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売国政府を断罪する最強転生者――彼の過去を暴くチートを得た私が小説にしたら、全世界が大発狂  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
C章 プリズンブレイク黙示録。

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6071話 ある意味で最も強欲な命の覚悟。


 6071話 ある意味で最も強欲な命の覚悟。


 わずかな体の傾き、目線の動き――まるで踊るように。

 その身は風のようにしなやかで、致命の一撃は一度も届かない。

 アクビを噛み殺すように息を漏らす彼の顔には、退屈の色すら浮かんでいた。


「はぁ……はぁ……」


 肩を上下させながら、ロキは息を荒らげた。

 額を汗が流れ落ち、指先がかすかに震えている。

 センはゆっくりと顎を上げ、静かな声で告げた。


「これが最後だぜ。それなのに、こんな、ていたらくでいいのか? 気合いがたりねぇよ。……おまえもしかしてまだ、自分が死なないとでも思ってるんじゃないかね?」


「……はぁ……はぁ……」


 ロキの喉が鳴った。

 呼吸は乱れ、胸の上下が荒々しく揺れた。


 汗で濡れた髪が額に張り付き、月光に細かく光る。

 瞳の奥には、焦燥と恐怖と、歪んだ決意が混じっていた。


「…………はぁ…………ふぅ」


 その短い吐息に、周囲の空気が容赦なく反応した。

 床に落ちたガラス片が微かに震え、埃が小さく渦を作る。

 ロキは深く、ゆっくりと息を吸い直した。


 胸の内で何かが蠢き、身体の隅々まで冷たい電流が走るようだった。

 震えた指先がわずかに白くなり、筋肉が固まる。

 そして、ロキは口を開いた。


「なにもかも失ったけれど……」


「あん?」


「一つだけ……残っているものがある」


「ほう。それはなにかな?」




「――死んでもいいから……てめぇを殺したい――」




 本気の覚悟が声に滲んでいた。

 言葉は静かだが、そこに込められた重さは鋼のように冷たかった。

 その瞬間、ロキの身体から何か禍々しいものが湧き上がっていく。


「う、ぅううう……」


 最初は低い唸りだった。

 やがてそれは喉の奥から裂け出し、空間を震わせるようなうめきへと変わった。

 漆黒の輝きが指先から腰へ、そして胸の中心へと膨らんでいく。

 その闇は単なる色ではなく、湿度と圧力を伴った重さを持っていた。


「プラチナァアアアア! スペシャルゥウウウ!!」


 声が廃墟に反響した。

 叫びはただの発声ではなく、内側から湧き出る命の焔のようだった。

 ロキの身体を締め付ける力が一気に増し、筋肉が隆起し、血管が浮き上がる。

 皮膚の下で何かが震え、瞳孔が細くなるほどの閃光が一瞬だけ走った。


 命が燃え上がるような疼きが全身を貫いた。

 ロキは握りしめた拳をさらに硬くし、『取り戻すべき何か』を貪るような『強い渇望』を宿して目を見開いた。

 その渇望は、トコやヒッキエスが手にしたような異能の獲得を強烈に希求するものであった。



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― 新着の感想 ―
センの「退屈」とロキの「焦燥と恐怖」の対比描写が、 戦いの緊迫感を極限まで高めていて凄まじかったです! ロキの「最も強欲な命の覚悟」が、単なる感情ではなく、 物理的な圧力と閃光を伴って発現する瞬間は…
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