32話 狂戦士は人気者になりたい
狂戦士「自慢じゃねえが俺は人気がねえ」
剣士「何で誇らしげなんだよ」
狂戦士「どうすりゃ人気者になれるんだオラァ！ どいつもこいつも俺様を異常者を見るような目で見やがって！」
剣士「めちゃくちゃ妥当な評価されてるんよ」
狂戦士「よし決めた！ 今日から俺様は可愛いキャラで人気者になるぜ！」
剣士「かわいいキャラって？」
狂戦士「今流行のハムスター男子で行くぜ！ ヘケッ！ ヘケケケケケケケケ！！」
剣士「いや不気味一辺倒じゃねえか！ まさしく異常者だよ！」
狂戦士「僕は狂戦士！ ヒマワリの種が大好き！ いつでも毛穴からヒマワリの種が出せるよ！」
剣士「びっくり人間もびっくりだよ！」
狂戦士「いつもは民家の軒下にいてみんなを監視、あ、いや見守っているんだ！」
剣士「怖えよ！ もうそういう妖怪じゃねえか！」
狂戦士「うーん、可愛い路線は俺様の性に会わねえみてえだ」
剣士「いやむしろクリーチャー要素しか無かったから違和感があんまり無かったよ」
狂戦士「じゃあ次は萌えキャラ路線でいくぜ！ かわいい美少女になりきってオタク共を撲殺してやらあ！」
剣士「悩殺だろ。何で殴り殺すんだよ」
狂戦士「ヘケケ！ 私の名前は狂戦士！ ヘケケケケケケケケケケケケケ！！」
剣士「一緒じゃねえか！」
狂戦士「ヘケケ！ 私、ヒマワリの種が大好き！ 全ての歯を引っこ抜いて、代わりにひまわりの種を植えてるの！」
剣士「さっきよりやべえヤツになってる！！」
狂戦士「会う人の歯も全部ひまわりの種に変えてきたわ！」
剣士「いや死ぬほどタチの悪い化け物じゃねえか！！」
狂戦士「剣士！ 早く起きて！ 学校に遅刻するわよ！」
剣士「俺こいつと同じ学校に行ってる設定なの！？」
狂戦士「んもう、せっかく味噌汁作ったのに冷めちゃうじゃない！ あ、具はひまわりの種よ」
剣士「それお前の歯茎に刺さってた奴だろ！！」
狂戦士「早く起きないと鼻から味噌汁流し込むわよ」
剣士「拷問か！！」
狂戦士「さーて、今日は学校で誰を食べようかな。ヘケケッ」
剣士「おい誰かこいつを殺してくれえ！！！！」
狂戦士「ねえ剣士」（もじもじし始める）
剣士「やめろムカデがうごめいてるようにしか見えん」
狂戦士「学校に行く前に渡したい物があるの。私の、大切な物」
剣士「大切な物？」
狂戦士「はい、抜いた歯の詰め合わせ」
剣士「いらねえよ！！！」
おわり
