの世行きかもしれない。


「し、してないです……」

「ホント? でも、部屋に上がったよね?」

「部屋に上がって、料理を作って、あと腕を組んだりとか……」

「料理を食べさせるのは懲役3年、執行猶予5年。腕を組むのは懲役20年。部屋に入るのは無期懲役。刑罰加算で極刑ね♡」

「厳罰過ぎる!」


 真美さんの法律、通称真美法(今命名)は、めちゃくちゃ厳しかった。凛の姉法より厳しいかもしれない。


 くっ、あんなに傍若無人で無茶苦茶な凛より厳しいだなんて。

 凛って実は優しかったのか?


 その真美さんだが、箸を片手に迫ってくる。


「悪い子の俊くんにお仕置きしないと♡」

「真美さん、その箸は何に使うのでしょうか?」

「えへへ♡」

「ううぅ……うぐっ」


 ヤンデレ目で迫る真美さんに、俺は何も抵抗できず目をつむるだけ。何をされるのかと身構えていたが、口の中に出汁だしと醤油の味が広がり目を開けた。


「あれっ、美味しい」

「はい、もっと食べてね♡ あーん♡」


 極刑かと思っていたら、まさかの『あーん』だった。

 真美さんは箸で肉じゃがを掴むと、俺の口に持ってくる。


「はい、お仕置きは私に『あーん』で食べさせられるです♡」

「び、びっくりした」


 いつもの優しい真美さんだ。

 一瞬だけドS女王の片鱗を覗かせたように見えたけど。


「真美さん、驚かせないでよ。怒ったのかと思っちゃった」

「もうっ、俊くんったら♡ 私が俊くんに酷いことする訳ないでしょ」

「で、ですよね」


 やっぱり真美さんは優しくて可愛い俺の理想のお姉さんだ。

 でも『あーん』は恥ずかしい。


「あの、真美さん」

「何かな?」

「あーんで食べさせられるのは恥ずかしいのですが」

「だーめ♡ 私と一緒の時は全部『あーん』だよ♡」


 今度はピーマンの肉詰め、次はポテトサラダだ。次々に『あーん』を受け続けていると、もうこのまま真美さんに甘えてしまいたくなる。


「真美さん……」

「うふふっ♡ これからはずーっと私が食べさせてあげるね♡」


 ずーっととか言ってるけど、たぶん今日だけだよな。

 今は素直に甘えておこう。


「ほら、あーん♡」

「あーん。もぐもぐ」


 それからずっと『あーん』が続いた。まるで新婚さんみたいな甘々プレイが。

 これってもう付き合ってるみたいだよな。



 ◆ ◇ ◆



「じゃあ、ちょっとここで待っててね♡」


 そう言って真美さんは部屋を出てゆく。


 食事が終わった俺は、真美さんの部屋に通されていた。女の子らしいインテリアの部屋だ。

 小さい頃に入ったはずなのに、あの頃とは違った感覚がある。


「真美さん……あんなに甘々なプレイを。もしかして瑛理子先輩に妬いてるのかな? そ、そんなはずないよな」


 軽く深呼吸をすると、良い匂いが胸いっぱいに広がる。


「真美さんの匂いが……って、変態か! いかんいかん、変なところを見せたら真美さんに嫌われちゃうぞ」


 そう思っているはずなのに、どうしてもベッドやクローゼットが気になってしまう。


「このベッドで真美さんが毎晩……。あのクローゼットの中には真美さんの下着が……」


 いけないと思えば思うほど見たくなってしまう。


「ちょっとだけ……」


 クローゼットの引き出しに手を掛ける。少しだけ引けば、真美さんの肌に密着しているブラやパンツを手に取れるはず。


「ゴクリッ! 真美さんのGカップ(推定)のブラと、あのムッチリしたお尻を包むパンツが……」


 ガチャ!

「おまたせ俊くん♡」

「うわぁああっ!」


 引き出しを数センチ開けたところでドアが開く。アップルパイの皿を持った真美さんが顔を覗かせた。


「どうしたの、俊くん?」

「な、ななな、何でもありません」

「あれっ、引き出しが開いてたのかな?」


 真美さんは俺が開けた引き出しに視線をやる。


「ここは下着が入ってるの。恥ずかしいから見ちゃダメだぞ♡」


 意味深な顔で真美さんが言う。

 バレてない……はずだよな。


「そ、そうなんですね。ははは……」

「どうしても見たいのなら……着てるのを見せてあげるけどぉ♡」

「えっ?」

「な、何でもないよ♡」


 何か凄いことを聞いた気がするけど、これ以上はツッコんじゃいけない気がする。

 ふと横を向くと、机の上にある写真立てに目が留まった。


「あっ、これ小さい頃のですよね」


 それは俺が幼い頃の写真だった。

 小学生低学年くらいの俺と、得意げな顔で胸を張る凛、そして優しい笑顔の真美さんが一緒に写っている。

 凛と真美さんに挟まれている小さな俺が、何とも気恥ずかしい感じで。


「小さい頃の俊くん可愛かったなぁ♡」


 遠い目をした真美さんがつぶやく。


「そんな、小さい頃の俺なんてダサかったですから」


 小学生の頃から根暗になった俺は、非モテ路線まっしぐらだった。

 中学の頃なんて髪もボサボサで、いかにもコミュ障で非リア充といったイメージだからな。


「そんなことないよ」


 真美さんは写真立てを手に取る。


「俊くんはカッコよかったよ♡ あの頃の私ね、男子にイジメられてたの。大人しくて言い返せなかったからなのかな」

「えっ?」


 俺は息を呑んだ。


「そんなある日ね、私が男子にイジメられているところに、俊くんが駆け付けてくれたの。お姉ちゃんをイジメるなって。あの時は嬉しかったなぁ♡」


 夢見心地の真美さんを見た俺は自問自答する。そんな大層なことをしただろうかと。


 あの頃の俺は、真美さんが大好きだったんだよな。だから真美さんにちょっかいを掛けてくる男子を嫌っていて。

 あの男子どもも、きっと真美さんが好きだったんだよな。好きな子にイジワルするクソガキみたいな。


「大したことはしてないですよ」

「ううん、違うよ♡ 俊くんは私の運命なの♡」


 ん? えっ? 何か凄いことを言われた気がするけど? 気のせいなのか?


「ほら、食後のスイーツを食べよっ♡ 甘いものは別腹だよね♡」


 真美さんに促されてベッドに腰かける。


「あの、真美さんのベッドに座るなんて……ん?」


 手を突いた時に、布団の中にあった布状の物を触ってしまった。


「これは……Tシャツ?」

「きゃっ! だ、だだだ、ダメぇええっ!」


 圧し掛かってきた真美さんに、掴んでいたTシャツを奪われてしまった。


「今のは?」

「な、何でもないよ。はうぅ♡」


 真美さんはTシャツを背中に隠してしまった。

 何となく俺が部屋着にしていたTシャツに似ている気がする。

 まあ、それはないか。俺のTシャツが真美さんの部屋にある訳ないし。


「ほら、食べよ♡ あーん♡」


 アップルパイを手に取った真美さんが、俺の膝の上に迫ってきた。


「ちょ、近い、近いです。真美さん」

「私の下着やTシャツを漁る悪い子の俊くんにはお仕置きです♡」


 バレてる! クローゼットを漁ろうとしたのがバレてる!


「違うんです! あれは出来心で」

「うふふぅ♡ 俊くんのエッチぃ♡」

「あーっ、すみません……んっ、もぐもぐ……美味しい」


 真美さんのアップルパイは最高に美味しかった。甘酸っぱいリンゴとサクサクのパイ生地が絶妙のハーモニーだ。

 何となく真美さんの味がする気がする。


「これ美味しいですね。さすが真美さん。ケーキ屋を出せそうですよ」

「うふふっ♡ 褒め過ぎだよぉ♡ このこのぉ♡」


 上機嫌の真美さんが、何やらブツブツつぶやいている。


「ああぁ♡ 俊くんが私のパイを食べてるぅ♡ 私のわきで捏ねて汗とエッチなエキスを注入した特性パイをぉ♡ はぁ♡ はぁ♡ ダメぇ♡ もっと食べてぇ♡ 私の全てを食べてぇ♡ もう私と俊くんは一心同体だよね♡ ぶつぶつぶつ――」


 真美さんが自分の世界に行ってしまった。小声で何かつぶやいているけど、詳しい話は分からない。

 たぶんアップルパイのレシピかな?


「もぐもぐ……ホントに美味しいです」

「もっと食べてね♡ はい、あーん♡」

「あーん……美味しい」

「んふふ♡ んふふふっ♡ 俊くんが……私の腋パイを♡」


 腋パイと聞こえたけど気のせいかな?

 まあ、さっき見たキャミソール姿の腋と横乳は最高だったけど。腋パイ最高!


「本当に美味いな。これはまた食べたいかも」

「良かったぁ♡ また作ってあげるね♡」

「はい」


 真美さんのパイは本当に美味しかった。中毒性がありそうなくらい虜になる。

 いくらでも食べられそうだ。


 やっぱり真美さんの味がするような? フェロモンでも入ってるのかな?

 よし、真美さんのパイだから『真美パイ』と名付けよう! 決して『真美パイGカップ(推定)』じゃないからな。



 真美パイ……腋パイ……?

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姉喰い勇者と貞操逆転帝国のお姉ちゃん!

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ブレイブ文庫 第1巻
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