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ゼネコン令嬢~ダム・ガール、悪役令嬢になりて異世界に建つ! 継母に家から追放されても、ショタ公爵さまとイチャコラしながらインフラ強靭化計画を実現しますの~  作者: GOM
第2部 ダム・ガール、ショタ公爵様と学園生活を楽しみつつ。、インフラ構築を考える!

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第35話(累計 第79話) ダムガール、倒れそうなティオさまを慰める。

 わたしはヨハナちゃんを連れて、お城までタロス号の脚を進める。

 道が破壊され瓦礫が多い中、馬車で移動は不可能。

 だからこそ、有人操縦型ゴーレムの出番だ。


「警備、お疲れさまです」


「銀のゴーレム、アミータさまですね。話は陛下よりお伺っております。足元に気を付けて城内へお入りくださいませ」


 地震初日は余裕も無かったので、じっくり見てはいなかったが城も各部が破損している。

 城壁も崩れているので、見張りの兵士さんたちが各所に立っており警備をしてくれている。


「アミちゃん姫さま。途中の街並みも酷いモノでしたが、お城も被害が酷いですね」


「地震対策をしていたのは、この国では変人なわたくしくらいですもの。漆喰(しっくい)や簡易セメントで固めただけの煉瓦(れんが)や大理石を積み上げた建物は、簡単に倒壊するわ。中に鉄骨や鉄筋を組み込まないと無理ね」


 城の周囲を囲う水堀も崩れた城壁で埋もれている部分も見受けられるし、正面玄関にある石作りの橋も一部が崩れ落ちたまま。


 ……これ、落ち着いたら土木作業用の有人ゴーレムを派遣した方がいいかしら? 途中までの城下道も、石畳が全壊して馬車じゃ走行は無理だったものね。


「よっこいしょ! っと」

「アミちゃん、乙女らしからぬ掛け声でございますよ」


 橋をゴーレムで歩いて渡るのが怖かったわたし。

 堀を飛び越えて城内にドスンと入る際、おもわずオヤジ掛け声をしてしまう。

 前世含めて現場のおっちゃん達との付き合いが長く、癖がついてしまったみたいだ。


「淑女らしくなくて、ごめんあらしゃっせー」

「もー。アミちゃんったら」


 わたしは、ヨハナちゃんと冗談を言い合いながら城内に入る。

 そして馬が多数待機している場所にゴーレムを駐機。

 多分まだ未成年の若い小姓くんの案内でティオさまの元に向かった。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「アミお姉さん、一昨日からお疲れ様です。活躍のお噂、沢山聞きましたよ」


「いえいえ。わたくし、救えなかった命があったのを今も後悔していますの。それより、ティオさまは眠られてますか?」


 わたしが案内された会議室に入ると、そこでは大きなテーブルの上に置かれた地図。

 そこに書かれた情報を眼を凝らしてみていたティオさまが居た。


 ……眼の下が真っ黒なの。これ、全然寝ていないんじゃないかしら?


「ボクは大丈夫ですよ。アミお姉さんこそ……」


「わたくしには、ヨハナという小うるさく優秀な側仕えが居ます。嬉しい事に無理やりにでも寝かしてくれますのよ。昨晩も添い寝してくれて、わたくし元気いっぱいですわ」


「えっへんです。アミちゃんの心身な健康はアタシが守りますので。それより、イグナティオさまの方が深刻です。明らかにオーバーワークでございますよ?」


 ティオさまは、そんな状態でもわたしの心配をしてくれるのは嬉しい。

 だが、疲れ切った表情の少年が言っていい台詞ではない。

 わたしの眼には、今にも死にそうな子供が見えている。

 ヨハナちゃんもティオさまが危険な状態にあるのを見抜いている。


 ……ティオさま。ここしばらく全然寝ていないんじゃないかしら?


「……だから、少しでもお休みくださいませと言ったのです、ティオ坊ちゃま。陛下も短時間ではありますが休憩をされてますのに?」


「でも! ボクが指揮して命令を出さなきゃ、みんなが困るんだよ? 今でも失われていく命があるのなら、ボクが頑張るしかないじゃないか!」


 ファフさんも苦言を呈していたらしいが、責任感が強すぎるティオさまは休憩をするのが納得できないらしい。


「ファフさん。確認しますが、現状でティオさまが緊急で指示を出す必要性はありますか?」


「いえ。騎士団や神殿、官僚らが集結に成功。既に坊ちゃまや陛下の指示を待たずに各自で救護活動がなされています。半日に一回程度、報告を受けてから指示すれば良い段階と陛下も判断なされています」


 ファフさんに確認したところ、既に緊急性は低くなっている様だ。

 なら、ここでティオさまが倒れる方が事態悪化するだろう。


 ……そういえば、この部屋に専属の文官とかは居ないものね。ティオさまが責任感暴走しちゃって、無理しているんだわ。


「分かりました。ファフさん、わたくしはティオさまの婚約者の権利を使用させてもらって宜しいでしょうか? ティオさまを寝かしつけたいんですが?」


「お、お姉さん! 一体、何を言い出すんですか? この非常事態に!」


「非常事態だからこそ、ティオさまが倒れたら負けなんです! 今回の地震の背後に魔王がいる可能性が高いのに、ティオさまが戦えないのは不味いんです。だから、寝かせます!」


 わたしは、身体強化魔法を起動。

 無理やりティオさまをお姫さ抱っこで抱き上げる。


「きゃ! お、お姉さん。何をするんですかぁぁ!


 ……うわぁ、まだまだ軽いの! 筋肉も少なくて、硬くないわ!


「ファフさん、ティオさまの寝室を教えてくださいませ。このままわたくしが抱っこしていきますわ! うふふ、ティオさま。まだお小さくて柔らかくて可愛いですわぁ」


「アミちゃん、大胆! でも、今のイグナティオさまには睡眠が必要。アタシもお供します」


「ファフ、どうして止めない!? ヨハナもお姉さんを止めてよぉぉ」


 わたしは、なおも暴れて悲鳴を上げるティオさまを抱っこしたまま、お城の廊下をスキップしながら進んだ。

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