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ゼネコン令嬢~ダム・ガール、悪役令嬢になりて異世界に建つ! 継母に家から追放されても、ショタ公爵さまとイチャコラしながらインフラ強靭化計画を実現しますの~  作者: GOM
第2部 ダム・ガール、ショタ公爵様と学園生活を楽しみつつ。、インフラ構築を考える!

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第33話(累計 第77話) ダムガール、新たな『未来(さき)』を見る。

「オーギュスラン、一昨日の『地揺れ』。一体何だったのですか? 我が軍にも多大な被害が出ていると報告を受けていますが」


「アミータさま。あれは、魔王閣下が新たなる『贄』。強大な『魔』を召喚した次元震による地震と思われます。魔神殿の歴史記録にも古くに魔神王を召喚した際に地面が激しく揺れ炎の雨が降り、激しい天災が起きたとあります」


 蝋燭の灯りのみが薄暗い部屋を照らす中。

 黒きドレスを纏う華奢な娘が、自分よりも随分と大きな椅子。

 かりそめの玉座の上で、配下の魔神官から報告を受ける。


「あらぁ。魔王さまは、わたくし達に追い詰められてとうとう形振(なりふ)りを構わなくなったのでしょうか? いくら魂の『器』が大きな魔王さまともいえど、魔神王クラスを喰らうのは無理があるでしょう。どう思いますか、オーギュスラン?」


 娘は童顔を邪悪な笑みで歪ませて、玉座の前に(かしず)く配下に尋ねる。


「おそらくですが、このような所業を行う事で強大なパワーを得た分、魔王閣下は力が不安定になっていると思われます。過去、同様の行為を行った者も強大な力を持つがゆえに、多大な弱点が生まれ滅んでおります」


「その弱点とは?」


 配下は顔を上げ、問いかけるアミータに答えた。


「より異界の存在に近づいた事で存在が不安定なことが弱点、そこを星の聖剣。極光(ブレーザー)で滅ぼすのが効果的でございます。古の鍛冶神が、天空の彼方から舞い降りてきた星の欠片より作りし、星の加護を持つ聖剣。その一撃は、我らが住まいし大地の重さに匹敵し、剣に宿りし巨大なる星の意思は激しい光で全ての敵を滅ぼすと伝承にあります。過去の魔王も全て同じ星の聖剣により滅びており、今も何処かで新たなる使い手を待っているとも」


「我が魔族軍が聖剣を使い魔王を倒すとは、実に面白いものですわね、オーギュスラン。では聖剣の探査を行い、わたくしの元へ持ってきてくださいませ。わたくしは聖剣を使いこなし、魔王さまを倒して見せますわ。オホホホ!」


 玉座の上でアミータは薄暗い笑みを浮かべる。

 己が野望、魔族国家の統一。

 そして憎い王国への復讐を夢見て。


「オーギュスラン。わたくしの元へいらっしゃい。魔王討伐の前祝いを致しましょう」

「はい、アミータさま」


 蝋燭の灯りの元、二人の唇が触れ合う。

 そして、激しく抱き合うのだった。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「どーして、あんな奴とのラブシーンを毎度夢でみるのー! ぶっちゃけ、ありえなーい!!」


「あら、アミちゃん姫さま。おはようございます。妙な叫びで起きられましたね。また、変な夢でも見られたのでしょうか?」


 わたしは、ガバリとベットから起き上がる。

 そして半分ボケた頭で周囲を見回す。


 ……ん? ここは……。王都のタウン・ハウス(別宅)。わたしの部屋だよね。あれ、学校の宿舎じゃないのは……?? あ、そうだ!!


「そうでしたわ! 昨日は大地震があって、救助活動の後にタウンハウスでヨハナちゃんやジュリちゃんと一緒に寝たんだったわ!」


「まだ寝ぼけられていたんですね。昨日は心身ともにお疲れでしたから、まだゆっくりお休みなされてても良いんですよ。ジュリエッタさまは、御覧の通りまだお休みですし」


 既にヨハナちゃんはメイド服に着替え済み。

 寝室のカーテンを開き、部屋の中に朝の太陽光を取り入れてくれている。

 そしてベットに視線を向けると、わたしの寝ていた横でジュリちゃんが猫の様に丸くなって毛布を被り寝ている。


 ……うふふ、可愛いの。


「アミ姫さま、本日はどうされますか?」


「そうですわねぇ。まずは救助活動を。落ち着いたら被害情報が欲しいですので、一度お城に上がってティオさまか陛下からお話を聞きたいと思いますの」


 昨日は日が暮れるまで、見える範囲での救護活動を行った。

 ゴーレムを使い崩れた建物から人々を救った。

 そして、火災現場でも消火活動を手伝った。


「圧倒的にマンパワーが足りていないのよね。被害の全貌も見えてこないですし。もっと情報と力があれば、救えたはずの人も……」


「アミちゃんは、随分と頑張ったと思いますよ。他の人が褒めなくても、アタシはアミちゃんの事を褒めます。我が主は偉いんだぞーって!」


 わたしがつい呟いてしまった弱音。

 しかし、ヨハナちゃんは、まだベットの上のわたしの横に座り、わたしの頭を撫でながら褒めてくれた。


「ありがとね、ヨハナちゃん」

「いえいえ。アタシにはアミちゃんを応援するくらいしかできませんですから」


 ……ホント、嬉しいよねぇ。身近に理解者が居てくれるのは。


 わたしは、ようやく起きてきた頭で、夢の内容を思い出す。


 ……今回の夢の時間軸って、今までのよりも前よね。まだ、魔王を倒す前の時間。今回と同じくらいの地震を起こしたのが、魔王による強大な異界存在の召喚だったと。なら、今回も震源は魔王? だったら、王都よりも北部。魔族国家に近い我が伯爵領や国境の公爵領は更に震度が大きかった可能性があるわ! とりあえず、今は魔王の強大化とか聖剣は置いておくの。


 夢でのイベントが今回も起きたというのなら、伯爵領や公爵領の被害が気になる。

 王都でも震度4から5弱なら、国境地帯の公爵領では震度6以上の可能性もあり得る。


 ……お父さま情報だと、伯爵領は割と無事みたいだけど。


「では、忠臣ヨハナに命じます。明日以降にティオさまへの面会アポイントメント、及びわたくしの城への登城準備を! 今日は、とことん救助活動に力を入れますわ」

「御意、アミータ姫さま」


 わたしの命令を受け、幼馴染の顔から配下の顔に変わるヨハナ。

 ベットから降り、優雅にカテーシーをした。


「もー食べられないよぉぉ」

「うふ。ジュリちゃんてば、食いしん坊ね」


 まだ夢の世界の中のジュリエッタちゃんの髪をそっと撫で、わたしはベットから降りた。


「今回も救助には『タロス号』を使いますから、パイロットスーツに着替えをお願いしますわ!」

「御意。まー、非常事態なのでドレスじゃなくてもいいですよね。ホントは可愛く着飾らせてお見送りしたいんですけど」


 ヨハナちゃんの呟きに笑みを浮かべ、わたしは心を固める。

 もう、躊躇(ちゅうちょ)も手加減もしない。

 わたしの全てを使って、人々を救うのだ。

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アミータが悪役令嬢だった時間軸の記憶(アカシックレコード)を夢見たのかな?
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