64話 狂戦士が書いた小説
狂戦士「決めたぜ、俺様は二日以内に売れっ子小説家になる」
剣士「でもお前、小説かいたことあるのか?」
狂戦士「ありよりのなし」
剣士「ないんじゃねえか」
狂戦士「そもそも小説ってどう書きや良いのか分かんねえよ! 誰だよ小説家になりたいとか言ったやつ!」
剣士「お前だよ」
狂戦士「ふっ、分かんなくても書ける。そう、天才の俺様ならな。待っとけ剣士! 明日とびっきりのを書いてきてやる!」
剣士「いや、一日じゃ無理だろ」
狂戦士「で、書いてきたのがこちらです」
剣士「3分クッキングか」
ーー小説
小説「駅のホームに立った二人。モナとペノは別れることになった。それはまるで夏のように暑い、8月のことだ」
剣士「真夏じゃねえか8月は」
小説「モナは私達、もう終りだね。まるでキツツキのように首をふった」
剣士「縦軸で? 首外れるだろあんなに振ったら」
小説「そうだね、とボノノは答えた」
剣士「ボノノって誰なんだよ」
小説「突然、ペロはヒキガエルのように泣き出した」
剣士「ペロも誰だよ」
小説「そのとき風呂が湧いた」
剣士「どっから風呂湧いたんだよ!? 唐突過ぎるだろ!」
小説「二人は、最後に風呂の入ることにした」
剣士「ここ駅じゃねえのかよ! あと二人ってどの二人だ!」
小説「二人はまるでヒキガエルのように入った」
剣士「ゆでガエルじゃねえか!」
小説「風呂に入った二人は、まるで赤色のように赤くなった」
剣士「例え思いつかなかったんなら普通に言えや! そして早く出ろ!」
小説「俺たち、やり直せないか?
風呂が言った」
剣士「何で風呂が喋るんだよ!」
小説「だが、互いに進む道が違う。転売ヤーになるモナ、情報商材を扱うペロ」
剣士「同類じゃねえか!」
小説「そして医師を志す風呂」
剣士「何で風呂が一番まともなんだよ」
小説「しかし、無常にも、まるで電車が到着するように、電車が到着する音がする」
剣士「なんかこの文章残像が見えるんだが! どうなってるんだ!」
小説「二人は別れを惜しみながら、電車に乗り込む」
剣士「別れてねえじゃねえかその文章だと二人とも乗り込んでるぞ! 主語をしっかりしろ!」
小説「ペロはモナを恋しく思って泣いた」
剣士「いやお前の相方同じ車両におるぞ!」
小説「そして風呂はパチプロになった」
剣士「道踏み外しとる!!」
おわり




