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ゼネコン令嬢~ダム・ガール、悪役令嬢になりて異世界に建つ! 継母に家から追放されても、ショタ公爵さまとイチャコラしながらインフラ強靭化計画を実現しますの~  作者: GOM
第4部 ダムガール、世界の闇を覗く!

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第25話(累計 第157話) ダムガール、枢機卿と対面する。

 法王御乱心からの大騒動より三日後。

 ようやく事態が落ち着いた頃、借り受けていた宿舎に小数の騎士らお付きを連れた枢機卿(カーディナル)フェリネスさまが、わたし達に直接面会に来られた。


「今日は、わざわざお時間を頂きありがとうございます、公爵閣下。アミータ嬢、そしてリナ姫。この度、法王国の危機をお救い頂き、感謝しかございません」


「いえいえ、フェリネスさま。全てはアミお姉さん。アミータさまが行った事。ボクは、その手助けをしたまでです」


「ええ。そうですわね、イグナティオさま。アミータお姉さまは、わたくし達ゴブリンをお救いになっただけでなく、敵であったはずの法王猊下(げいか)すらお救いになられたのですから」


 ……今回の主賓は、ティオさまとリナちゃん。わたしやルキウスくんは横に座ってはいるけれど、オブザーバーに近いの。もちろん、ファフさんやディネさんは警護役。ヨハナちゃんが給仕役ね。


「確かに、アミータ嬢は素晴らしいお働きでしたね。うら若き乙女でありながら前法王の暴挙に対抗し、見事に彼を撃ち倒したのですから」


「お恥ずかしい限りでございます、猊下。わたくしは己のワガママで衝動的に動いてしまったまで。それが結果的にうまくいっただけです。深く考えての行動では無いだけに、今思えば反省しかりですわ」


 ティオさま、リナちゃんはもちろん。

 枢機卿のおじ様まで、わたしを褒めまくるモード。

 途中までは作戦通りに行動をしていたのだが、法王が錯乱し始めて以降。

 その場の勢いと感情のまま、暴走してしまった。

 今回は、幸運と偶然に助けられて上手くいっただけの事。


 ……あの日の晩、皆に囲まれて夜更けまで叱責されちゃったの。相談もなしに勝手に動くなとか、想定外の行動は簡便してほしいだとか、自分を大事にしろとか。


 ティオさま、リナちゃんはもちろん。

 ヨハナちゃんやドゥーナちゃん、そしてファフさんやディネさんからもコンコンとお小言を頂いたわたし。

 友や配下の進言をちゃんと聞かないとダメだなぁ、と今回も思った次第だ。


 ……今日は褒められるのが逆に怖いの。発言一つにも気を付けなきゃ。このオジサン、笑顔だけど油断大敵。今回のゴタゴタを利用して、ちゃっかり次期法王候補の席を入手したんだから。


 わたしは、今度こそ貴族令嬢らしく薄い笑み。

 言葉に気をつけつつ、枢機卿と話す。


「あれが、ただのワガママでしょうか? でしたら、実に素晴らしいワガママでございますね。貴女さまのワガママで我ら法王国も救われました」


「そ、そうであれば宜しいのですが……」


 ほめ殺しモードの枢機卿さまの言葉に適当に答えるわたし。

 正直、今回の件で法王国が完全に救われたとは思っていないし、最初の計画では法王だけぶっ飛ばして、トンずらするはずだった。

 法王国の力を適度に削ぎ、わたしや仲間たちに手出しできなくすれば、それだけで良かったはず。


 ……ソルくんが可愛そうになったから、彼とお父さまは救うつもりだったけどね。他の人がどうなろうとも、知った事では……。無いとは言えないのは、わたしの悪い癖だよね。


 見知らぬところで誰が死のうと、わたしが知ることは無い。

 神さまでも無いわたし、千里眼などを持っているはずもない。

 なので、知らない悲劇に対しては、何をすることも出来ない。


 しかし、知ってしまった悲劇を、わたしは無視をできない。


 ……だから結局、今回も法王国のゴタゴタにも介入しちゃったの。


「で、枢機卿どの。今日は何の御用で来られたのでしょうか? 私どもが明後日には出立することはお知らせ済みのはず」


「もう閣下らが聖都にいらっしゃる日程も短いです。そこで、閣下らにお早くお見せ致したいものがあって、直接に私がお持ちした次第です」


 ティオさまが来訪の要件を聞くと、枢機卿さまは背後の側仕え、もしくは文官と思われるものから真紅の布包みを受け取る。

 そして、わたしたちが座る椅子の前に置いてあった机の上で包みを広げた。


「これは!?」

「イグナティオさま。これは本……なのでしょうか?」


 枢機卿が提示したモノ。

 ソレを見たティオさまは少々怪訝な表情を浮かべ、リナちゃんは不思議そうな顔で本かと尋ねる。


「どうして、こんな本がここに……。あ!?」


 ……しまったのぉ。これじゃ、わたしの秘密がバレちゃうわ。


 枢機卿が提示したのは豪華な表装の表紙を持つ分厚い本。

 ただ、表紙の「絵」の世界では作りえないもの


 その本が、どの様なモノか。

 わたしは一瞬で理解したが、その様子がついぞ声や表情に出てしまった。


 ……まさか、活版印刷や写真印刷の本がこの世界にあるなんて、思わないよぉ。ああ、これが外典。文字通り異世界から流れてきた本なのね。


「この本がどういうものであるか。アミータ嬢なら何か分かるのではないですか? 今のご様子ですと、心当たりがあるご様子」


 わたしが表情を取り作る前に、枢機卿は笑みを崩さず尋ねてくる。

 わたしが、外典の正体を知っているのかと。


「枢機卿さま。貴方はわたくしの事を何処までご存じですか? 事と次第によれば……」


「あ、個人的に興味があるだけで、貴女さまの事を追及するつもりはございません。天の神々が遣わせてくださった御遣い(天使)さまではないかと思ってますが」


 先程までの他所行き笑みではなく、苦笑しながらわたしの事を追及しないと言ってくださるのは助かるが、天使扱いにされてしまうのは困ってしまう。


「流石に御遣いさまではございませんですので、そこだけは訂正させていただきます。わたくし、俗な欲望もあります恋に夢みる乙女でございますので。さて、本題の本。お、おほん。あ、えっとぉぉ」


 ……真面目にしようと思ったのに、どうしてこんなシリアス場面でギャグしちゃうのよぉぉ。


「アミちゃん姫さま、大丈夫ですから落ち着きましょうね」


 冷めたお茶を入れ直してくれたヨハナちゃん。

 小声で落ち着けと応援してくれるのが、実に嬉しい。

 わたしは、ふぅと大きく深呼吸をした後に一口茶を飲む。

 そして一番聞きたかったことを、枢機卿さまに尋ねてみた。


「えっとですね、枢機卿さま。これは、もしかして前法王猊下が所持なされていました外典でございますか?」

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