表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼネコン令嬢~ダム・ガール、悪役令嬢になりて異世界に建つ! 継母に家から追放されても、ショタ公爵さまとイチャコラしながらインフラ強靭化計画を実現しますの~  作者: GOM
第2部 ダム・ガール、ショタ公爵様と学園生活を楽しみつつ。、インフラ構築を考える!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/234

第31話(累計 第75話) ダム・ガール、ゴーレムを駆って人々を救う。

「ドゥーナちゃん。すっかり遅くなっちゃったけど、アレは起動できてる?」

「アミ姫さま、オプション含めて全て使用可能。ご命令あり次第、我らドワーフ工兵隊共々、出動可能です」


 王宮にて重鎮らに地震の理屈と初期対応について解説したわたし。

 泣く泣く忙しいティオさまと別れて、廃墟ばかりになった貴族街を己の脚で疾走。

 我がタウンハウスに帰還した。


 ……ティオさまは、王さまの補助として王宮で仕事をしているの。別れ際に強引にハグしてほっぺにキスしちゃったの。うふふ。あと、途中で見つけた火事。大きくなるまえに<(ウォーター・)(ボール)>で消しておいたわ。


 そして既にメイド服から作業着に着替え済みのドゥーナちゃんから、わたしは「アレ」の説明を受けている。


「お姉ちゃん。本当に行っちゃうの? わたし、一人じゃ心細くて……」


 先にタウンハウスに帰還し、父との連絡を取っていたエリーザが不安そうな顔で、わたしの袖をつかむ。


 ……無事、遠距離通信の魔道具は可動。お父様の無事は確認できたの。戦乱で壊した(カントリー・ハウス)を、最新型鉄筋コンクリート建築で治していたのがラッキーね。もちろん、こっちのタウンハウスも耐震化補強済みね。


「そうよ、エリーザ。わたくしには今、人々を助ける『力』がありますの。それを行使する義務が伯爵令嬢にして女騎士(ディム)のわたくしにはありますわ」


 わたしは、不安なエリーザを励ます様に他所行き。

 貴族令嬢らしい答えを返す。

 この先、伯爵家を背負うだろうエリーザには、わたしなんかより立派な令嬢になって欲しいから。


「と、アミちゃん姫さまは表向きのお答えを致しますが、御本心は泣いている人を見たくない。それだけですね、エリーザさま。アタシを助けてくれた時も、泣きながら堤防を再構築していましたし」


「そうですね、ヨハナさん。だから、アタイ達ドワーフ族も姫さまの心意気に感動して、『ぶらっく』な開発スケジュールに文句も言わずに参加しているんです! まあ、冗談抜きでもう少し手加減してくれると嬉しいんですが……」


 しかし、カッコつけも側仕えコンビの前には通じない。

 わたしの本質を完全に見抜かれているからだが、それでも献身に仕えてくれることに感謝である。


「も、もう、二人ともぉ。せっかくエリーザにカッコイイ姿見せたかったのにぃ!」


「ぷ! 実にお姉ちゃん。いえ、実にアミータお姉さまらしいお姿ですよ、『泥かぶり』姫さま。人々を救うために泥に汚れる事をいとわない立派な二つ名。わたし、お姉ちゃんのことを応援します!」


「うふふ。ええ、『泥かぶり姫』の活躍を見ていてね、エリーザ」


 わたしは可愛い妹の頭を軽く撫で、心を切り替える。


「ヨハナ、わたくしの騎馬服への着替えをお願い! ドゥーナ、トラック共々発進発進準備! 誰もわたくし達の前で命を奪わせませんですわ!」


「「御意!」」


 そして、わたしは新たなる戦場。

 地震被害地に出陣した。


  ◆ ◇ ◆ ◇


 王都、貴族街の中心部。

 煉瓦(レンガ)漆喰(しっくい)によって積み上げられていた高層建築物。

 白磁の大理石にて舗装されていた石畳。

 それらで彩られていた綺麗な街は今、瓦礫の山になっていた。

 また、ところどころから火の手が上がっているのも見える。


「姫さま。こちらの瓦礫下に魔法反応が二つあります。おそらく要救助者かと」


「了解、ドゥーナちゃん。さあいくよ、『タロス』号!」


 わたしは、新たな姿になった愛機「タロス」号を駆る。

 足場が悪い場所での救助活動。

 いくら魔法があっても人力で全ての瓦礫の中から人々を助け出すのには、限界がある。

 そこでわたしは、偶然王都に試験運用のために持ち込んでいたゴーレムを起動したのだ。


 ……内骨格型にして、コクピットもちゃんと骨格に繋いだわ。外見は、まだまだやっぼたいけど、わたしだけの専用機なの! ドゥーナちゃんには魔法レーダーを装備してもらって、要救助者を探してもらっているの。


「スコップをお願い!」

「はい、姫さま」


 わたしは、ドゥーナちゃんが運転する魔導トラックの荷台からゴーレム用のスコップを受け取り、瓦礫の中にゆっくり突っ込む。


 ……瓦礫の山を崩さないように、そっとぉ……。うん、ヨシ!


「よっしゃー!」


 防護ヘルメットを被ったわたし、令嬢らしからぬ声を上げてスコップを持ち上げ、一気に瓦礫を取り除く。


「生存者、二名発見! 救護兵をお願いします」


 ドゥーナちゃんと一緒に来ていたドワーフ工兵さんが、わたしが取り除いた瓦礫の下から生存者を見つけてくれた。


「救護兵の方々。彼らは長時間抑え込まれていました。クラッシュ症候群の可能性がありますので、出来ましたら押しつぶれていた部分の止血帯使用、輸液などの処置をお願いします」


 わたしは、急いでやってきた救護兵さんたちに指示を飛ばす。


 「挫滅(クラッシュ)症候群」、それは筋肉組織が長時間圧迫された際に死滅した筋細胞から溶出したミオグロビンやカリウムが心臓や腎臓に負担を掛け、ショック症状から死亡したりする事例。


 ……確か、阪神大震災の時に有名になったのよね。わたしも、耐震建築を学ぶ上で、災害時の対応で気を付ける病気ってのを教えてもらったの。この世界でも医療行為として輸液ができるようになってて、感謝ね。


「りょ、了解です。救助、ご指示頂き、ありがとうございます」

「あ、ありがとう存じます。父と母を助けてくれて……」


「いえいえ。では、次の現場に行きましょう。指示をお願いします、ドゥーナちゃん!」


「御意、姫様。このまま、いっぱい助けちゃいましょう! では、近くの火事を消しましょう」


 わたしは、感謝の声を背後に受けながら、次なる現場に「タロス号」の足を向けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ