ワンダーボーイズ【アルバイト】
ワンダーボーイズの名前は昔のアイドルグループ、ちゃいるずから取りました。
セージモバイルは、セージは賢者を意味します。
今回でSNSの流れが変わります。いでっち51号さんからダテケンを借りました。
『俺たちは笑われているんじゃない! 笑わせているんだ!!』
『蒼井企画が生んだ怪物集団、ワンダーボーイズの登場だ!!』
「磯野貴理人!! めがよくみえないです!!」
丸刈りで黒いサングラスをかけた男が叫んだ。黒いシャツにジーンズを着ている。
「久留竜平!! 生まれつき足がないです!!」
上半身が異様に盛り上がり、赤いランニングシャツを着た両足が欠けた男が車椅子に乗って出てきた。
「そしてこの俺、茂原裕次郎!! こびとです!!」
130センチほどの小人が現れた。髭を生やし鬢髪を結っている。小人症故のソプラノボイスが響いた。
「「「三人合わせて、ワンダーボーイズです!!」」」
三人とも手を動かしている。手話だ。
「今日はアルバイトについて話をします。俺だったらコンビニの店員になりたいですね」
貴理人が言った。
「じゃあ、俺が客をやるよ。はい、にくまんくださいな」
「はいはい、どこかな、どこかな」
竜平が客を演じると、貴理人が肉まんのケースを探している。そしてステージの隅まで探しに行った。
「目が見えないんじゃ、無理だろうが!!」
「ふふん、心の目で見るから大丈夫です!!」
裕次郎が突っ込んだ。だが貴理人は裕次郎に背を向けて胸を張っていばっている。
「俺が店長だったら、お前を採用しないよ!!」
「うーん、がんばればなんとかできると思ったけどなー! うまくいかないや、てへ」
竜平の言葉に貴理人はおどけていた。
「君は目が見えない分、楽器の扱いはうまいはずだよね。それやってみたらどうだ?」
裕次郎が言うと、ステージの外からハーモニカを放り投げられた。竜平がうまくとると、貴理人に渡す。
貴理人はたくみにハーモニカを演奏した。その背後に竜平は手を叩き、裕次郎が踊っている。
そして貴理人が演奏を終わると、観客席から拍手が起きた。
「それでアルバイトの話に戻るけど、ふたりはどんなアルバイトがしたいかな?」
「そうだなぁ、引っ越し業者になりたいかな」
「車いすしか乗れないのに、どうやってやるんだよ!!」
竜平が言うと貴理人が突っ込んだ。
「俺の両腕を舐めないでもらいたいな。みろよ、この鍛え上げられた肉体を。背中に荷物を背負えるんだぜ」
竜平は車椅子から降りると、両腕で地面を歩き出す。その背中に裕次郎が乗った。
ステージの上をひとしきり回る。裕次郎は無邪気に笑っていた。
「君、いちいち背中に荷物を背負っていくわけ? 効率悪いだろ?」
「それでも俺は人生の重荷を背負っていくんだ!!」
「必要のない重荷を背負う必要はないぞ!!」
貴理人が叫んだ。
「ところで俺がやりたいアルバイトがある!! それはきれいなお姉さんに甘えることだ!!」
「「そんなのねぇよ!!」」
裕次郎が叫んだ。貴理人と竜平が突っ込む。
「なんでだ!! 俺ってかわいいだろ!!」
「顔が老けているから可愛くないよ!!」
「お前の顔はひょっとこに似ているからな!!」
竜平が突っ込むと、貴理人は裕次郎の背を向けて叫んでいた。
「お前俺の顔見えてないだろ!!」
「なんだって? どれどれ顔を確認しましょう」
貴理人は裕次郎の顔を触りだした。
「可愛い顔だな。俺がお前を飼ってやろう。ためしに鵜飼いでもやってみるかな?」
「なるほど!! それなら女の子にモテモテだな!!」
「いや、モテないよ!! そんなの怖いよ!!」
貴理人と裕次郎はうっしっしと笑い合うが、竜平が突っ込んだ。
「「「ありがとうございました!!!」」」
三人は頭を下げた。
CM:セージモバイル。セージモバイルの携帯は年寄りでも安心して扱えます!! 身体が不自由でも大丈夫です!! 出演:ワンダーボーイズ。
SNSの声。『すごい面白かった!! 障碍者でもお笑いができることを証明しているね』
『障碍者なんか出すなと叫ぶ人いるけど、あいつら障碍者差別が好きだからな』
『あいつら自分の声が世界の代弁者と思い込んでるから質悪いよね』
ダテケン『面白かった。アカウントは消していたけど、今回限りで復活したよ。ワンダーボーイズは養護学校や福祉施設を中心に活動しているんだ。彼ら向けにコントを披露していることが多いね。本来お笑いは誰でもできる。健常者だろうが関係ないよ。お笑いに同情なんかいらない、面白ければいいんだ。SNSでは障碍者が笑いものにされて可哀そうだの、蒼井企画は潰せだの一部の芸能人が大声を張り上げている。自分たちがつまらないから嫉妬しているのさ』




