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姉弟だけどいいじゃない!!  作者: 毒の花


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第10話 BLだけどいいじゃない!!

授業をしている先生の誰かから服装についての注意を受けることもなく、お昼休みになった。注意されなくて嬉しいような悲しいような……


「あー、腹減った」


「優希、今日も中庭で食うか?」


「そうだね。行こっか」


「……待って」


お弁当を持って中庭に行こうとしたら、椎崎さんに呼び止められた。


「何か用か?」


マサくんが答えた。2人は知り合いなの?


「……わたしも……一緒に……いい?」


「俺は別にいいけど……おまえらは?」


「ボクは別にいいよ」


「オレもいいぜ。女の子が増えることはいいことだ!!」


「ところで、2人って知り合いなの?」


「……昨日会ったばかり」


「まぁ、あいつらにも説明するから歩きながらでいいか?」


お姉ちゃん達と合流して中庭を目指す。その途中、2人の馴れ初めを聞いた。


「つまり、椎崎が飼っていた猫が木に登って下りられなくなったときに助けたと」


聞いてみると単純な出会いだ。


「……そう……正博、優しい……グレイも懐いてた……ポッ」


グレイというのは椎崎さんの飼い猫の名前らしい。ロシアンブルーだそうだ。……とゆーか、最後の『ポッ』って何?


「こいつはアレか、ライバル出現ってか」


「なんで私見て言うのよ」


「わかってんだろ」


「……負けない……優希にも」


「いやこいつ男だぞ」


「……びっくり」


そんなこんなで中庭に到着。今日もお弁当がおいしく出来て良かった。


「……なんかさぁ人多くね? しかもチラチラ見られているような」


言われてみれば……


「そりゃこのメンツだしなぁ。天道姉妹を筆頭に綺麗どころが集まってんだぜ」


さりげなく女扱いされた!! ひどいよカズくん!!


でもまぁ言いたいことはわかる。美奈さんと紗彩さん、愛理沙さんはかわいい部類に入るし、お姉ちゃんも美人だしね。それにマサくんもけっこう人気あるし。


「実はカズさんも一部で人気があるです」


「えっマジで!? くぅー、オレにも春が来たかぁー」


へー、そうなんだ。まぁ、カズくんも黙っていればかっこいいし人気でるかもね。


「女子部員のみで構成されている裏漫研部で発行されている冊子で人気が出たです。同様の理由で優希さんとマサさんも一部女子において莫大な人気があるです。優希さんは男の娘要員です」


……裏漫研部ってなに? 冊子って? 男の娘要員ってどういうこと?


「待て。確か裏漫研部ってBLなもの書いてるとこじゃなかったか? ってことはさっきからオレをチラチラ見てる女子は……」


「十中八九腐ってるです」


「「「うわぁーーー!!」」」


知りたくなかったよそんなこと!! 肖像権とかどうなっちゃってるの!?


「ちなみにコレですけど……読むです?」


読みたくないよ!!


「……見せて」


「私も興味あるかも」


「あたしにも見せろ」


見ないでぇーーー!!


「うわ、すご……」


「えっ、こ、こんなことも……!?」


「…………(だらだら)」


「優希さんは総受けです。あ、愛理沙さんティッシュどうぞです」


「……ありがとう」


鼻血出すほど興奮するってどれほどなの!?


「うわぁーーーん!! マサくんボク達汚されちゃったよぉ!! もうお嫁に行けない!!」


「落ち着け!! 元々行けないって!! それとその格好で俺にくっつくな!!」


ひどい!! なんで!?


「(プシャァァァァ!!)わが生涯に一片の悔いなし……」


「(だらだら)急いで二人をカメラに収めるのよ!! 特に優希たんをアップで!!」


「…………(パシャパシャッ)」


「ほらネタを提供しちまってるだろ!!」


しまったぁーーー!!


「ていうかなんでマサんとこ行くんだよ!? あたしのとこ来いよ!! ほら、デカくて柔らかいぞ!!」


「それで行ったりしないよ……(ふにふに)」


「来てるじゃないか」


……はっ!! 無意識の内に!!


「……百合もけっこういいんじゃね?」


「カズ、おまえ現実逃避してんのか?」


「また女扱いされた!!」


「よしよし」


お姉ちゃんにギュッと抱きしめられながらナデナデされる。


「ふみゃぁ……」


「めっちゃ落ち着いてんな」


「優希さんって意外にえっちです?」


「そ、そんなこと「ほれほれ(むぎゅむぎゅ)」ふみゃぁ……」


「落ち着いてるわね」


「……今度……百合の本……買ってくる」


「……はっ!!」


また無意識のうちに!?


「……男はみんな……おっぱい好き……だから気にしない(グッ)」


慰めになってないよ……それとなんで親指を立てたの?


「……男はみんな……おっぱい好き」


「なんで私見て言うのよ……!!」


「…………(フッ)」


「ぶっ殺すわよアンタ……!!」


~翌朝~


「は~、昨日は大変だった……」


壁を見ると男子用と女子用の制服がかかっている。


「もう乾いたし、今日は普通の格好で行けるよね」


で、着替えてお姉ちゃんと登校。なんだか清々しい朝だ。


「あ、おはよー、マサくん!!」


「ん? おおっ、2人ともおは―――って優希その格好!!」


「えっ? 格好?」


自分の体を見なおしてみる。ネクタイじゃなくてリボン。ズボンじゃなくてスカート。


「なんで今日も女子の制服なんだよ!!」


「しまったぁーーー!!」


「……まぁ、女装は癖になるって言うしな。フフフッ」




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