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バニーレンジャー【夢】

「バニー5人でバニーレンジャー!! ひねりない!!」

「みんなバニーが大好き!! コントを披露します!!」


「皆さん初めまして!! 私はバニーレンジャーのリーダー、小林早紀こばやし さきです!! 今日は他のメンバーも紹介します!!」


 茶髪で肩まで伸びた20代後半の黒バニーが答えた。


多田優おおた まさる!! 気が強そうですぐ寝取られそうと話題沸騰!!」

「いや、彼氏いないから寝取られないし!!」


 黒髪のショートカットで、眉が太く気の強そうな赤いバニーだ。


雨奥日海夏あまおく ひみか!! 清楚風に見えてわがままボディの持ち主!! 先輩にすぐ寝取られて調教されそうなルックスが人気です!!」

「私我がままではないです!! そもそも先輩たちはそんなことしません!!」


 黒髪で三つ網、垂れ目が優し気で黒縁眼鏡をかけていた。豊満な胸で腰が括れている青バニーだ。


立井友希たちい ゆき!! 小柄な体で生意気そうな言動が大人気!! メスガキとして客をあおりまくるのが難点だ!!」

「ええ~、あおらないよ~。ののしってるだけだし~。ざぁこ、ざぁこ」


 茶髪のショートカットで生意気そうな表情を浮かべている。黄色いバニーだ。


奥迫未夢おくさこ みゆ!! 気が強そうで最年少!! お尻が弱い女の子です!!」

「それは風評被害です。何言ってるんですか?」


 黒髪でウェーブがかかっている。気の強そうな顔立ちでお嬢様と呼ばれても違和感はない白バニーだ。


「さっきから俺たちの紹介がひどすぎるぞ!! 大体リーダーはどうなんだよ!!」


 優が憤慨する。だが早紀は考え事をしていた。


「正直、私のコピーが思いつかないんだよね。よく人から個性がないと言われているから」

「ああ、確かにリーダーは地味だしな」

「個性がないのが個性って言われてますしね」

「真面目なのが唯一の取り柄だもんね」

「なんでリーダーになったのかわかりませんわ」


 メンバーの辛らつな言葉に早紀は落ち込んでいた。


「もっとも黒バニーは選ばれたバニーでごさいますからね。そもそもバニーは普通の女性は着れません。バニーを着ている時点で私たちは常人と違いますからね」


 未夢がぼやいた。


「そうなのよ!! バニーは露出が多いけど、うさ耳にしっぽという非現実的なアイテムが魅力を引き立たせるのよ!! でも世間の人は私たちを変態扱いしやがるのよ!! あんまりでしょ!!」


 早紀が憤慨した。ぷんぷんと腕を振り、地団太を踏んだ。4人はそれを見守っている。


「まあ、バニーって生きている間じゃ着ないもんな」

「バニーを着ていると世界から隔離されている気持ちになりますからね」


 優と日海夏が答えた。


「でもバニーはエロい目で見られるよね。開けた胸に網タイツに包まれた尻に太もも。じろじろ見られていると感じちゃうわ」


 友紀がうっとりした顔になった。えへへと笑う。


「それでもってお客を相手にもみくちゃにされると期待してましたが、事務所ではそれは絶対に認められないとのことです。当然ですけどね」


 未夢がやれやれと首を振りながら言った。


「私にはね夢があるのよ!! それは先輩のバニラアイスの奴隷になること!! 私を椅子にしてっていったら、馬鹿なことを言うなと空手チョップ喰らったのよ」


 早紀が叫ぶと、悔しがった。


「そりゃあ、馬鹿としかいいようがないよな。そもそもリーダーって体のメリハリ薄いじゃん。中途半端じゃん」

「なにさ!! あんたはボーイッシュで受けているからって!! 洗濯板みたいな胸が評判じゃない!!」

「評判いいのか? むしろ胸は会った方がいいと思うけどな」


 早紀に指摘された優は考えている。


「確かにロリコン系は人気が高いからね。しかも優は小学生のわんぱく小僧みたいに日焼けしているし、そんな子がバニーなんてニッチだけど人気はあるよ」

「お前、それ褒めてないだろ!!」


 友紀が優の肩を叩いて慰めた。もちろん優は怒っている。


「そもそもリーダーは思い切りがないですわ。私のようにこうやらないと。ゴールデンボール!!」


 日海夏は両手で握りこぶしを作り、蟹股で股間の部分に当てた。


「あはははは!! 清楚系で下ネタなんて最高!! あははははははははは!!」


 早紀は腹を抱えて笑い転げた。4人はドン引きしている。


「そこまで面白いかなぁ。笑いの沸点低すぎじゃん」

「私もここまで受けるのは想定外でした」


 友希が腕を組みながらつぶやいた。やった本人も驚いている。


「マタンキ、キラキラ、キンキラキン。おまたでおまたせ、またきんきん」


 日海夏がスキップを踏みながら踊る。それを見て早紀はさらに笑い声をあげた。床に倒れてごろごろ転がっている。


「逆にこれが個性なのかもしれませんわね」

「それに客のあしらいもリーダーが上だしねぇ。ボトルの売り上げは私が一番だけど、めんどくさいからリーダーにまかせてるもんね」


 未夢も右手を右頬に当てながら思案している。友紀も同意していた。

 ステージ上では早紀の笑い声が響いていた。


「……リーダー笑いすぎだろ」

「もう時間ですし、絞めましょう」

 

 優と日海夏が答えた。4人はリーダーを無視して観客の前に立つ。


「「「「ありがとうございました!!」」」」


 4人が挨拶し、笑い転げる早紀を引きずっていった。


 cm。キャバレー・アリス。バニーさんが待ってますよ!! おいしい料理とお酒も楽しめるよ!! 出演・バニーレンジャー。


 cm終了後はバニーレンジャーが演奏。バニーでぱいのぱいのぱい。バニーのずんどこ節が演奏された。


 snsの声『テレビにバニーを出すな!! すごくむかつく!!』

『子供の見せる番組じゃない!! こいつらを永久に出禁にしろ!!』

『世の中の恵まれない女性を侮辱している!! 蒼井企画も潰せ!!』


 グチエン『面白かった。バニーらしいコントだった。あ? コメントが短すぎるから、本当は適当につぶやいているだけだって? ふざけないでもらいたいな、本当に面白いものは長々と説明する必要はないんだよ。』

 キャバレー・アリス。不思議の国のアリスがモデル。


 バニーレンジャー。蒼井企画の新人。鳴かず飛ばずで個性がなく、アリスでバニーとして働いていた。

 事務所の方針でクレイジーキャッツの映画を鑑賞し、そこからバンドに興味を持ちだした。

 普通のガールズバンドよりも蒼井企画らしさを求め、全員バニーになった。


 名字はスラップスティックという解散したバンドで、下の方は女性声優のアイリスから取りました。

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― 新着の感想 ―
江保場さんの夢がつまってる(*´ω`*) 素敵♡♡♡
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