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姉弟だけどいいじゃない!!  作者: 毒の花


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第35話 文化祭だけどいいじゃない!! 準備編

もう4か月以上経ってますね。文章構成が変わっていないか心配です。(他の物話書くときは若干変わっていますけどね)


私はカツ丼が好きです。

「おーい、釘とってくれー」


「布何が残ってる?」


「誰か運ぶの手伝って~」


「あれどこいった?」


ワイワイガヤガヤと皆が慌ただしく走り回る。遂に明日は文化祭だ。今日は授業が休みになるから一日中準備ができる。逆に言えば今日中に準備を終わらせなくちゃいけないけど。そんな中でボクは、


「腕が、腕が痛いよ~」


大量のチョコレートを刻んでいた。男子のほとんどは屋台の作成を、それ以外はチョコバナナの準備をすることになったのだ。


「大丈夫ですか? 疲れたのなら少しお休みした方が……」


「ダメだよー」


「神代さんってば天道君に甘すぎるよ」


「そうそう、ちょっとは厳しくしないとね」


雅さんが周りの女子たちにいさめられる。


「ボクは大丈夫だよ~」


「でも先ほど腕が痛いと……」


「…………(←)」


「がんばりましょうね。これが終わったら試食ですから」


「うん」


業務用のチョコレートはレンガみたいだから、そのままだと溶かしづらい。溶かしやすくするために刻む必要があるのだ。


「チョコバナナ作成セットがありましてよかったですね」


「だねー。これがあれば簡単にチョコバナナができるよ。しかもミルクチョコとホワイトチョコの二種類」


「チョコバナナ用に栽培、作成と書いてありますから別々に食べるのには向かないのですかね?」


「みたいだよ。このチョコあんまりおいしくなかったもん」


「え?」


「あ」


「…………」


「…………」


「つまみ食いしましたね」


「ごめんなさい……」


つい、魔がさして……


「もう、ダメですよ」


ちょん、と額をつつかれる。あうぅ……怒られちゃった。


「はいはい手動かそうねー」


「まったく、ほんと天道君に甘いんだから」


「天道くん、罰として刻む量追加だよ!!」


「ふえぇぇぇぇ……」


「……わたくしも手伝いますから頑張りましょう」


そんなこんなですべて刻んだ。やったよ……やりきったよ……


「では屋台で試作しましょうか」


「わーい。楽しみー」


チョコとバナナを持って屋台へ移動。


「わぁ、完成したんだ」


「うんにゃ、まだ細かいとこが残ってるぞ」


何やら作業をしていたカズくんが答えてくれた。動かしていた手を止め、近づいてくる。いや、仕事しようよ。


「まー、もうちょいだし別にいいだろ」


「いいわけないだろ。ちゃんとやれよ」


「あ、マサくん」


「おめーは終わったのかよ」


「そりゃ終わったよ」


「ちきしょー!!」


「で、おまえ達は何しに来たんだ? チョコの準備は終わったのか?」


「うん。試作しようと思って。えっと、こっちは大丈夫?」


「ああ。ガスコンロならもう使えるぞ。そこにある」


早速チョコバナナの試作を始める。チョコを湯煎にかけて溶かして、バナナの皮を剥いて割り箸刺してっと。


「えーっと、後はバナナをチョコに浸すのかな?」


「いえ、浸すのではなく、おたまで掬ってバナナにかけるようにした方がいいですよ」


「……ミルクチョコにはチョコスプレー……ホワイトチョコにはコーンフレークをかけよう……乾いたら完成」


二種類のチョコバナナが完成。わー、おいしそう。


「へー、これだと二種類のチョコバナナができるのか」


「何言ってんだよ。チョコが二種類とトッピングが二種類で四通りの組み合わせがあるだろうが」


「べ、べべべべ別にオレだってそれくらい分かってるし。マサが分かるか試したがけだし」


分かってなかったんだろうなぁ。


「お、できた。ほれ優希、あーん」


「あーん」


マサくんがホワイトチョコのチョコバナナを差し出してきたので咥える。


「んぐ……マサくんの……おっきいよ……口に入りきらない……」


おまけにまだ乾いてなかったらしく、ドロッとしたチョコがつっと口端を伝って垂れてしまう。


「……優希、エロい」


「チョコバナナ食べてるだけなのになんでその反応!?」


「おまえちょっとは自重しろよ……そんなんだから裏漫研部にネタにされるんだぞ」


普通に過ごしてるはずなのに……


「おまえらまた優希に変なことしてんのか!?」


「あ、お姉ちゃん」


試食してたらお姉ちゃん達がやってきた。手に荷物を持っているところを見るに、買い出しにでも行っていたのかな。


「優希が誤解されるようなことを言っただけだ」


「本当か~?」


「ボクは普通のこと言ってるだけだと思うんだけどね」


お姉ちゃんは疑わしそうな視線だけど、それよりも気になることが一つ。


「ところで、その丼はなに?」


お姉ちゃん達はおそらく文化祭で使うであろう荷物の他に、なぜか丼を持っている。


「ん? あー、そこの屋台で試作品貰ったんだよ。ちなみにこれは天丼な」


「私のはカツ丼」


「紗彩のは海鮮丼です。新鮮な魚介類がたっぷりです」


「文化祭で生ものはいいのかな?」


万が一にも食中毒なんて出したら屋台どころか文化祭自体が中止になるなんてことも―――


「―――っは!! 皆、ちょっとボクはいないって言って!!」


サッと机の下に隠れる。どうか見つかりませんように……!!


「おまえ、何やって―――」


「今ここで優希たんと正博くんの濃密な絡みシーンがなかった!?」


やっぱり井上先輩が来た!!


「どういう嗅覚してんすか……」


「そんなことより優希たんはどこなの!? コンテストのための衣装も調整してないし来てほしいのだけれども」


「え、えーと、優希さんならここにはいませんよ」


「おかしいわね……絶対ここに居ると思ったのだけれど……入れ違いかしら? まぁいいわ。他のところを探してくるわ」


…………


ふぅ、行ったかな。


「危なかったぁ」


「なんで来るの分かったんだよ?」


「それは第六感とか匂いとかで」


「おまえはどこまで人間離れするんだか」


確かに段々と野生の本能が芽生えてきてると思うよ。お母さんの血筋の影響かな?


「にしても、コンテストの衣装まだ決まってなかったのか?」


「だってあの人たち、衣装合わせと称していろいろ着せてくるんだもん……バニーとかナースとかコスプレはやだぁ……」


「アンタも大変ねぇ」


「まぁ優希の衣装なんてすぐには決められんだろ」


「悩むのも無理ないですよね」


「どんな服も似合いそうだけど優希のかわいさを100%引き出すのは大変だもんな……ガツガツ」


とりあえず歩きながら天丼を食べるのはやめた方がいいんじゃない?


「やっぱりいたわね優希たん!!」


「うわぁ!! なんで先輩がここに!?」


さっき立ち去ったはずなのに!!


「ふふふ、立ち去ったと見せかけて実は気配を絶ってそこに隠れていただけなのよ!!」


「……なんて高度な気配絶ち……これが裏漫研部部長の実力……!!」


「何を感心してるんだよ」


「さあ!! 衣装合わせに行くわよ!!」


サッと小脇に抱えられて連れて行かれる。意外に早い!!


「うわぁぁぁぁ!! た、助けてーーー!!」


「ゆ、優希さーん!!」


「天丼うめぇ!!」





活動報告にも書きましたが冬コミに参加できないようです。このことについては黒猫トムさんに一任しているので私はあまりよくわかっていないのですが、なんでも申し込みを忘れたとかなんとか。まぁコミケはまだ先にもありますし〆切が伸びたと思いましょう。


うーん、こちらも書きたいのですがリアルが忙しいのは大変ですねぇ。しかも他にも書きたい物語が出てくるとか……さすがにこれ以上はやめといたほうがいいですね。コミケ用どころか短編まで途中ですし。まぁ、マイペースにいきます。

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