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遅れてすみません、新章後編やらテストやらでとても忙しかったんです!許してください!
マンションから出て数分、玲の言っていた通り、すぐ近くに木やら葉っぱが生えている公園に出てきた。
んー、まぁ、想像とは違ったかな?
確かに俺の住んでいた環境には近いが、根本的に何かが違うと分かった。
地面の凹凸はそこまで無いし、木々の並びも綺麗だ、明らかに自然環境で作られる景色ではない。
人の手による自然、きっとこれがそういう物なんだろう。俺には不自然にしか見えないが、それでもコンクリートやアスファルトの上を歩くよりは気持ちが軽くなる。
取り敢えず一走り、玲の斧剛さん!?という困惑の声を後ろに、走る速度を上げる。
妙に走り易いアスファルトなんかじゃなく、少し走り難いこの場所で俺は生きていたんだと、改めて認識できた。
息も切れてきたので、少し休憩、あ、そういえば玲の事を忘れていた。
後ろを見ると、こちらに対し走って向かってくる影が一つ、恐らく玲だろうな。
「はぁ…はぁ…ふ、斧剛さん…急に走られては困ります…せめて一言お声がけください…」
息も絶え絶えな玲がそう言ってきた…うん、まぁ護衛の観点から見ればそうだな、申し訳ない事をしてしまった。
「悪いな玲、ちょっと走りたくなったんだ…もう満足したから大丈夫」
「そ、そうですか?…ならよかったです…」
玲の呼吸も元に戻りかけている…なんだかんだ玲の身体能力高いな、俺にも追いついてきたし。
「それにしても斧剛さん足速いですね、追いつけると思っていたんですが離されちゃいました…」
「ん?そうだな、割と身体能力高い方だと自覚してるぞ、なんならこんぐらいの木ならッ!」
近くの木の枝にジャンプして掴む、そのまま懸垂の要領で体を上げ枝の上に乗る。
そのまま幹を登り、木の頂上まで向かう。
懐かしいなぁ…昔はこっから他の木にジャンプして忍者ごっこしたもんだ。
「ふ、斧剛さん!?ああ危ないので降りてください!」
「へーきへーき、落ちても受身取るから大丈夫」
「そ、そう言う問題では無く…と、とにかく!降りてください!」
「えぇ?……まぁ、玲が言うなら…」
ずるずるーっと降りる。
「ほ……良かった、怪我をしてしまうじゃないかと心配しちゃいました…もう、危ない事は止してくださいね…」
「あ、うん…分かった」
流石にそこまで心配されてしまっては素直に聞くしかあるまい、別に無理に木に登る必要はないしな。
「ふふ、でもそこまで喜んでくれたのならここまで案内させて貰った甲斐もあります」
ハッ!そうだ!元々の目的を忘れていた!
「そ、そうだ!玲、なんか…そうだなぁ…あー…」
やっぱり声が詰まってしまう、うーん?いつもだと簡単に言葉が出るはずなのになぁ。
「………?」
不思議そうな顔でこちらを見る玲、いつも玲に対して話し易いと感じるのは玲のこの話を聞く姿勢というか、おそらく聞き上手なんだろう。あまり多くの人と話した事はない俺にとって本当にありがたい事なのだと今理解できた。
だったらこのこの詰まる声ぐらい出さなくては、玲のこの必要以上に俺の事を考えている心に報いなければ。
「えっと、玲って貰って欲しいもんとかある?それか好きなもんとか…俺ってさ、玲に色々と助けられてるからさ、なんかしてあげたいなって思ったんだ」
よし!よく言えた!俺、ふぅ、これで第一段階はクリアだな…。
「欲しいもの…ですか?んー…そう言われてみると難しいですね…あ、いつも同僚から飾りだけがないと言われているので身を飾るものが欲しい…と思います?」
「み、身を飾るもの」
う、うむ…中々に難しい回答が返ってきたな…まぁ、そこら辺は綾姉に相談しよう。
「私は昔からそう言う…なんですかね?ファッションセンス?があまり無くてですね…いつも服を買う時も同僚にアドバイスをもらったりマネキン買いをしたりお店の人におすすめを聞いたり…?それにしてもどうして急にそんな事を聞いてきたんですか?」
ま、不味い!流石に急に聞くのは不審だったか?…誕生日にはサプライズをするものと聞くし、ここはなんとか誤魔化さなければ……!
「え、えっと…そ、そう!さっきも言っただろ?いつもお世話になってるから何かあげたくなったんだ!」
「そうですか?別にそれくらいの気にしなくても大丈夫ですよ、私のお仕事ですし、何より私自身も斧剛さんと付き合っていくのは楽しいですので」
「そ、そう?は、ははは!まぁ世間話として聞き流してくれ」
「そうですか?ではその様に」
…ふぅ、なんとか誤魔化せた様だ、しかし玲が俺と付き合っていくのは嬉しい…か、なんか嬉しくなる様なくすぐったい様な…これまた不思議な気分だ。
「あ、そうそう、俺も玲と付き合っていくのは楽しいし嬉しいよ、このままずっと付き合っていけたら良いな」
ゴフッと咳き込む声が聞こえた、あら?
「す、すみません…ああの!ここで言う付き合っていくというのは男女の付き合いという意味では無く、友人関係という今でしてね?私としては特に他意のない発言でして…」
「ん?わかってるわかってる、ハハ!俺も中々に玲の考えている事わかってきたからな!」
そう、これでも結構長い付き合いだ、考えていることなんて分かる分かる。
「ふぇ?」
「つまり!玲も俺と同じ気持ちなんだろ?俺達通じ合ってるな!」
「ふぇふぇふぇ?」
「なんたって友達だからな!友達とは一緒にいたいよな」
「あ、はい、そうですね!友達ですからね!私達!」
何やら急に慌てている様だが、これで玲の誕生日に贈る物は大体絞れただろう。
まず部屋にあったキャラクター、あのキャラを使って何か作る。しかしあのキャラクターはアクセサリー?にするには少々子供っぽいと思う様な気がするので、それとは別に身に付けられる何かをあげる…ふはは、道筋が決まってきたな!
「さて…玲、もう少しのんびりしたら帰ろうか」
「へ?…はい!そうですね、そうしましょう」
少し散歩し、まったりとした心持ちの中、俺達は家に帰った。




