表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
売国政府を断罪する最強転生者――彼の過去を暴くチートを得た私が小説にしたら、全世界が大発狂  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
C章 プリズンブレイク黙示録。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/188

9話 倫理。


 9話 倫理。


 ここで動かなければ自分を誇れないという正義感に突き動かされる刑務官。

 世の中、決して、クズばっかりじゃない。

 自分の職務に『強い誇り』を持つ者も一定数は確実に存在する。


 ――覗き窓のスライドがシャッと開く。



「ど、どうしたぁ!?」



 中を見て、刑務官は言葉を飲む。

 最初に、『両手で目を覆っているベア』が視界に入る。

 続けて、センと目が合った。


 センはにこやかに微笑んで、


「どうやら、目が痛いそうですよ。ちなみに、俺は何もしておりませんので」


 刑務官は、言葉を失いつつも、ここで『人としてすべきこと』を考える。

 いまだ、頭の中で、上からの命令がリフレインしている……が、

 それでも、刑務官は迷わず無線の送信ボタンを押した。


「医療コール。二階東、個室E-12。受刑者が急性の視覚異常を訴えている」


 数秒の沈黙。

 どうやら、向こう側でも逡巡している様子。

 この状況で医療コールが鳴って、『センエースの関与』を疑わない者はいないだろう。


 『センエースの問題には関わりたくない』

 『上からもそう命令されている』


 ……『動かなくていい理由』が先行するが、

 しかし、しばらくして、スピーカーが声を返す。


『……医務搬送を許可。補助一名を付けるように』


 刑務官は短く『了解』と返す。


 そこで、刑務官はセンに視線を向けて、


「私一人で大柄のマーカスを医務室まで運ぶのは難しい。……手を……貸してほしい」


 助けを請われたセンは、にっこりと微笑んで、


「はい、よろこんで」


 ベアの肩に簡易保定ベルトが掛けられる。

 手錠と腰鎖を追加。


 センと刑務官、二人でベアの両脇を支える。


 医務室までのルートが一つずつ開いた。


 ほどなくしてストレッチャーが廊下に出てくる。

 サポートにきた3名の刑務官が、センエースをチラ見しつつ、ベアをストレッチャーに乗せた。

 刑務官の背後に追従してきた看護師が瞳孔ライトでベアの眼球を確認。


 その間に、刑務官が、上に報告をいれている。


「対象を医務室に収容。状態は不明。眼球に傷などはなし。……ま、まるで『魔法』のように、視覚を奪われている」


 刑務官の『抵抗』のような報告。

 彼の視線の端にはセンエースがいる。

 彼は暗に、上へ『センエースが魔法で視力を奪ったのだろう』と報告したのであり、上もセンもそれを理解している。


 ドアが閉まり、インジケーターが緑から赤に変わる。

 通路には足音だけが戻った。




 ★




 知らせは早かった。

 医務室のドアが閉まる前から、噂は疾走。

 鉄と鉄のあいだを跳ねて、全棟に広がった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
この正義感ある刑務官、だいぶ目や耳が悪そう
上からの命令と職務への誇り、 そして人としての倫理がぶつかり合う、 刑務官の葛藤が見事に描かれていて、 思わず息を飲みました。 世の中はクズばかりじゃない、 というメッセージが強く響きました。
強い誇り()は待つのに今までアスホール掘りとか集団暴行とか見て見ぬふりしてたん???
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ