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ゼネコン令嬢~ダム・ガール、悪役令嬢になりて異世界に建つ! 継母に家から追放されても、ショタ公爵さまとイチャコラしながらインフラ強靭化計画を実現しますの~  作者: GOM
第五部 ダムガールは、幸せな未来を目指す!

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第50話(累計 第223話) ダムガール、次元を渡る様な敵への対策が思いつかない。

「……以上。敵のエージェントが語った事、及びわたくしの持つ『外典』に書かれた情報から推測できる敵集団の正体です」


「……。アミータどのが、一体何を言っているのか。まったく分からん。魔王陛下にも困っていたのに、更に謎の敵とはな」


 わたしはコンビットスの公館。

 会議室に集まってくれた仲間たちに、昨日逢った敵。

 異次元商社「デミウルゴス」について、分かる限りの事を説明した。


 ……流石にダイロンさまやリナちゃんは、魔族国家の拠点で待機中ね。事情は通信で粗方説明はしたの。魔王が居なくなったことは、まだ周囲には知られてはいないだろうけど、残存兵が暴走されても困るしね。


「グリシュ陛下。意味が分からないのは、ボクも同じです。おそらく、この場で話が分かるのはアミお姉さんとルキウスさまくらいではないかと?」


「ですね、ティオ坊ちゃま。オレも多くの事を学んできましたが、世界を渡り歩く存在。その上、商売や我らの姿を見て楽しむなど、意味不明でしかないですよ」


 どう答えていいのか、混乱状態の人が大半。

 グリシュさまはもちろん、ティオさまやアル先生すらポカン状態だ。


「僕も、全部分かるほど知ってはいないですよ。アレはSF。科学フィクションの世界の話ですからね。しかし、異世界から我らの活動を視聴。『トゥルーマンショー』、見世物にされているのには少々頭に来ます」


「じゃあ、今も見られているんですか、ルキウスさま? だったら、これから対策を離しても無駄じゃ?」


 中世風魔法ファンタジーからサイエンス・フィクションになってしまった世界。

 多くの物語、フィクションを前世で触れ合っていただろうルキウスくんも、わたしも困惑なのだ。


 ……エリーザの護衛をお願いしていたペガサス騎兵ソルくん。今も覗き込まれているのかと、キョロキョロしているわ。


「そこは大丈夫と思いますの、ソルくん。この会議室の窓は全て遮光カーテンで覆っていて、皆さまの周囲には遮音結界を張っています。赤外線、熱映像では見られているかもですが、それでは唇の動きまでは読めないですし、レーザー盗聴器対策で窓ガラスや壁を音で振動させないようにしています」


 敵の偵察ドローン。

 おそらくは可視光カメラ以外にも、電波レーダー。

 超音波ソナーに、熱映像カメラとレーザー盗聴器を装備しているだろう。


 ……レーザー盗聴器があるのは、敵がネタばらししているからね。他の科学センサーは全部あると思っておいた方がいいわ。


「お姉ちゃん。わたしの出番が無かったのは良いけど、聖剣で切れる相手じゃないのなら、どうにも出来ないよぉ」


 伯爵領から飛行機経由で急ぎ来てもらったエリ―ザ。

 魔王討伐に、法王国から借りている聖剣「ブレイザー」を使う様に練習して貰ってはいたが、流石に怪獣サイズの魔王と戦わせなくて良かった。


 ……エリーザは、この世界のヒロイン。聖女とか救世主扱いされているみたいだけど、それでも矢面には実姉として立たせたくないの。


「エリーザさま。まだ魔王の遺体を発見した訳でもありません。更に、魔族国家内にて新たなる魔王級の敵が登場してくる可能性も否定できません。今しばらくは御油断なさらぬように」


 かなり無理をして移動してきたため、エリーザはお疲れ気味。

 なので、気弱な愚痴を言うのだが、ファフさんが珍しくたしなめてくれる。

 本来はティオさま専属の守護竜なのだが、わたしの仲間たち全員に対し、きめ細やかな対応を絶えずしてくれるありがたい方。


 ……唯一、わたしに対しては、いい加減というか雑というか。遊んでいる気もするんだけどね、ファフさん。


「技術者チームは、何か対策を思いつかないのですか?」


「残念だけど、完全にお手上げだよ、ファフの旦那。俺には娘、ドゥーナのやっている事すら分からんからな。俺らはアミータお嬢ちゃんの考えるものを形には出来るが、当の嬢ちゃんがお手上げだと、役にも立たんよ」


「エー。アタイ、お父ちゃんの足元には、まだまだ及ばないよぉ。そりゃ、有人ゴーレムや飛行機については少しは詳しくなったけど、それまでだもん。まさか、空の向こうや世界の壁の向こうまでは、どーにもならないよぉ」


「ワタシは錬金術。化学反応以外は素人。ロケットとかの推進剤とか爆弾は作れるけど、宇宙。空の向こうまで飛ばせるような推進剤も火薬も作れそうにないや」


 ファフさんが、ウチのテクノクラートたちに問いかけてくれるが、彼らにしても、前世世界の二十世紀前半までがやっと。

 SF世界の技術などは、想像の範囲外。


 ……一応、宇宙や人工衛星の概念は以前に技術者さんへは教えた事があるから、逆に人工衛星兵器の恐ろしさは理解してもらったんだけどね。


「……となれば、今しばらくは大人しく敵の言う事に従うしかないのでしょうか、アミお姉さん、ルキウスさま?」


「敵は、わたくしがこれまで敵対組織に対し行ってきた砲艦外交。武力や高度な科学力を見せつける事で、話し合いの席に持ち込むことのとても強力なバージョン。完全に従わせるようにしてきました」


 わたし、ルキウスくんは共に敵が力を見せる事で言う事を聞かせるのだと、皆に説明する。

 わたしという敵の力を「正しく」把握できる存在がいるからこそ、敵。

 死の商人は、一方的な虐殺ではなく商談に持ち込むつもりなのだろう。


 ……悔しいけど、観客(オーディエンス)がわたしの『味方』なのが幸いね。嫌われたり、魔王みたいに裏切らない。利用価値がある間は、いきなり殺す事も無いとは思うけど。


 しかし、世論。

 というか視聴者の意見など、誰かの一言ですぐに変わる。

 それこそ、扇動者を使われたら、あっという間に魔王の二の前。

 わたしの虐殺ショーが見世物として扱われかねない。


「多分ですが、わたくしに被写体としても、顧客としても利用価値がある間は無事でしょうね。幸いな事にわたくしは、そこそこ人気のようですし」


 わたしのぼやきにヨハナちゃんは「アミちゃんが可愛いから人気じゃないかしら」などと意見を挟むが、おそらく可愛さよりも「面白い女」枠じゃないかと自分では思っている。


 ……美少女具合なら、リナちゃんやエリーザに勝てる気がしないんだもん。ティオさまが女装なされても、わたしは負けてそうね。


「力無き『正義』は無力。敵は、その言葉通り。圧倒的な力を見せてきました。せめて、敵が普通の人間、かつ拠点が分かれば、暗殺とかも不可能ではないのですが?」


「それは過激過ぎんか、ルキウスどの? この場での発言が敵へ完全に漏れんとも限らんぞ」


 ルキウスくんの過激意見に、グリシュさまは眉を傾げる。

 いかに防諜対策をしておいても、敵は超科学文明。

 わたしが知らない方法での情報収集をされてしまえば、何を考えているかもバレかねない。


「多分、そのくらいは敵も理解しているでしょう。第一、不老不死と言い張ってますからね」


「ええ。僕も意見として言ってみただけです。法王国で捕まえたゴーレム操縦者の捕虜を尋問しましたが、ゴーレム製造拠点が王国内にある可能性が高いくらいしか分かりませんでした。おそらく宇宙への打ち上げロケット製造拠点は、打ち上げがこれまで発見されていないので、近くには無いでしょうね、もしかしたら、別大陸かもしれません」


 ルキウスくん、法王国でわたし達を襲った敵兵を確保して尋問をしてもらってはいた。

 だが、中々情報を漏らさないようで、言葉の訛りや発見されたゴーレムの破片から、王国内に製造及び訓練拠点があるらしいという事くらいしか分からかったそうだ。


「……。分かりました。では、とりあえず次に敵が接触してくるまでは現状維持。ゴルグラス跡地の探索及び災害復旧、インフラ構築に物資生産などに力を入れましょう」


 結局、いいアイデアが全く思いつかず、現状のままでいくと、ティオさまが告げる。

 他の皆も、どうしようもないので無言でうなずき、同意した。


「秘密会談中、申し訳ありません。公爵閣下、ゴルグラスで調査をしていた部隊から緊急連絡がありました!」


 防音結界を解き、会議室から出ようとしていた時。

 バタンと大きな音を立てて、コンビットス駐在の騎士隊長さんが飛び込んでくる。

 そして叫ぶ。


「水没したクレーター内にて、大量の魔力を持つ正体不明なものが発見されたそうです!」

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