表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼネコン令嬢~ダム・ガール、悪役令嬢になりて異世界に建つ! 継母に家から追放されても、ショタ公爵さまとイチャコラしながらインフラ強靭化計画を実現しますの~  作者: GOM
第五部 ダムガールは、幸せな未来を目指す!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

208/234

第34話(累計 第208話) ダムガール、自らの行為に恐怖する。

「こんなに被害が出てしまうなんて……」


「アミータどの。我らは助かった。あの大軍勢を前にして、誰の命も奪われずに完全勝利をした。だから、今は良いのではないでしょうか?」


 戦闘終了後、残存敵の討伐に向かった部隊からの報告。

 空中偵察からの報告が、わたし達の元に到着した。

 航空写真に写っていたのは、半径数百メートルの巨大なクレーター。

 そこに周囲の小川からの水が流れ込み、池になろうとしている。

 村だった場所には、建物の跡形も一切残っていない。


「アミお姉さま。今は、生き残った事を祝いましょう」


「……ありがとう、リナちゃん」


 わたしが使用した巨大爆弾、デイジーカッター。

 前世世界の同名爆弾とほぼ同じ破壊力を叩きだし、村ひとつを駐留していた部隊をゴーレム共々、一撃で殲滅した。

 クレーターを中心に半径一キロほどの木々は爆心地を中心にして爆風でなぎ倒され、周囲にはバラバラに吹き飛ばされたゴーレムの残骸が同心円状に落ちていた。


「討伐部隊によれば、ゴーレムの破片以外は何も残っていなかったそうだ。残存兵も発見出来なかったとの事。これで、しばらく魔王は動かないのではないでしょうか? 流石に二回も遠征部隊が壊滅したのですし」


「それなら良いのですが……。とりあえず偵察は継続しましょう」


 ダイロンさまから報告を受けるのだが、爆弾の威力が強すぎて残敵どころか、金属ゴーレムすら一部だけしか残っていなかった様子。

 確かに敵を倒したのは良かったのだが、過剰な威力だったのかもしれない。


 ……前世の原爆を作ったオッペンハイマーさんやダイナマイトを作ったノーベルさん。同じ思いをしちゃったのかなぁ。


「アミお姉さん、良かったですね。さて、今後はどうしましょうか? ずっと、こちらに居る訳にも行きませんですし」


「そうですよね。ティオさまには公爵としてのお仕事も多いですし」


 ティオさまには、領主としての仕事がある。

 いつまでも戦場に居座ってもいられない。

 わたし自身も今後の開発計画を考えれば、そろそろ一時帰還を考えても良い頃合いかもしれない。


「偵察部隊と即応部隊を駐留されておけば、飛行場もあるのでティオさまがいらっしゃらなくても対応は可能ですね。わたくしも、一時帰還しましょうか? リナちゃんは、どうなさりますか? 一緒にグリシュさまのところに帰りましょうか?」


「……イグナティオさま。そしてアミお姉さま。わたくし、こちらにしばらく残ろうかと思うのです」


 リナちゃんに一緒に帰ろうと尋ねると、彼女はしばし黙った後にこちらに残ると言い出した。


「どうしてですか、リナちゃん? いくら敵を殲滅したとしても、まだ魔王陛下がいらっしゃいます。ここも安全圏内ではないのですよ?」


「だからこそなのです、お姉さま。わたくしは、これまでお父さま、お母さま。ディネお姉さま。そしてアミお姉さまやイグナティオさま達にずっと助けてもらっていました。ですが、いつまでも守ってもらってばかりの子どもではダメだと思うのです。わたくしは、いずれ魔族の代表として表に出なきゃならない立場。ここにて残る必要があると思うのです」


 凛とした表情で、魔族国家に残る理由を語るリナちゃん。

 立派な様子に、わたしは彼女が大丈夫だと思った。


「分かりました、リナちゃん。ですが、グリシュさまの許可は得てからにしましょうね」


「ありがとう存じます、お姉さま。わたくし、魔族の方々を守るべく頑張ります!」


  ◆ ◇ ◆ ◇


「アミータどの。リナの意見を大事にしてくれてありがとう。アイツも知らぬ間に大人になったものよ。いつのまにか、為政者としての自覚も出来ておる。姉になる自覚を得たからかのぉ」


「貴女。リナも十四歳。立派なレディとして見てあげましょうね」


 公爵領へ帰還したわたしとティオさま。

 早速、租借地ゴルグラスの公館に赴き、戦闘の結果とリナちゃんが残留したことを直接説明した。


 ……もちろん魔法通信では事前にリナちゃん本人がグリシュさまに説明して承諾を貰っているんだけどね。なお、ルキウスくんも一緒に帰還済み。


 お腹が随分と大きくなったお后、メレスギルさま。

 お腹をゆっくりと撫でつつ慈母の表情で、リナちゃんが成長した事を褒めていた。


「グリシュ陛下。実は、御相談、というか、お尋ねしたいことがあるんです。この先、魔王陛下がどう動くのか。魔王陛下と直接お会いしたことがあるグリシュさまなら、何かお分かりになるのではないかと」


 話が一旦落ち着いたので、ヨハナちゃんに入れてもらったお茶で喉を潤したわたし。

 ティオさまに無言で確認をした後、グリシュさまに魔王の情報を教えて欲しいと尋ねた。


 ……わたしでは魔王の動きを予想できないの。魔王という存在を『また聞き』でしか知らない上に、ここまで彼の策を潰してきた以上、絶対に恨まれているでしょうし。


「他ならぬ恩義あるアミータどのの依頼。こちらも公爵閣下にお願いがあるから、バーターとして分かる限りでお答えしよう。魔王陛下は、良くも悪くも孤独。他人を信用せず、負けを嫌い、何かに飢えたように行動する傾向が高いように思う。ただ、アミータどのを狙った際には、必ず別組織からの力を借りていた」


「ライフル化された大砲、そして謎の金属ゴーレムですね。明らかに違う技術体系によって作られた兵器群。法王とも接触していた異世界からの技術を使う組織と思われます」


 力を借りるのを嫌がりながらも、わたしを狙う際には別世界技術の兵器を使用した魔王。

 わたしが、前世からの技術を元にした兵器を開発したから、自分たちの技術や兵器では勝てないとあらかじめ知っていたかのような行動。


「これは俺の予想。独り言に過ぎんが、魔王陛下は最初からアミータどのの存在を知っていた。魔族国家に対し脅威になる事になるのではないかと、知っていた気がする。俺にも、頻繁にアミータどのの情報を調べろと命令してきたからな」


「ふむ……。グリシュ陛下のお言葉を考えるに、魔王陛下、法王、謎の異世界組織は、アミお姉さんの活躍を知っていた。今、アミお姉さんが持っている『外典』は異世界の組織から魔王や法王に渡されたというお話でしたよね?」


 グリシュさまの呟きに、ティオさまが反応する。

 今、わたしの手元にある異世界から流れてきた本。

 『外典』が異世界組織によって、こちらにもたらされたものだと。


「そう考えれば、全ての辻褄は合いますね。魔王陛下自身は、間接的にしか異世界技術を知らない。また個人で全部抱え込むから、量産が出来ない。更に自身の未来に破滅があるのを知っているからこそ、行動を開始したのだと。特にわたくしが、未来を大きく変えていますし」


 ……ティオさまには、『外典』に書かれていた内容を全部お話しているの。これは、『とある』ゲームの分岐シナリオ集で、そこには『わたし』の破滅や魔王の敗北も書かれていたわ。


「なるほど。最近、魔王陛下が慌てだしたのも、アミータどのが世界を変えていき、預言通りに世界が動かなく勝ったからか。なら、間違いない。ここまで圧倒的に負けたのであれば、今度は個人的に直接アミータどの。もしくは、裏切者の俺を狙ってくるだろうな」


「やはりですか。軍団単位で行動すれば、こちらの監視網に引っかかる。なら、少数精鋭の部隊を直接指揮して魔王陛下が自ら攻めてくるのでしょうか?」


 魔王の性格について、グリシュさまが語った内容。

 わたしが概ね想像していた姿とは大きく離れていなかった。


「ああ、おそらく近日中に直接転移(テレポート)、強襲してくるであろう。これまでも、強敵相手に使った作戦だ。配下に魔神(デーモン)でも連れてくるであろう。魔王陛下が現れる可能性が高いのは、コンビットスか、このゴルグラスか」


「分かりました、グリシュさま。では、こんな作戦は、どうでしょうか?」


 わたしが秘策を話すと、場にいる人々全員が大きく驚いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ