6080話 模造閃光。
6080話 模造閃光。
無数の視線が同時に二人へと注がれる。
圧迫感の中で、ラストの髪が風に揺れ、センはコキッと首をならした。
「どうやら、マジで、俺の攻撃は効かないようだが……こいつらの攻撃なら効くだろ?」
そう言ってから、センは隊列に並んでいる者の一人――
ヒッキス・トレージに視線を向けた。
「やれぇ! ヒッキエス!!」
命令を受けたヒッキエスは、
「了解!!」
と腹の底から大声を上げ、両手を天に掲げた。
瞬間、凄まじい魔力の奔流が発生し、
まるでスコールのように光の粒子が降り注ぐ。
それは祝福であり、覚醒であり――ヴァルハラ軍全体への強化の雨だった。
ヒッキエスの強大なバフを受けたヴァルハラ軍団は、
「「「「「うぉおおおおおおおお!」」」」」
地鳴りのような咆哮を上げた。
そして、そのまま、
「「「「「「「「模造閃光神化プラチナム 破道混沌/黒蛇邪気眼!!!」」」」」」」」
全員で、奇妙な覚醒技を使っていく。
結果、爆発的に底上げされる全ステータス。
「進めぇ! 殺せ、殺せ、殺せぇええええ!!」
指揮官の号令に従い、訓練通りの動きで隊列が一斉に動く。
武装がぶつかり合い、砂塵が巻き上がり、空気が振動する。
前衛メンバーが突進した。
盾が地を鳴らし、刃が風を割る。隊列は乱れず、靴裏が土を蹴るたびに砂塵が低く舞い上がった。
中衛メンバーが攻撃魔法を放ち、詠唱の響きが重なるたびに空気が圧し潰されるように震えた。
後衛メンバーがバフとデバフで仲間を支援する。光の紋が次々と足元に咲き、敵の動きは鈍り、味方の息は深く揃った。
完全なる戦闘陣形。
さすがはセンエースに鍛えられた者たち。
全員、面構えが違った。
「龍王波ランク29000!!」
「ドリームオーラぁ!」
「異次元砲!!」
「反射闇鎧ランク32000!!」
彼らは、地獄の鍛錬でステータスを鬼盛りしただけではなく、筋肉の締まりも視線の強さも、戦場用に研ぎ澄まされている。
全員が、センエースから貸し与えられた『神器』を身にまとっている。
金属ではない輝きが鎧や武具の継ぎ目から滲み、触れれば指先の感覚が痺れるほどの霊圧が肌にまとわりついた。
センは長い人生の中で、大量の神器を作成してきた。
センは、その神器を、惜しみなく、ヴァルハラ軍団に貸し与えている。
今この瞬間も、数え切れぬ加護の『神字』が彼らの背を押し、見えない刃が周囲を衛るかのようにきらめいた。
膨大な力を誇るヴァルハラ軍団の存在値は、数々の神器や超覚醒バフ込々の平均で、――『10京』という、えげつない数値を誇っている。




