35話 剣士と狂戦士と侍の道場にて
剣士
「さて、今日も道場に行くか」
狂戦士
「俺も行くぜヒャッハー! 潮干狩りの時間じゃあ!!」
剣士
「違うよ?」
ーー道場は砂浜になっていた。
剣士
「何があったの?!」
侍
「分からない。今日来たらこうなっていて……」
剣士
「こうなった事は仕方ないから潮干狩りをしよう」
侍
「順応早すぎないか!?」
剣士
「いいかい? 起こったことは変えられない。でも今いる場所で咲くことは出来るよ」
侍
「何だその自己啓発本に影響された人みたいな思考回路は!」
狂戦士
「おっしゃあアサリ取りまくるぜ!!」
ーー狂戦士が掘った穴から闇魔道士が出てきた!
侍
「何やってるんだ……?」
闇魔道士
「ククク……我は冥府の獣。故に砂風呂を浴びていた」・
侍
「いやヤクザにやられた勢いで埋まってたぞ?!」
狂戦士
「ヒャッハー! アサリだあ!」
侍
「いやどう見ても人だろ!」
狂戦士
「いやアサリだろ」
剣士
「アサリだよな」
闇魔道士
「ククク……我はアサリだ」
侍
「多数決でアサリ!!」
狂戦士
「他にも何か埋まってねえか探すぜ!」
侍
「おい、あまり道場を掘るんじゃ……」
ーー闇魔道士が出てきた!
侍
「あれ!? さっき出て来なかったか、この人!?」
闇魔道士
「ククク……我はアサリだ」
侍
「何その確固たるアイデンティティ」
剣士
「潮干狩りも飽きたし、そろそろ釣りでもするか」
侍
「いや何を言って……」
ーー剣士が扉を開けると大海原が広がっていた!
侍
「もうやだ怖い」
剣士
「餌は狂戦士で良いな」
狂戦士
「そうだな」
侍
「同意の元エサになる男!!」
剣士
「おっ! 引いてるぞ! フィーッシュ!!」
ーー海に生息するおっさんが釣れた!
侍
「何だこの汚い組み合わせは!!」
おっさん
「はあ、はあ、死ぬかと思った……」
侍
「ただの溺れてた人!!」
剣士
「同じのがあと三匹くらいほしいな」
侍
「いや一匹もいらないんだが!!」
剣士
「お、また掛かったぞ! ティーッシュ!!」
侍
「最早何の掛け声なんだ!!」
ーー闇魔道士が釣れた!
侍
「分裂してるのかこいつは!!」
闇魔道士
「ククク……我はアサリではない」
侍
「分かっとるわ!!」
剣士
「いやお前はアサリだろ」
狂戦士
「アサリだな」
闇魔道士
「そうだ、我はアサリだ」
侍
「多数決でアサリ!!!」
おわり




