プロローグ
▫この作品は遥彼方様主催企画『共通恋愛プロット企画』参加作品です
▫プロット提供者「遥彼方」様の「異世界恋愛」を元に執筆した作品となります
きゃははは。
わーい、こっちへおいでよー。
待ってー。
賑やかな日溜まりの庭には子どもたちの声が溢れている。
こんな穏やかな風景が見れるなんて。
私は、ティーカップを片手にそんな風景に見惚れている。
見惚れている要因はもう一つ。
子ども達と戯れているあるお方の姿もあるから。
ポッと頬が赤らんでいくのが分かる。
カティーことカティアは、風になびく灰色の髪を押さえて見遣る。
「大分、伸びたわ……」
嬉しくて口元が綻ぶ。
元々はこの髪に色と、そして。
「猫のおかーさま! 一緒に遊びましょ!」
子どもの一人が足元に飛びついてくる。
猫のお母さまと私が呼ばれる所以となったこのオッドアイ。
金の右目に、水色の左目。
私の家が落ちぶれた理由。
でも……。
と今は思う。
この容姿のおかげで、私は今、幸せだ。
思い返せば、あれはほんの数か月前の出来事。
日溜まりの庭への道標のスタート地点は、あの日から始まったのだから……。
お読みくださり、本当にありがとうございます。




