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母娘丼【親子】

『見た目は幼女で頭も子供!! 身体がでかくて心は大人!!』

『親子漫才、母娘丼おやこどんの登場です!!』


「こんにちは~、白木しらきほのか、40歳だよ~」


 130センチでふんわりした茶髪が肩まで伸びてる。白いゴスロリドレスを着ていた。


「そして娘の喜久子きくこ、17歳です!!」


 次に180センチのふんわりした黒髪の女性が出てきた。卵型の顔に垂れ目でにこやかな笑みを浮かべている。ほのかとそっくりだ。黒いゴスロリドレスを着ていた。

 喜久子は足を広げ、ほのかがその股をくぐる。両手で銃のような形を作り、喜久子もまねた。


「「ふたり合わせて母娘どーーーん!!」」


 セリフを決めた。


「はーい、私たちは親子でーす! 親子で漫才をやっているんですよ~」

「親子で漫才をやっているのって珍しいですよね~」

「ところで喜久子ちゃん。私たちの芸名ってどういう意味なのかしら? おやこどんと読むけど、母と娘で読むのよ、不思議よね?」


 ほのかが首をかしげながら喜久子に訊ねた。すると喜久子は目を背ける。


「不思議だね~。私はさっぱりわからないや」

「実は母親と娘を一緒にいただくことを、おやこどんと呼ぶんですよ」

「ごまかしたのに暴露した!! テレビでしゃべっちゃいけないでしょ!!」


 あっけらかんとほのかが暴露するが、喜久子が烈火の如く激怒した。毎回これを繰り返すのが鉄板であった。


「それはそうと喜久子ちゃん。私って背が低いよね」

「40になっても130センチだよね。小学生と間違えられて困ってるよね」

「そうなのよ。でも世間の目は厳しいの。前に映画館で小学生で買おうとしたら店員に注意されたのよ」


 ほのかは悔しそうだ。喜久子はどうでもよさげに訊ねた。


「なんでばれたんだろうね。お母さんは見た目だけは小学生だよ、見た目だけは」

「見ようとしたのは古いポルノ映画だったの。周りは中年親父だらけで燃えたね」

「そりゃあ、小学生でも注意されるよ!! 恥ずかしいからやめてよね!!」


 喜久子は般若のように激怒したが、ほのかは微風のように聞き流していた。


「でも喜久子ちゃんは昔から可哀そうだった。小学生の頃から170センチだったから映画館でも大人料金以外認められず苦しめ続けられてきたわ」

「いや、身分証を出せば小学生と認識されるよ。今時私みたいな背の高い子は珍しくないみたい」

「そうなのよね。だからAVのスカウトが絶えないのよ。喜久子ちゃんはナイスバディだもの。このこの」


 ほのかは喜久子の両足をぽかぽか叩く。それを平然と見下ろしていた。まるで大木である。


「というかAVとかいうのやめてよね。本気でテレビに出られなくなるよ」

「それはいいんだけど、私って40歳じゃない? でもこんなに小さい。合法ロリとして需要があると思うのよね」

「未成年の娘の前で合法ロリとかやめてよね」

「私は喜久子ちゃんと一緒なら裸になってもいいわ。男優はお父さんがやってもらえばいいじゃない」

「お父さんを相手にしたくないわよ!! 馬鹿言わないでよ!!」

「う~ん、やっぱりお年頃ね~。お父さんを嫌うなんて」

「そういう意味じゃない!! お母さんは私を不良にしたいわけ!!」


 ほのかはくるりと妖精のように可愛らしく回る。喜久子は腕を組みながら鬼のように憤慨した。


「だって喜久子ちゃんはいい子だもの。お母さんのいうことはいつも聞く子だからね。喜久子なだけに」

「毎回娘の名前をいじるのはどうかと思うけどね」

「私の名前だといじれないんだもの」


 喜久子が呆れているとほのかはやれやれと肩をすくめた。


「「ありがとうございました!!」」


 CM:ビッグラミーランド。週末はビッグミラーランドで遊びに行こう!! 出演・母娘丼。


 SNSの声『可愛らしい容姿でどぎつい下ネタを繰り広げるのが鉄板の二人だね』

『母親の方は障碍者手帳は持ってないそうだ。あくまで背が低いだけみたいだ』

『娘も言っているけど、よくこの二人出せたな。面白いからいいけど』


 ダテケン『面白かった。親子で身長差を生かした漫才がいいな。しかも下ネタがすごい。しゃれにならないね』

 白木親子の名前の由来は俳優の白木みのるさんです。120センチでてなもんや三度笠に出演していました。


 下の名前は井上喜久子さんとご息女の井上ほの花さんです。親子で名前を入れ替えました。


 ビッグラミーランドはボディビルダーのビッグラミー氏から取りました。エジプト出身です。

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