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ゼネコン令嬢~ダム・ガール、悪役令嬢になりて異世界に建つ! 継母に家から追放されても、ショタ公爵さまとイチャコラしながらインフラ強靭化計画を実現しますの~  作者: GOM
第五部 ダムガールは、幸せな未来を目指す!

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第53話(累計 第226話) ダムガール、エージェントと言葉で戦う!

「で、私共が望むのは新たなる技術であり、生命、エンタメです。既にこちらの世界からは以前お話しましたとおり、前法王猊下と魔王陛下経由で『魔術』。思考による空間への存在確率変動術を得ました。実に有意義でしたが、それ以上に貴重でしたのが人類種と混血可能かつ長寿で多産の魔族種やエルフ種。また、アミータどの達が紡ぐ物語が最高のエンタメだったのです」


 身振り手振りをつかって朗々と自らの所属する商社の業務を語るエージェント、ナイト798号。

 その姿はアバター、生体ロボットだと言い、例え殺されても問題無いと語る。


 ……魔王陛下が、エージェントをいくら脅しても反応が薄かったって言っていたのも納得ね。殺しても死なないんだもん。


「……つまり、貴方がたは我らに命を差し出せというのでしょうか?」


 鋭い視線でエージェントを射貫くティオさま。

 彼にしてみれば、領民や国民。

 守るべき人々を差し出せといっているのに等しいのだから。


「そこまでは申しません、公爵閣下。少々の血液、出来れば治験に参加していただける協力者が居れば、生命に関しては充分です。既に多くの協力者からデータは頂いておりますので」


「無理やり協力させるとか、生きたまま解剖するとでも言わなければ、『生命採取』に関しては、わたくしはあえて何も申しません」


 彼の口からは、協力者からバイオデータは得ているという。

 おそらくは、彼が法王国などで差し向けてきたゴーレムのパイロットなどがその協力者であろう。

 ルキウスくんの「尋問」でも多くを語らず、自害したがる兵。

 どんな教育をして「協力」させているのか。

 何の証拠もない上に、手出し不能の超科学力。

 「今」は大人しく従うしかない。


 ……裏で話を聞いてるだろう、『彼』。今は我慢してよね。


「ですが、わたくし共を見世物。何処かで面白がって見ているのには、怒りを覚えます。こと、貴方がたは多くの人々の命や思いを弄びました!」


「そう。その怒りです! 私共には無い命の輝き。それが眩しくて、私共は求めるのですよ。不老不死となろうとも、我らも元は命。命を燃やして生き抜く姿というのは、実に美しく尊く、面白いのです」


 わたしの怒り交じりの殺気をも気にせずに自論を述べるエージェント。

 その酔いしれるような表情に、わたしは更に怒りを増した。


「俺も見世物になるのはイヤだね。アンタらが面白がっているかもしれんが、こっちは必死さ。仕える主の機嫌を取り、泥水を啜ってでも妻子や仲間の為に我慢してきた。それが面白いだと!」


「ボクもグリシュ陛下と同じです。この世界はまだまだ生きていくに過酷な事も多く、人々の間では思い込みや無知からの悲劇が多数起こります。それを失くそうとボクやアミお姉さんは必死に頑張って来たんです」


 グリシュさまやティオさまも、見世物になるのはイヤという。

 誰もが自分の人生を一生懸命に生きる。

 それを、何処かの誰かが嘲笑(ちょうしょう)してみていると思えば、頭にもくるだろう。


「あ、言葉が足りませんでした。面白いというのは嘲笑。あざけ笑うのではなく、感心している、感動しているの意味です。先程も申しました通り、我らは永遠の命を得た代わりに活力。バイタリティや精神の揺らぎを失ってしまったのです。貴方がたは、精一杯いきようとしている。その姿に憧れ魅入られるのですよ」


「そう言えば、聞こえはいいですわね。ですが、逆らえば頭上から死の光が降り注ぐ。魔王陛下を用無しと殺したのと同じ事が、いつ何時わたくし達の上に起きないとも限らないですわ」


 綺麗ごとを言い放つエージェントに、わたしは言葉で挑む。

 今は喜んで見てくれているだろうが、いつ何時。

 魔王が切り捨てられたように、わたし達も処分されるか分からない。

 死におびえながら生きていくなんて、嫌だ!


「魔王陛下は特別でございます。あの方は欲が過ぎましたし、国民の扱いも酷いもの。視聴者、オーディエンスからも不評でしたから。アミータ嬢については、今や我が商社が配信するチャンネルではトップヒロイン。今後とも、活躍を望みます。そうそう、攻撃衛星ですが、無理をしすぎてしまい残存数も少なくなりました。準回帰軌道に打ち上げるにしても、この世界の技術でロケットの打ち上げは難しい。それこそ、アミータさまに打ち上げのご依頼したいくらいです」


「……その事に関しては、今後の課題としましょう。では、わたくし共は何をしろと?」


「これまで通り。領民を守り、世界を幸せに、インフラ開発に力を入れてくださいませ。アミータ嬢の世界構築を楽しみにしている視聴者が多くいますので。さすれば、我らは適時。技術支援や情報提供をしますので」


 その後もエージェントは、わたしの開発具合やティオさまの魔族融和計画。

 グリシュさまやリナちゃんの英知を褒めたたえた。

 わたし達の戦いが、多くの感動をもたらしたのだと。


「元より、この世界は誰かの妄想。同人ゲームというエンタメ作品から生まれたもの。なれば、エンタメとして楽しんでもいいのではないですか?」


 会議室を去る前。

 最後に恐ろしい事を呟くエージェント。

 この世界が同人ゲームとして生み出された事を。


「……貴方たち。まさか、この世界を作ったのですか?」


「いえ。私どもは新たに生まれた世界を観測できるだけ。どうして、世界が生まれるか。創造神がいるのか。それは、今もなお研究している最中でございます。もしかすると、私どもすらも、誰かの妄想の産物かもですね」


 自虐気味に、自分たちすら物語の中の登場人物と語るナイト798号。

 彼の乾いた笑みが、わたしの記憶にズキンと刻み込まれた。

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