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ゼネコン令嬢~ダム・ガール、悪役令嬢になりて異世界に建つ! 継母に家から追放されても、ショタ公爵さまとイチャコラしながらインフラ強靭化計画を実現しますの~  作者: GOM
第3部 ダムガール、人々の笑顔を守る為にインフラ構築に頑張る!

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第23話(累計 第113話) ダムガール、懐かしい顔と遭遇する。

「なるほど。魔王殿は、しばらく手を止めるか、ティオ」


「はい、兄上。確定情報ではございませんですが、ゴブリン王グリシュ陛下が受け取った命令では、現状維持。橋頭保(きょうとうほ)を維持し続けよ、との事だそうです。また魔族国家からの補充人員送致も決まり、これを機に今現在、開拓村にいるゴブリンらの家族が送られてくるとの事。魔族国家側も地震被害が大きく、民を維持できないようですね」


 まだまだ続くテオドお兄さま。

 いや、テオドシウス陛下への報告会。


 ……いかん。気を付けねば、公式の場でお兄さまなんてお呼びしたら、大変なことになっちゃうの。


「もしや、それはゴブリン王から魔王陛下への依頼か?」


「はい、陛下。リナちゃん曰く、魔族内で足手まといになるくらいなら前線に行く方がマシという説明を魔王さまに告げ、移民の一環としてゴブリン族らの移民が承認されたそうですわ。なので、今は家屋建築に大忙しですの」


 あれから、ゴブリン王の元へ追加派兵という名目での兵士らの家族が山脈を越えて送られてきている。

 なので、開拓村は前代未聞の建設ラッシュ。

 幼子たちを野宿なんてさせられないと、我が混成工兵中隊が大活躍中。


 工場にて作ったコンクリートモジュールを有人型土木作業ゴーレムや魔導重機にて組み上げ。

 暇そうにしているゴブリンやオークのお兄さん達も引っ張ってきて、お家作りの手伝いをさせている。


 ……暇させてたら、人間碌な事を考えかねないからね。最初は嫌そうな顔だったんだけど、仲間の家族が住むための家を作っていると知ってからは真面目に仕事してたわ。完成時にはドワーフ工兵さんたちと抱き合って喜んでいたのが、印象的だったの。


「そうか。では、食料補給にも手を回しておこう。ここいらで、ゴブリン王に恩を売っておくのも一興。なら、王都のインフラ工事はしばらく先になるかな、アミ―タ?」


 ……公爵領だけの食料生産量では、これから増えるゴブリン族の安寧な暮らしの維持は厳しいの。まだ、ルキウスくんに教えてもらった新農法の効果は充分出ていないし。また陛下にご迷惑をおかけしちゃうわ。


「すいません、陛下。わたくし共もここまで急ピッチな改革・開発になろうとは想定外でしたの。なので、まずは王都へ繋がる街道を改善します。もちろん防衛も考え、橋などには壊しやすい仕掛けなどを設置しましょう。他の物資や人員移動手段も検討しますわ」


 王都の開発が遅れるのが残念そうな陛下。

 なので、わたしは代案として王都への交通手段の改善を提案する。

 道路もインフラの一種ではあるし、街中でインフラ改善工事をするにも、多くの民を養うにしても物流が大事。

 なれば、優先すべきは街道保全。

 もちろん移動時の結節点になる大きな橋には、仕掛けをして緊急時には敵の進軍を止める為に爆破破壊を出来るようにする予定だ。


 ……本当は鉄道も引きたいんだけど、まだ蒸気タービンの小型化が上手くいっていないの。レシプロ型の従来型蒸気機関車なら、上手くすれば来年くらいには実用できるかもだけど。


 蒸気機関の開発についても、ドワーフ技術者にアイデアを渡して依頼してはいるものの、本来なら百年以上未来の技術を数ヶ月で実現するのには無理がある。

 今は、出来る事から順番にするしかない。


「そのあたりの事はティオとよく相談しながら決めてくれ、アミータ。では、話はこんなところかな? 後でグリシュ陛下への親書は準備しておくよ」


 粗方、話し終わって陛下はティオさまとわたしを優しい緑の眼で見る。

 ティオさまそっくりの優しい眼。

 いつもは王という役目に縛られ、厳しい表情も昨今では多い若き王。

 しかし、その本質は弟が可愛くて仕方がない兄。

 そして、ティオさまの伴侶(候補)のわたしにも、同じ様な優しい目を向けてくれるのは、とても嬉しい事だ。


「陛下。次にお会いするときまでには、もっと良き報告が出来るように励みますわ」


「おいおい、アミータ。先程言ったであろう。私的な場所では私の事はテオドと呼ぶようにって」


「は、はい。テオドお兄さま。くれぐれもお身体にはお気をつけてくださいませ」


 そして、わたしとティオさまは、王陛下に見送られて王城を離れた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「さて、しばらくはタウンハウス(王都別宅)で滞在ですね。ティオさまも当家にどうぞです」


「ええ。ウチのタウンハウスは、まだ人が住める状態では無いですので。また、アミお姉さんにはお世話になりますね」


 王城からの帰り道。

 ヨハナちゃん運転の魔導自動車で貴族街を通る。

 ようやくゴムタイヤを採用し、それでもガタガタ揺れる車窓から見える街並み、まだまだ復興途上。

 崩れた建物が放置されたままの状態も少々見える。


 ……うちのタウンハウス。避難民に貸し出していたのも終わり、やっと通常運転なの。


「あれ? あの方は、アミちゃんのご友人ですよね」


 もうすぐ家に到着しようとした時、運転席にいたヨハナちゃんが声を上げる。

 彼女の視線の先にわたしも眼を向けると、見慣れた少年がタウンハウスの門前にいる。

 白杖を持ち眼を閉じたままの黒髪で細身な少年が、見えないはずのわたしの方に顔を向けて手を上げていた。


「ルキウスくん! 久しぶりなの」

「ルキウスさま。お元気そうで良かったです」


「アミータお姉さん、イグナティオさま。ご無沙汰いたしております。今日は少々お話したいことがありまして、お伺いしました」


 そこには盲目の後輩にして異世界転生者。

 ルキウスくんが、わたし達を待ち受けていた。

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