表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
売国政府を断罪する最強転生者――彼の過去を暴くチートを得た私が小説にしたら、全世界が大発狂  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
A章 世界の夜明け。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/188

トコ15話 鹵獲。


 トコ15話 鹵獲。


 暗い廊下を抜け、校舎裏に出た。

 そこには、黒光りする巨大な車両が停まっていた。

 装甲車というより、移動式の武器庫。

 分厚い装甲板とジャマー用アンテナが突き出し、背後には昇降用のランプが下りている。


(……これも、すごい車やな……軍の基地とかにしかないやつやん……)


 見張りが二人。

 そのうち一人が車内から無線で状況を報告していた。

 トコは息を整え、拾った銃を構える。

 ダイヤルは〈STUN〉に合わせたまま。


(悪いけど――寝てもらうで)


 バチッ。

 青白い電撃が飛び、通信兵がその場で痙攣して崩れ落ちた。


「なっ……!」


 もう一人の戦闘兵が慌てている間に、

 トコは、また引き金をひく。


 だが、戦闘兵の体にはなんの反応もない。

 よく見てみると、彼の装備は少し様子が違っていた。


(……ああ、なるほどな。スタン耐性の装備か……)


 戦闘兵が拳を握りしめて突進してくる。

 反応速度が速い。

 一気に距離をつめられる。


 しかし、トコの瞳は揺れなかった。


「……ありがとう……ナメてくれて」


 銃を手放し、両手を広げる。

 相手の突進を半歩でいなし、手首をつかんで体を回転させる。

 崩した重心に膝を差し込み、背負い投げに似た動きで床に叩きつけた。


 ゴンッ、と鈍い音が響く。

 装備の硬さで即死はしない。

 だが、呼吸は完全に奪った。


「……この体格差やと、ガチでやりあったら、流石に勝てんからなぁ……あたしの合気なんて、所詮は、半年道場に通った程度のものやから……」


 息をつきながら呟く。

 そのまま無力化した二人を横目に、車両へと足を踏み入れた。


 ――中は小さな要塞だった。

 壁一面にラックが並び、特殊銃器や黒いヘルメットが整然と吊るされている。


 奥のケースには、銀色の外装パーツ。

 脚部、腕部、胸部を覆う強化外骨格――最新鋭のパワードスーツ。


(……うわぁ……これも映画でしか見たことないやつやな……)


 手を伸ばし、装着補助のレバーを引く。

 金属音を響かせながら、パーツがトコの身体に吸い付くように固定されていく。

 腕にフィットした瞬間、軽い衝撃が走った。

 脚部から胸部へと連動し、全身に補助動力が巡る。


「……なんで、これ、顔出るんや……パーツが足りてへんのか……」


 短くぼやき、起動を完了する。

 スーツの内側から、HUDが半透明のパネルを展開した。


 ――起動認証:完了。

 ――制御サーバー:接続待機。


「……ふーん、ネットワーク依存か」


 トコは車両の奥に置かれたノートパソコンへ目を向けた。

 ケーブルがパワードスーツと兵器ラックに繋がり、さらに床下のサーバーユニットへ延びている。

 どうやら、この端末が全装備の制御コンソールになっているらしい。


(……なるほどな。外部からハックされんように、完全に閉じたローカル環境にしとるわけや。外のネットからは一切アクセスできん。けど、その代わり――内部のセキュリティは甘々、か)


 椅子を引き寄せ、ノートを開く。

 WindowsベースのOSに、独自の制御ソフトが立ち上がったままログインしっぱなし。

 現場運用だからこその利便性重視。

 パスワード入力の手間すら省いている。


「セキュリティ意識、偏っとるなぁ……」


 トコはショートカットを片っ端から覗き、目的のディレクトリに辿りついた。

 C:\Control\SuitManager\bin

 そこに「shield.exe」「powerunit.exe」といった実行ファイルが並んでいる。


「……Cドライブ直下に管理ファイル置くとか、情報セキュリティ講習受けたことないんか?」


 ターミナルを開き、コマンドを打ち込む。

 taskkill /IM shield.exe /F

 エンターキーを叩いた瞬間、体育館側に配置された兵士のシールド音が途絶えた。


 続けて、taskkill /IM suitmgr.exe /F

 ラックに吊るされたパワードスーツのステータスランプが一斉に赤へ変わり、沈黙する。


「センエースほどの暗号突破は無理やけど……こういう現場端末の設定落とすぐらいなら、凡人のあたしでも流石に余裕やで」


 さらに念を入れて、サービス自体も停止する。

 sc stop ControlDaemon

 モニターに赤い警告が並ぶ。

 〈CONNECTION LOST〉〈DEVICE SHUTDOWN〉〈FAILSAFE MODE〉


 武装ラックから小さな火花が散り、ドローンの赤いセンサーランプも消えた。

 高周波の駆動音が止まり、場の空気が一段と静まり返る。


「――外からは鉄壁でも、中は人間の都合でガバガバ。現場主義の人間が陥りがちなミスやな」


 トコは短く笑みをこぼし、ノートの画面を閉じた。


「これで、あんたらの未来兵器は全部ただの鉄くずや。まともに動くのはあたしのだけ」


 パワードスーツの補助動力が低く唸り、彼女の足取りは確かに軽くなっていた。

 まだ戦いは始まったばかりだが――トコの影は、着実に敵陣を食い破り始めていた。


 『普通』の女子高生、薬宮トコの作戦はまだ終わらない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
現場運用でセキュリティが甘くなっている点をついて、 未来兵器をただの鉄くずに変えるという 知略戦が素晴らしかったです。 外は鉄壁でも中はガバガバという描写が、 リアリティがあって面白いです!
テロリスト相手に無双するJKを一般人や普通とは言わねえよ。 ムザキ、セン、平熱マン、センエース神話に置いて『自称』普通な奴にまともな存在は存在しない。 キチガイしかいない領域の化け物たちと同じ思考して…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ