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ゼネコン令嬢~ダム・ガール、悪役令嬢になりて異世界に建つ! 継母に家から追放されても、ショタ公爵さまとイチャコラしながらインフラ強靭化計画を実現しますの~  作者: GOM
第2部 ダム・ガール、ショタ公爵様と学園生活を楽しみつつ。、インフラ構築を考える!

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第26話(累計 第70話) ダム・ガール、ゴブリン姫さまに謝罪する。

 公爵領から帰還したわたし達。

 しばらくは平穏無事な学生生活を過ごした。


 ……お留守番のみんなへのお土産。まだ開発途上の公爵領では準備出来なかったから、エリーザに頼んで伯爵領随一のパティシェにお菓子を作ってもらったの。なかなか好評だったわ。


 そして初夏に差し掛かろうとしていた頃、ティオさま、わたし、エリーザはゴブリン姫。

 リナちゃんから特別に話したいことがあると、アポをお願いされた。


「これまでもわたくしを大事になさってくれた皆さまだから、単刀直入に問います、公爵閣下。春以降、公爵領へ逃亡した我が国民は今どうなっているのでしょうか?」


 学校から借りた歓談室。

 防音結界を貼った部屋に、リナちゃん側はディネリンドさんと二人だけ。

 いつも甲斐甲斐しくリナちゃんのお世話をしているゴブリン少女メイドたちの姿は今日はない。


 いつになく真剣な表情な姫。

 背後のディネリンドさんが軽く手をリナちゃんの肩に置くと同時に、リナちゃんは話し出した。


 ……四人組でかわいい子達なの、ゴブリンメイド娘たちは。


 片やテーブルを挟んだこちら側は、わたし含めて三人と背後に控えし側仕えのファフさん、ヨハナちゃんのみ。


「残念ですが、我が民の処遇次第では今後のお付き合いも考えさせて頂くことになります。お応え願えませんでしょうか、閣下?」


 ……とうとう、難民に関しての質問が来たわ。という事は、リナちゃんと魔族国家との間に定期的な連絡体制があって、その通信は一か月以上のタイムラグがあるのね。


「その案件に関しましては、友人ではなく公爵としての立場でお応えします、リナ姫」


 ティオさま、幼くも可愛く凛々しい顔を真剣な表情で満たし、リナちゃんの眼を見ながら答える。


 ……うわー。カッコ可愛い男の子の真面目な横顔も良いわぁ! あ、今は大事な話中なんだから、ピンクな考えはお休みね。


「春以降、魔族国家から我が公爵領に侵入してきた者が多数発見されています。彼らを無傷で捕縛、保護し事情を既に聴いており、侵略行為でない事は確認済み。ですので、難民として全員丁重に保護しております」


「ということなの、リナちゃん。いえ、リナ姫さま。ずっと黙っていてごめんなさい。わたくしも直接難民キャンプにいって確認しているから、安心してくださいませ」


「え!? 魔族、ゴブリンが殺されずに……ですか?」


 ……学校に帰ってからリナちゃんに民の安全を知らせるという話もあったんだけど、わたし達の事が魔族側に漏れていることを考え、しばらく様子見をすることに決めてたの。友達に内緒にしておくのは心苦しかったわ。


 ティオさまの答えにフォローをするわたし。

 自国民が無事だというのを聞き、リナちゃんは元々大きな目を更に見開き、驚きの顔をした。


「わたくしもお姉ちゃんから話を聞いて、最初はびっくりしたよ。でもね、今は戦争中じゃないし、みんな助けてほしいって訴えてきたそうなの。だから保護しているって話ね」


「エリーザさま。そしてアミータお姉さま。ほ、本当にゴブリンが殺されもせず皆、無事で……」


「はい、リナちゃん。皆さん、魔族国家での扱いに耐え来れず山越え。正確にはダンジョン越えを必死になさってこられていました。そして、殺される危険性に怯えながらも、かすかな希望にしがみつき、わたくし達に救援を求めてきたので、ティオさまとも相談し助けることにしましたの。全員、元気だから安心してね」


 なおも信じられない様子なのか、今にも泣きそうなリナちゃんにエリーザとわたしは笑顔で答える。

 大丈夫、全員生きていると。


「あ、ありがとう。ありがとう、存じますぅ。何の力も無いわたくしを助けるだけでなく、我が国の民まで……」


「リナ姫さま、良うございましたね」


 安心したのか、零れ落ちそうな大きな黒い瞳から、ぽたぽたと大粒の涙をこぼすリナちゃん。

 ディネリンドさんも普段の冷徹な美貌を崩し、慈母の表情でリナちゃんの背中を撫で、慰めていた。


「でも、どうして今までお話ししてくださいませんでしたのですか、イグナティオさま? 無事なら隠す必要も……」


「残念ながら、まだ王国内において魔族への差別感情が強く、実際に魔族から被害を受け憎悪、憎しみを持て余す者も多くいます。こんな状況では、(おおやけ)にはできないと判断しました。なお、王陛下にも相談し、保護の内諾を頂いております。リナ姫さま、今まで隠してしまっていたことについては、王国を代表して謝罪致します」


 泣きながらも安堵したのか。

 最初の詰問する口調では無く、いつもの可愛い様子で隠していた理由を尋ねてきたリナちゃん。

 ティオさまも笑顔で返し、謝罪しつつ説明をなさった。


「わたくしからも謝らせてください。内緒にしていたのは、リナ姫さまから意図せず情報が魔族側に流れるのを危惧していたのもあるんです。今回、難民が押し寄せたのも、リナちゃんがわたくし達から大事にされているという噂を聞いて、喰われるよりはマシと希望に縋り付いての避難だったみたいなの」


「ああ、わたくしが父に送った手紙の内容が広まってしまったのですね。申し訳ありません、あまりに嬉しくて皆さまの事を手紙に書いてしまいましたの。もちろん、皆さまがどこかにいつ旅行するなどの危険に繋がりかねない情報は一切書いておりません」


 ……やっぱり手紙を送付しあうルートがあるのね。


「なので……。え? 先ほど『喰らう』とおっしゃられましたが?」


「文字通り、なのです。魔族難民の皆さんがおっしゃってました。弱きものは食べられていると……」


 わたしは悲しく思いながら、魔族国家での悲劇をリナちゃんに伝えた。

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