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ゼネコン令嬢~ダム・ガール、悪役令嬢になりて異世界に建つ! 継母に家から追放されても、ショタ公爵さまとイチャコラしながらインフラ強靭化計画を実現しますの~  作者: GOM
第五部 ダムガールは、幸せな未来を目指す!

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第2話(累計 第176話) ダムガール、今度は空を目指す!

「皆さま、またまたお集り頂き、ありがとう存じます」


「姫嬢ちゃん、また何か思いついたのかい? 俺は、嫌な予感しかしねえぜ」

「お父ちゃん、アミータ姫さまの事だから、またとんでもない物に決まってるの。アタイら、またまた過労死コースだよぉ」

「金属技術者さんたちは大変だよねぇ。アタシは、化学実験が出来れば幸せだけど」


 ダム湛水が始まってしばらくした晩秋の頃。

 わたしは、技術者を中心に人々を集めた。

 だが、親方やドゥーナちゃんからは、毎度の苦情。

 錬金術師、もとい化学技術者のジュリちゃんはマイペースだ。


「俺、アミータ様の作る物が楽しみです! アミータ様はお可愛いですし、見ていて面白い事をなされる方ですものね、グリシュ陛下。あ! リナ姫も、もちろんお可愛いです」

「坊主、ここなるアミータどの。見た目ほど可憐ではないぞ。俺ら魔族は毎度、翻弄されているからな。まあ、最近はそれも楽しくなってきたが。ふははは!」


 このところ偵察と称し、上空から領内観光を良くしているソルくん。

 リナちゃんとの御縁からか、いつのまにかゴブリン王グリシュさまと仲良くなり、今日も隣に座って仲良く談義。

 何故かわたしの事を褒め殺しにする二人が微笑ましくも面白くて、わたしもふと笑ってしまう。


 ……この間まで魔族殲滅派閥だったソルくんがゴブリン王と仲良くしているのは、本当に不思議な感じね。でも、幸せな光景には違いないわ。


 最近では、わたしの直属配下たる工兵隊や工事部隊にも、魔族出身者が多くなってきた。

 ダム工事でも、力の強いオークやオーガ、トロール種の方々が沢山働いてくれ、事務方にはゴブリンやコボルト族の人々も共に働いてくれている。


 ……真面目に働いてくれるのなら、魔族だヒトだと差別なんてしないわ。略奪や殺戮を行わず、只人の作った法の元で共に働く。ともに歩み寄れるのなら、もう同じ釜の飯を食べた仲間であり領民。わたくしが、必ず守って見せますの!


「で、何をお作りになられるんですか、アミお姉さん。ボクにもヒミツだって教えてくれないんだもん。気になります」


「ごめんなさい、ティオさま。今回はサプライズを狙ってみましたの。では、皆さまに新計画を発表いたします」


 集会会場につかった公館食堂に集まった人たちは、わたしの発言を固唾を呑んで待つ。


 ……うふふ。前世、学会での論文発表でもこんな感じだったよね。気持ちいい緊張感なの。


「では、発表致しますわ。新計画、それは飛行機、空を飛行する機械の開発計画ですの!」


「えー!? アミちゃん、本気??」

「空を飛ばれるのですか? アミータ姫さまはご正気でしょうか?」

「姫嬢ちゃんが正気であられたことがあるか、ドゥーナ? いつも斜め上な発想で……。あ!? い、いえ。姫嬢ちゃんを侮辱する気は毛頭なく……」


 毎度ながら配下から酷い批評が飛んでくるのは、わたしが愛されているからなのか、本気で呆れられているのか。


「アミータ姫。ただ飛びたいのなら、ファフさまとか俺のペガサスを使えばいいぞ?」

「いえ、ソルさま。私の背中では、もう足らないのでしょうね、アミータ姫さまは」


 ソルくんもファフさんも、意味不明という顔。

 ただ飛びたいだけなら、確かに彼らの手を借りれば簡単だろう。

 だが、それでは手が足りない。


「と言いますか、既に気球という空を飛ぶものをアミちゃん姫さまはお作りになってますけどね」


「それはそうなんだけど、気球じゃ自由に飛ぶことはできないの、ヨハナちゃん。空に浮かぶことは出来るけど、動きは風任せ。上空の風次第で何処に行くか分からないから、都市上空で偵察任務くらいにしか役に立てないのよ」


 ……熱気球は装甲も持てないし、スピードも出せないから偵察以上の軍事任務は無理なのよ。


 飛行機を作る。

 それは運輸や交易、人の行き来に大革命を起こす。

 今まで移動に一週間以上かかっていた場所に、一日もかからないうちに到着できる。


 ……既にトラック運送は順調だし、王都まで鉄道。蒸気タービン型の機関車を走らせることにも成功したの。今は、試験運転中だけど、春には正式開通と行きたいわね。


 更には兵器としても欲しい分野。

 ワイバーンやペガサスくらいしか、自由に飛べる有人飛行部隊がいない今。

 航空兵器を誰よりも先に生み出せれば、圧倒的に優位に立てる。


 ……流石にファフさん。ドラゴンには勝てないんだけどね。でも、ファフさんが敵に回る危険性はあり得ないから、安心なの。


「おほん! 皆さまには色々ご意見もあるかと思いますが、一言。わたくし、正気も正気。空を牛耳る事で、今後の世界を手中に収める事さえ可能です。もちろん、わたくしはそんな面倒な事は致しませんが」


 バカにされっぱなしも嫌なので、わたしは正気であると宣言する。


「面倒で世界征服をあきらめるのは、アミータ殿らしいな」

「ですわよね、お父ちゃん」

「本当に無欲ですよね、アミータ姫は。俺、尊敬します」


 ゴブリン親子と一緒に何故か感動しているソルくん。

 法王国の駐在武官として魔族と仲良くするのが、良いのやら悪いのやら、なんともな感じがする。


「はい! いい加減お静かになってくださいませ。今から詳細を説明いたします。ヨハナちゃん、黒板の準備をお願いします」


「はいですぅ!」


 ヨハナちゃんに黒板を出してもらっている間に、わたしは大きな紙に書いた図案を準備する。


「これが飛行機の基礎理論です! 翼部分に当たる風から揚力。上に上がる力を生み出して空を舞います。この仕組みは鳥やペガサス、ワイバーンでも同じですね」


「気球とかとは違うんですね、アミ姫さま」


「ええ。そうね、ジュリちゃん。熱気球は温めた軽い空気を気嚢内に貯めて浮かぶ。飛行機は、エンジンなどの推進力を羽を使い浮かぶ力に変えて、空を飛びますわ。なお、水素やヘリウムなんかの軽い気体を詰めた気球とか飛行船もあるけどね」


 わたしは、皆に延々と飛行機の素晴らしさを語った。


「ダムを観察するのにも、上空から見たいじゃないですかぁ!」


「それがアミちゃん姫さまの本音ですね。はぁ」

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― 新着の感想 ―
タービン機構があるのなら、ジェットエンジンも作れるね。(熱の制御や耐熱素材も魔法で解決できそうですし。)
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