第11章:対ジミー・ヤング戦、そして・・・『神』との出会い :あさってにでも続きを書きますね。
・・・1977年3月。
場所は、
赤道に近い港町・・・プエルトリコの『サンファン』。
それは、
アリに敗れたあとの、すさんだ生活を送っているさなかに行われた。
・・・相手は、
『ジミー・ヤング』という格下のボクサーだったが、
フォアマンにとっては、重要な意味をもっていた。
・・・勝てば、
『アリへの挑戦権』を得られることになっていたからだ。
その日は異常に暑く、
満員の会場は、熱気で蒸せ返りそうだった。
フォアマンは、一方的に攻めまくった。
・・・しかし、
暑さがフォアマンの体力を奪って、
終盤になって、みるみるスタミナを失ったフォアマンに、
ヤングが逆襲した。
・・・結果は、
フォアマンが『判定』で敗れるという・・・
大番狂わせになった。
フォアマンにとって、
『試合の敗北』より、
はるかに重要なことが起きたのは・・・
試合後の控室においてだった。
脱水症状をおこし、
朦朧となって横たわっていた彼が、
ふいに叫びだした。
そのとき・・・
彼に何が起こっていたのか・・・?
フォアマンによれば、
そこで彼は、
『神に出会ったのだ』という。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
フォアマン:「そのドレッシングルームで私は、自分が一度死んで、また生き返る姿を見たのだ。
『キリストの血』が、テーブルにも、横たわっている私の顔にも手にもついていた。
私は、自分の中によみがえったキリストに向かって叫んでいた。
ずっと宗教というのをバカにしていた私にとって、それは衝撃的な体験だった。」
フォアマン:「プエルトリコを発つとき・・・私は、すっかり別の人間に生まれ変わっていた。
私は、自分の体験を、『ひとり・・・またひとり』と語り始めた。
・・・気がつくと私は、教会の中に『居場所』を見つけていた。」




