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誰にも媚びない孤高のS級ヒロインが、最近なぜか俺にだけ優しいのだが ~ドS級美少女の瑛理子先輩は、俺が好きすぎてデレを隠し切れない~  作者: みなもと十華@3/25二作同時発売
第1章 瑛理子先輩は誰にもなびかない

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第22話 選択肢を間違えた?

 食事会当日の夕方、俺は真美さんの家の前に立ち、インターホンを押そうとしていた。

 今から真美さんと夕食を共にするのだ。しかも二人っきりで。


「き、急に緊張してきた。大丈夫だ、食事をしただけでは妊娠しないはず」


 自分でもバカなことを言っていると思うのだが、男は好きな人の話になると変な言動になるものだ。

 いくら俺でも食事しただけで妊娠するとは思ってないぞ。そういう雰囲気になったらどうしようという意味だ。

 まあ、真美さんに限ってエッチなことなんかしないだろうけど。


「ふうっ……よし、押すぞ」


 深呼吸してからインターホンに向け腕を伸ばす。

 あと数ミリでチャイムが鳴ろうとした瞬間、突然ドアが開いた。


 ガチャ!

「俊くん♡ いらっしゃい」

「うわぁ!」


 凄いタイミングで真美さんが現れ、俺は心臓が止まるのではと思うくらい驚いた。


「ままま、真美さん! 驚かせないでよ」

「ごめんごめん♡ そろそろ来る頃かなって思って」


 はにかんだ真美さんは、顔の横で手を合わせる。

 それにしてもピッタリだったな。まるで俺の位置が分かってるみたいに。


「ビックリしましたよ。俺の居場所を把握してるんですか?」

「うふふっ♡ 俊くんの居場所なら何処でも分かっちゃうのです♡ 乙女の勘でね♡」


 真美さんには嘘が通用しなそうだ。結婚したら浮気が一発でバレそう。

 結婚とか想像して顔が熱くなる。


「ほらほら、早く入って♡」


 天使の笑顔になった真美さんが手招きする。

 あれっ、天国かな?


「ではお邪魔します……うわぁああっ!」


 ドアを開け一歩入ったところで気づいた。

 真美さんの服装が刺激的なことに。


「どうしたの、俊くん?」

「ちょ、それっ、ええっ!」


 目のやり場に困った俺は、とっさに目を逸らした。下駄箱の上に置かれた木彫りの熊に。


 上はキャミソールというやつだろうか。肩も腋も大胆に見えまくっている。一瞬だけ見ちゃったけど、Gカップ(推定)の谷間まで。

 下はピチピチのショートパンツだ。そこから覗く白くてきめ細やかな艶肌を、バッチリ目に焼き付けてしまった。


「どうしたの、俊くん?」


 真美さんが話しかけているけど、あまりにもエッチな格好で、まともに顔を見られない。

 俺は木彫りの熊に話しかける。


「あの、今日の真美さんって、いつもと違いますね」

「そうかな?」


 振り向くと、真美さんは体を捻り自分の姿を確かめていた。


「どこか変かな?」

「へ、変じゃないです。ちょっと露出が多いというか……」

「あっ、これ部屋着なの。どうかな?」


 そう言って真美さんはポーズを決める。

 腕を上げ、腋を大胆に見せつける仕草で。


「ああぁ、それは反則すぎる」

「んふっ♡ どうしたのかな? 腋が気になるの?」

「ぐはぁ!」


 女子の腋が気にならない男子なんていません!

 あああ、憧れの真美さんが腋を……。そんなの見ちゃったら眠れないぞ。

 でも、他の男に見せたくない……。


 俺の表情で何かを察したのか、真美さんは腕を降ろした。


「大丈夫だよ。外では着ないから」

「な、なら安心ですね」


 って、そうじゃないよ!


 自分で自分の発言にツッコミを入れてしまった。

 確かに外で着て他の男たちに見られたら嫌だけど。

 そうじゃなくて!

 二人っきりなのにエッチな格好されたら困るんだよ!

 ただでさえ真美さんのGカップ(推定)をチラ見しちゃうのに、そんなに強調されたら我慢できないだろ。

 しかも腋まで!


「ほらほら♡ 上がって上がって」

「ま、真美さん、近いっ」


 俺の背中をポンポンと押す真美さん。少しだけ柔らかな膨らみまで当たっているような。

 きっと気のせいだ。気のせいということにしよう。


「ワンワンワン」


 ポメオがとてとてと駆け寄ってきた。

 真美さんが散歩させているのを何度か見ただけなので、こうして近くで触れ合うのは初めてだ。


「ほらポメオ、お手」

「ワフ」


 しっぽを見せて真美さんの方に行ってしまった。伸ばした手のやり場に困る。


「うふふ♡ ポメオったら」

「あはは」



 真美さんに手を引かれて入ったダイニングには、すでに料理が並べられていた。

 ポテトサラダにピーマンの肉詰め、そして鍋の中から漂う醤油とみりんの香りは肉じゃがかな。

 どれも手の込んだ料理ばかりだ。


「うわぁ、美味しそうですね」

「うふふっ♡ ちょっと待ってね、今ご飯をよそうから」


 シュルッ!


 真美さんは、椅子に掛けてあったエプロンを取る。

 エプロン姿の真美さんは、更に刺激的だった。キャミとショーパンの上からだと、まるで裸エプロンに見えるのだが。


「ああぁ、もう限界だ……」

「どうしたのかな? 俊くん顔が真っ赤だよ」

「だ、だからその格好が……」

「これ? んふふ♡ 何か新妻みたいだよね♡」


 どっきーん!


 新妻という言葉で俺の胸が跳ねる。

 もうこれ新婚さん生活みたいじゃないか。


「しゅーんくん♡」


 裸エプロンみたいな格好で迫る真美さん。もちろん服は着ているのだが、エプロンに隠れて見えないのだ。


「ああーっ! ダメですよ、真美さん!」


 とうに限界を超えていた俺は、自分のパーカーを脱いで真美さんに渡した。


「真美さん!」

「は、はい?」

「これ着ててください!」

「ふぇ」


 面食らったような顔の真美さんが、モジモジと脚を動かす。


「真美さん、いくら他に男がいないからって無防備すぎです。俺だって男なんです。真美さんは可愛いから、そんな露出の多い格好をしていたら危険ですよ。気をつけてください」


 しまった。俺が説教してしまったから、真美さんがあたふたしている。

 俺は年上のお姉さんに何をやってるんだ。


「か、かか、可愛っ、かわいいって言ったぁ♡」

「あっ、つい本音が」

「も、もうっ♡ 俊くんったら♡ 上手いんだから。年上のお姉さんをからかっちゃダメだぞ」


 真っ赤な顔になった真美さんは、指を立ててお姉さんぶる。

 何だか懐かしい。昔はこうやって『お姉さんに任せなさい』ってやってたな。


「うんしょ♡」


 一度エプロンを外した真美さんが、俺のパーカーを羽織った。

 自分の服を着させるとかエッチなのだが。


「んっ♡ すーはー♡ 俊くんの匂いがする♡」


 真美さんが俺のパーカーに顔を埋めている。


「ちょ、ちょっと! 真美さん?」

「くんくん♡ くんかくんか♡ ふぁ♡ 汗くっさぁ♡」

「ちょっと真美さん、嗅がないで! すす、すみません、汗臭くて!」

「臭くないよ♡ 俊くんのなら大歓迎だよ♡」


 恥ずかしい。何で俺は自分の服を貸しちゃったんだ。しかも毎日着ている未洗濯のやつを。

 つい、ラブコメでよくあるやつを真似てしまった。


「って、前よりエロい……」


 パーカー姿の真美さんが、余計にエロくなっている。

 何故かファスナーが下乳のところで止めて胸が飛び出してるのだが!

 しかも、下はショーパンが隠れちゃって、何も穿いてないみたいなのだが!

 ノーパンみたいなのだが!?


「すびません……鼻血が出そう……」


 俺は知った。人は興奮すると、本当に鼻血が出そうになるのだと。

 漫画の表現だけじゃなかったんだ。


「うふふっ♡ 俊くんったら♡」

「ホントすみません。すぐ落ち着きますから」

「しょうがない俊くんだな♡ くんくん♡ 肉じゃがもよそうね。すーはー♡」


 慣れた手つきで真美さんが料理をよそっている。普段から料理をやっているのかな。

 ただ、ちょっと息が荒い気がするけど。


 ご飯と肉じゃがな並んだところで食事になった。

 向かい合って座った真美さんが手を広げる。


「はい、召し上がれ♡」

「いただきます」


 先ずは肉じゃがを食べてみた。

 出汁だしの利いた甘じょっぱい味が、ジャガイモに染みていてめちゃくちゃ美味しい。中までホクホクだ。


「美味しい! これ、めっちゃ美味しいです! 一口でご飯三杯はイケそうです」

「良かった。お気に召したようで」


 俺の食べっぷりを見て、真美さんも満足げだ。


「真美さんって、料理が得意だったんですね。凄いな、真美さんって何でもできちゃう」

「うふふ♡ 褒め過ぎだよぉ♡」

「おっ、この肉詰めも美味しい! ポテサラもクリーミーで最高だ!」

「えへへぇ♡」


 真美さんの料理は本当に美味しかった。お店で出せるレベルだぞ。


「こんな美味しい料理を食べられるなんて、真美さんと結婚する人は幸せ者ですよね」


 って、ヤバっ! つい口が滑った!

 真美さんが茹ダコみたいに真っ赤になってるじゃないか!


「えっと、あの……」

「も、もうっ♡ 俊くんのバカっ♡」

「あはは……」

「誰と結婚するのかな? ねえねえ♡ 俊くんはぁ、誰と結婚したいのかな?」


 真美さんがテーブルに身を乗り出してきた。


「えっと、それは……」


 言えない! 真美さんと結婚したいなんて!

 ああぁ、真美さんが眩しすぎて直視できないぞ!


「ほらほらぁ♡ 俊くんはぁ、誰に料理を作ってほしいのかな?」

「ううっ、もう勘弁してください」

「えへへぇ♡ 俊くん可愛い♡」


 うぎゃああっ! もうドキドキし過ぎて心臓が飛び出しそうだ!

 今日の真美さん、ちょっと積極的なのだが!

 ダメだ、これ以上は俺のハートが持たない。話題を変えないと。


「そ、そういえば……料理で思い出しました。瑛理子先輩って、完璧超人みたいな見た目で料理がド下手なんですよ。ホットケーキが爆発しそう……って、あれっ?」


 ピキピキッ!


 いきなり俺は間違えた。

 俺の不用意な発言で、真美さんの威圧感が急上昇したのだが!



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姉喰い勇者と貞操逆転帝国のお姉ちゃん!

書籍情報
ブレイブ文庫 第1巻
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