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誰にも媚びない孤高のS級ヒロインが、最近なぜか俺にだけ優しいのだが ~ドS級美少女の瑛理子先輩は、俺が好きすぎてデレを隠し切れない~  作者: みなもと十華@3/25二作同時発売
第1章 瑛理子先輩は誰にもなびかない

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第18話 俊くんって、たまにお仕置きしたくなるよね

 俺は咄嗟とっさに、瑛理子先輩と組んでいた腕を離した。

 やましいことは何もないはずなのに。


「俊くん……」


 ただ真美さんにはバッチリ見られていたようだ。真美さんの目が俺と瑛理子先輩の腕を凝視している。


「あ、あのですね、これは何でもなくて……」


 俺は必死に弁解しようとするが、頭が混乱して言葉が出てこない。

 瑛理子先輩とは何もないはずなんだ。

 でも、真美さんの前だと後ろめたい気持ちになってしまう。


「俊くん、やっぱり万里小路までのこうじさんと仲が良いんだね」


 真美さんは寂しそうな顔でそうつぶやいた。


「えっと、これは、違うんです。その……」

「彼には助けてもらったのよ。しつこい男性に絡まれていたところをね」


 瑛理子先輩が助け舟を出してくれた。やっぱり天使かな? 悪魔とか思っててごめんなさい。


 話を聞いた真美さんは、ほっと胸をなでおろす。


「なぁんだ、ビックリしたぁ。二人が付き合ってるのかと思っちゃったよ」

「付き合ってなんかいないですよ、真美さん」

「そうよね。俊くんフリーって言ったもんね。童貞だよね♡」


 どどど、童貞って言うなぁああ!

 って、真美さん? 今、真美さんの口から童貞ってワードが出たような?

 もしかして道程かな?


「事情は分かったけど……」


 真美さんはグイッと一歩を踏み出し、瑛理子先輩と対峙する。

 あれっ、前にも同じシーンを見たような?


「万里小路さんって、俊くんと距離近すぎないかな?」

「べつに普通よ。ハグしたり腕を組んだりするくらいだわ」


 ちょっと瑛理子先輩! 何で張り合ってるの!?


「へ、へぇ……ハグしてるんだ……」

「そうよ」

「ふぅん、万里小路さんって悪い子なんだぁ。後輩男子を部屋に連れ込んだり、色仕掛けで落とそうとしたり」


 ああ、また二人が険悪な感じに!

 一体何が原因なんだ!

 丸木戸まるきど学園の双璧をなす二大美女を対立させるなんて。原因となった奴をぶん殴りたい!


「私が何をしようが私の自由だわ。誰にも強制されるいわれはないわね」

「そうだけど、俊くんは私の幼馴染なんだよ」

「結婚していない限りは、誰と関係を持とうが民法上の不法行為にはあたらないわ」

「民法上の不法行為になならなくても、姉法上の極刑行為になるんですぅ」

「そんな法律は存在しないわね。独裁かしら?」


 ちょ、ちょっと待て! 二人がエスカレートしているぞ!

 てか、姉法って何だ? うちのドS姉ちゃんじゃあるまいし。


「ま、待ってください! 喧嘩はダメですよ!」


 俺は二人の間に入った。

 真美さんのGカップ(推定)と瑛理子先輩の美乳が近くて目のやり場に困る。


「何が原因か知らないけど落ち着きましょう」

「大崎君、あなたバカなのかしら?」

「俊くんって、たまにお仕置きしたくなるよね」


 何故か二人のジト目が俺に向けられた。

 何でだぁああ!


「まあ良いわ。私はこれで失礼するわね」


 やれやれといった感じに肩をすくめた瑛理子先輩は、俺の方を向く。


「大崎君、また部室でね」


 ポンッ!

 パシッ!


 瑛理子先輩が俺の肩に手を置く。

 それをすかさず真美さんが払った。


「万里小路さんって、ボディータッチが多すぎだよ。エッチだよね」

「そうかしら? 望月さんの方がエッチだわ。男を狙う女豹の目をしているわよ」

「そんなことないよぉ。狙ってるのは一人だけだし」

「ふふふっ」

「えへへっ」


 最後に笑いあってから、瑛理子先輩は帰っていった。

 まるで格闘技漫画の強キャラみたいに。


「はぁ~っ、無事に収まって良かった」


 女子が対立するのは冷や冷やするよ。


「そういえば真美さん、よく俺の場所が分かりましたね」

「偶然だよ。たまたま歩いていたらね、前から俊くんが歩いてきたから」


 偶然ならしょうがないな。

 それにしても凄い偶然が重なるな。もしかして運命とか?


「それより俊くん、急用はもう良いの?」


 ギクッ!

 しまった。用事があるって言って、真美さんを置いてけぼりにしたんだった。


「えっと、はい、実は用事は別の日でした」

「そうなんだ。ならまだ一緒にいられるね♡」

「はい」


 何とか誤魔化せたかな。


「それで、万里小路さんとはいつもハグしてるの?」


 ギクギクッ!

 しまった、まだ話は終わっていなかった!


「あれはですね、男性に絡まれていたから、成り行きで彼氏役を……」

「そうなんだ。特別な意味じゃないんだね」

「はい」


 今度こそ大丈夫かな?


「えっとね♡ それでね♡ わ、私もハグ……ごにょごにょ」

「どうかしましたか、真美さん?」


 真美さんが挙動不審だ。体をクネクネさせ悶えている。


「だ、だからね、だ、だだ、抱っこ……はぅ♡」

「えっ? ラッコ?」


 ドスッ!

「ぐえっ!」


 ええっ!? 今、真美さんにエルボー入れられたような?


「あっ、ごめんね。肘が入っちゃった」

「大丈夫ですよ。痛くないので」

「ホントにごめんね。ナデナデで癒さないとだよね。すぐにホテル行こ」

「えっ、スワローテイルがどうかしましたか?」


 ドスッ!

「ぐえっ!」


 えええっ! またエルボー入れられたんだけど?


「俊くん? それわざとやってるのかな? 悪い俊くんはお仕置きしちゃうぞ」

「ひぃいいいいっ」


 ゾクゾクゾクッ!


 腰の奥がゾクゾクと震えた。

 一瞬だけ、真美さんがドSっぽく見えたんだけど。

 もしかして真美さんも……?


「じょ、冗談だよ♡ 私が俊くんに痛いことするわけないでしょ♡」

「そ、そうですよね」


 だよね。真美さんは優しいもんね。


「でもでもぉ♡ 俊くんが痛いの好きならぁ♡ お姉ちゃん頑張っちゃうけど♡」

「真美さぁああぁん!」


 マズい、真美さんが誰かの悪い影響を受けている。きっと凛のせいだろ。あのアホ姉めぇ!


「嘘だよ♡ 冗談冗談♡」


 ドSっぽくなった真美さんだけど、すぐに元の優しい雰囲気に戻った。


「もう、ビックリしたじゃないですか。冗談キツイですって」

「ごめんごめん♡ 俊くんが驚いてるのが可愛くって」

「もうっ、真美さんったら」


 もういつも通りだ。いや、いつもより甘々な感じがする。

 俺の胸元に入ってきて距離も近いし。


「真美さん、そんなに近づくと……あっ」


 ギュッ!


 しまった。まだ抱きしめてしまった。

 わざとじゃないんだ!

 真美さんのGカップが近くて危険だったから、肩を持って止めようとしただけなんだ!


「おっ♡ おっ♡ おおぉ♡」


 また真美さんの様子がおかしい。

 肩を小刻みに震わせて体をひくつかせている。


「あ、あの、真美さん?」

「んっほぉおおおおおおおおぉ~ん♡」


 また真美さんが気絶した。

 疲れているのかな?



 ◆ ◇ ◆



 帰宅した俺は、すぐに部屋に向かいノートパソコンを開いた。

 今日一日で色々あって、創作のアイデアが浮かんできたのだ。


「よし、キャラ設定を追加しよう。ラブコメ要素も入れたいよな」


 ヒロインは二人だ。黒髪ロングの魔法使いエリーゼと、天使の笑顔で敵を瞬殺する女剣士マリー。

 エリーゼは暗黒魔法を使う怖い女だけど、たまに見せる笑顔が可愛くて守ってあげたくなる。

 マリーは主人公に優しく献身的で、でも敵には容赦しないっと。


 敵キャラも追加しよう。

 領主の息子オーウェン。金の力を使い、ゆく先々で主人公を邪魔するっと。


「やった、これでプロットは完成かな。第一話を書いてみよう」


 思ったより筆が乗っている。まるであの頃のように。

 中学の時の情熱を取り戻したようだ。


 これも瑛理子先輩のおかげかな。

 あの人の暴走するような情熱に、俺まで影響されたようだ。



 カタカタカタ!


 一息つこうとしたその時、ドアの向こうが騒がしくなる。

 きっといつものアレだ。


 ガチャ!


「お祭りの定番お菓子といえば、正解はち○ち○焼き! ピンポンピンポン!」


 ドアを開けて入ってきたのは、いつものように卑猥なワードを口にしながらふざけている姉、凛である。


「姉ちゃん、そのチ○○への異常な執着は何なんだよ? もう学校の皆に教えてやりたいぜ。家の姉はチ○○大好きだって」


 俺の返しにも動じない凛は、ズカズカと俺のところにまで来て胸を張る。


「ち○ち○焼きは日本中で愛される名菓でしょ! ち○ちこち○やぞ!」

「普通にベビーカステラで良いような?」

「それじゃ面白くなぁい! うら若き乙女が話すのに、少しの羞恥と背徳感があるのが良いんでしょ!」


 言われてみれば……。

 このアホ姉、実は天才か!?


「ところでデートはどうなったのさ?」


 何だ、それを聞きに来たのか。


「べつに、喫茶店に行って、良い感じになって……。あっ、偶然抱きしめちゃって、そうしたら真美さんが気絶した」

「は!?」

「あと瑛理子先輩と偶然会って、真美さんと険悪な雰囲気に」

「はぁああああぁ!?」


 何故か凛が頭を抱えている。

 どうしたんだ?



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姉喰い勇者と貞操逆転帝国のお姉ちゃん!

書籍情報
ブレイブ文庫 第1巻
ブレイブ文庫 第2巻
COMICノヴァ

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