表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
売国政府を断罪する最強転生者――彼の過去を暴くチートを得た私が小説にしたら、全世界が大発狂  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
A章 世界の夜明け。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/188

トコ6話 黒い渦の向こう。


 トコ6話 黒い渦の向こう。


 トコはベッドの上に正座していた。

 ノートPCを前に深呼吸し、ゆっくりと瞼を閉じる。


「……メモリアイ」


 ――視界が闇に塗りつぶされる。

 その奥から、ざらりとした風景が滲み出した。


 そこは、暗い大地だった。

 空気は鉛のように重く、赤黒い光が地平線を不気味に染めている。

 焼けた鉄と血の匂いが鼻を刺し、耳の奥では風が呻くように鳴っていた。


 その中心で、ボロボロのスーツ姿の男が泥に転がっていた。

 首相・闇川。


「ぜぇ……っ、はぁ……っ、ひぃ……!」


 顔は汗と土でぐしゃぐしゃに濡れ、両手で地を掻きながら必死に呼吸している。


(……闇川首相……? でも、渋谷でセンに殺されたはず……なんで……生きとる……?)


 周囲には、自衛隊の迷彩服やSATの防弾ベストを着た男たちがいた。

 マスコミっぽい恰好をした人も、人相が悪い一般人も。

 誰もが汗だくで、朦朧とした表情のまま剣を振り下ろす。

 ある者は火球を放ち、ある者は盾を構えて突進する。


 呻き声。

 泥に倒れ込む音。

 『死ぬ……助けて……これじゃあ、死んだ方がマシ……』と唇が動いたかと思えば、また立ち上がって剣を振る。


 『いっそ殺せ』『キツすぎる』……と、みな、口々に愚痴をこぼす。

 それは、殺し合いのようでもあり、狂った訓練のようでもあった。


(……死んだあとの光景……? 地獄みたいな……? それとも……なにかの試練……?)


 トコが理解をつかもうとした瞬間、映像はぷつりと切れた。


 画面に、冷たい文字が浮かぶ。


 ――〔PS/SYSTEM〕

 《センの記憶・近景》の続きを閲覧するには、EXP:2,000,000 が必要です。


「……に、にひゃくまん……? たっか……」


 頭を抱える。いまのポイントからは、あまりにも遠すぎる数値。


 ――脳裏に焼き付いたのは、闇川の呻きと兵士たちの狂気の光景。

 死んでいないのか。死んだ先なのか。――判別できない。


「……200万の近景も見なあかんな……このままやと、生殺しや」


 唇を噛み、ノートPCを睨みつける。

 けれど今できることはなかった。


 しばらく考え込んだ末、ふとSNSのタブを開く。

 小説に熱中しすぎて、しばらく確認していなかった。


「ぇ……?」


 ――タイムラインが、異様な熱気で燃え上がっていた。


#ShibuyaNovel

#転生文学

#救世主降臨

#地獄の独裁者


「……なに……これ……まじ……?」


 英語、中国語、フランス語。見慣れぬ言語まで混ざって、同じ単語を叫んでいる。


『作者は誰だ?』

『日本語が原文? 翻訳で読んだ』

『多分、男じゃないよね』

『小説じゃなく証言だろ』

『まるで現場を覗いてるみたいだ』


(……嘘やろ……これ、世界中で……? もはやバズとか炎上とかやない……)


 画面の光がトコの顔を照らす。

 胸の鼓動はどくどくと速まり、指先が小刻みに震えた。


「え……うそ……」


 六畳のワンルームに、かすかな声が落ちる。

 その響きは、遠く、世界のざわめきと重なっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
闇川首相の描写が凄まじく、センに殺された後の、 彼に待っていたのが、あの地獄のような場所だとしたら、 想像するだけでゾッとします。 ラストの世界的なバズ(炎上)で、物語のスケールが、 一気にブチ上がり…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ