表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姉弟だけどいいじゃない!!  作者: 毒の花


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/38

第8話 携帯電話だけどいいじゃない!!

「携帯電話を買いに行くぞ」


「……は?」


「にゃ?」


今あたしはネロと遊んでいた。やっぱり猫なのか、猫じゃらしに反応して面白い。そんな中、突然母さんに言われた。


「いやだから携帯だ携帯。お前たちも高校生になったことだし、そろそろ持っていてもいいだろうと思ってな」


「そりゃ願ったり叶ったりだけど随分と唐突だな」


「うにゃー」


「まあいいじゃないか。母さんもそんなに暇じゃないんだ。さっさと行くぞ」


 - ☆ - ☆ - ☆ -


というわけでボク達は携帯ショップに来た。家族割が使えるとか何とかでお母さんとお父さんと同じ会社にするみたい。


「それじゃ、機種が決まったら呼んでくれ」


そう言ってお母さんは離れていく。それにしても、携帯って機種がいっぱいあるんだね。


「どれにしよう……お姉ちゃんはどうするの?」


「んー、とりあえずスマホにすっかな」


あ、いいね。最近の流行みたいだし、ボクもそうしようっと。


で、スマホ売り場に移動する。


「これがスマホ……」


大きな画面にボタンが2つ。それをいろんな角度から眺めてみる。


ふーむ。


…………


「た、大変だよお姉ちゃん!!」


「ん? どうした?」


「これボタンが2つしかないよ!! どうやって電話かけたらいいの!?」


「……はあ?」


なぜかお姉ちゃんから呆れたような視線がやってきた。


「あのなぁ優希。おまえスマホをなんだと思ってんだ?」


「えっ? 普通よりカッコいい携帯?」


なんせスマートフォンって言うくらいだし。


「……OK。おまえがどう考えてるのかはわかった。つまり全くわからないと」


「む~、ちょっとはわかるよ!!」


「ちょっとってどれくらい?」


「……1割?」


「素直に全然わからないと言え」


見栄張りましたゴメンナサイ……


「まぁいいか。ほれ、スマホはこうやって使うんだ」


お姉ちゃんは指でスマホの画面を触った。それに連動して画面が切り替わる。


「おぉー動いた」


「あたしはおまえの無知さにビックリだよ……」


なるほど、触れば動くんだ。すごいなぁ。


「ハイテクってやつだね。さすがIT」


「ITって何の略だっけ」


「Information Technology の略だよ。意味は情報技術」


「そういうことは知ってんだな。しかも無駄に発音がいい。……まぁそれはいいとして、問題は機種をどれにするかか」


スマホだけでもけっこう種類がある。ボクにはどれがいいのか全然わからないよ。


「う~ん……優希は決めたか?」


「よくわからないからお姉ちゃんとお揃いにする」


「……あ、そ」


再びスマホをじっと見つめるお姉ちゃん。しばらくして、二つを手に取った。


「どっちにすっかな」


お姉ちゃんの手にあるものを見てみるけど、ボクには厚さ以外に違いがわからない。


「どう違うの?」


「えーとだな、こっちは多機能なんだが厚くて重いんだ。しかもOSが古い。まぁすぐにアップデートされるらしいけど。で、こっちは最新のOSで薄くて軽いんだが必要なアプリは自分で入れなきゃいけない。バッテリーも若干短いけど、それは誤差の範囲だな」


「ふーん」


試に手に持ってみる。多機能な方は手に合わないような気がする。薄い方が使いやすいかも。


「こっちの薄い方がいいんじゃない?」


「ん~……そうだな。こっちにするか」


こうして携帯は決まった。ボクは青色、お姉ちゃんは赤色なんだ♪


「あ、メアドどうすっかな」


「好きに決められるの? じゃあI love my sisterにしよう」


「さすがにそれはどうかと思うぞ……」


「あ、使われてるみたい」


「使ってるやついるのかよ!!」


 - ☆ - ☆ - ☆ -


次の日。


「ボク達ね、昨日携帯買ったんだよ」


「へー」


昼食と食べるために中庭に行ったとき、皆に携帯を買ったことを報告した。


「どのモデル買ったんだ?」


「これだよ」


じゃーんと効果音が付きそうな感じで取り出す。


「お、最新モデルだな」


「さっそく番号交換しよーぜ」


「いいよー」


お姉ちゃんの協力を得て、昨日の内にある程度は使えるようにしといた。お姉ちゃんはもう使いこなしているみたいだけど。


「栗栖さんはどんなのにしたです?」


「優希と同じ機種だよ。色は赤」


「あー、はいはいお揃いね。よかったわねー」


「なんで棒読みなんだよ」


そんなこんなで番号を交換した。メモリの一番最初はお姉ちゃんだけどね。えへへ…


「そういや優希、購買行かなくてホントによかったのか?」


「うん。今日からボクがお弁当を作るよ」


再びじゃーんと効果音が付きそうな感じで今度はお弁当を取り出す。


「おおっ。愛妻弁当か」


「妻じゃなくて弟だけどね」


やっぱり購買じゃ栄養が偏っちゃうからね。


「……全員覚悟しとけ」


「なんでだよ」


「あんたバカ? これが普通の弁当だと思うの?」


「もしかして……桜でんぶで大きなハートマークがあったりするです?」


「可能性はあるわね」


「下手すると、メシ食う前に腹一杯ってことになるかもしれないぞ」


「皆なに言ってるの……?」


パカッとボクのお弁当を開く。おかずは唐揚げに野菜の天ぷら、きんぴらごぼう。彩りとしてプチトマトやパセリが入っていて、にんじんは花形に切ってグラッセにした。ごはんは肉そぼろ、玉子、桜でんぶで三色ごはんを作った。今日は最初のお弁当だからちょっと豪華にしてみた。


「よかった……普通の弁当だ……」


「けっこう豪華だな」


「優希って料理上手だったわね」


「優希さんすごいです」


「えへへ…」


「……おっ、あたしのは更にすごいな」


どれどれ、と皆がお姉ちゃんのお弁当を覗き込む。


「「「「うわぁ……」」」」


なぜか皆の顔が引きつる。えっ、なんで? ボクと同じメニューだよ?


ただ三色ごはんが肉そぼろを敷き詰めた上に桜でんぶでハートマークを作って玉子でLOVEって書いただけなのに。


「うまそうだな」


「今日の唐揚げは自信作なんだ~」


「ほー、そりゃ楽しみだ___って、箸がねぇぞ」


えっ、入れ忘れちゃったかな?


「ごめんね……」


「別にいいさ。確か、購買に割り箸売ってなかったっけ?」


「どうだっけ?」


うーん……あ、そうだ。


「ボクが食べさせてあげるよ」


唐揚げを箸で摘み、お姉ちゃんの口に寄せる。


「はい、あーん」


「あ、あーん」


パクッと食べる。あ、お姉ちゃん、赤くなってる。


「どう?」


「……うん。うまい」


よかったぁ。


「あれ、皆食べないの?」


「「「「お腹いっぱいデス……」」」」


なんで?




できれば週一のペースで投稿していきたいですが……いつまで出来るでしょうね……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ