[設定集] 「堺県おとめ戦記譚~特命遊撃士チサト~」 専門用語 敵対勢力編
蟻怪人
鳳東町を始めとする堺県堺市に現れた、蟻の特徴を持つ人間型の怪生物。
悪の秘密結社が雑兵用に開発した生体兵器で、組織の本体が人類防衛機構によって滅ぼされたのも知らずに破棄された基地の中で眠りについていたが、何かの拍子で覚醒したと思われる。
その特性は蟻に酷似しており、触覚の長い女王蟻によって支配されている。
この女王蟻を殺されると指揮系統が乱れて烏合の衆になる。
怨霊武者
太閤秀吉の末裔を自称する霊能力者である豊臣秀一によって蘇生された、豊臣方の武将や足軽達の総称。
浄化の霊的能力を浴びせない限りは倒しても何度でも再生するが、九字を切ったり祝詞を詠唱する等の浄化の霊的能力を伴った攻撃を加えれば、塵となって消滅する。
百舌鳥・古市古墳群の霊的地脈で霊能力者の祝詞を増幅させる事で発生した、破邪と浄化の力を帯びたエネルギー波の直撃を受けて、その多くが消滅し、残った者も再生能力が失われて弱体化した。
足軽のような常人は、怨念の力だけで動く操り人形として再生されるが、武将や剣豪といった精神力の強い者達は、生前の人格を保った状態で蘇生する。
怨霊武者の多くは「大坂の陣」の豊臣軍や「関ヶ原の合戦」の西軍についていた武将や侍なので、秀吉の子孫を自称する豊臣秀一に恭順の意を示している。
だが宮本武蔵のように、前世における死に相応の納得がついていて、尚且つ強靭な精神力を保つ者は、その限りではない。
前世での死亡当時の年齢ではなく、全盛時の状態で蘇生されるので、宮本武蔵も巌流島で佐々木小次郎と戦った30手前の壮漢の姿で復活した。
【主な登場エピソード】 外伝編Part3「淡路かおる剣客帖」
黒主崇教
明治時代に暗躍していた邪教集団。
構成員は黒魔術を会得しており、生身の人間とは思えない程の力と俊敏さを備えている。
仏教講演のために来日していた神智学者を呪殺して日本の宗教界に揺さぶりをかけ、それに乗じて台頭しようと目論んでいたが、京洛牙城衆によって滅ぼされる。
珪素獣
修文3年(1970年)10月、ソ連軍の軍事実験の失敗で異次元との回線が開き、地球に侵攻してきた敵性生命体。
人類を含む炭素生物を生命体とは認識しておらず、意思疎通は不可能。
外見は地球上の甲殻類に酷似している。
当時の国連加盟国家と国連軍に大打撃を与えるが、特殊能力サイフォースを発現させた少女兵士達により迎撃される。
やがて、サイフォース研究と生体強化ナノマシン開発の最先端だった大日本帝国陸軍女子特務戦隊を母体にして、国際的軍事組織・人類解放戦線が結成され、一大反攻作戦が展開。
珪素獣は地球上から根絶された。
ゴリラ獣人
非合法活動団体「天弓武装戦線」の構成員が、禁止薬物入りのラムネ菓子やその粉塵を摂取する事で変身した怪人。
工場の機械を粉砕する程の怪力を誇るが、唸り声をあげるばかりで意味を成す言葉を話せないらしく、怪力と引き換えに知能は低下する模様。
そのため、変身というよりは猿人への退化と形容した方が適切との見解もある。
別名は猿人。
紅露共栄軍
人類解放戦線の庇護で再建された国家である帝政ロマノフ・ロシアや中華王朝、そして人類解放戦線自体を攻撃対象として破壊活動を行っていたテロ組織。
珪素戦争初期に壊滅した共産主義勢力の残党が母体となっているが、人類解放戦線による秩序を否定する組織が、各々の主義主張の垣根を越えて結集した。
修文17年(1984年)12月12日、中華王朝黒竜江省ジャムス市で敢行した無差別テロ事件「ジャムス事変」で、国際社会に悪名を轟かせる。
この紅露共栄軍と人類解放戦線の間で行われた戦争行為は、アムール川流域を主戦場としたため「アムール戦争」と呼ばれている。
アムール戦争末期の「ハルビン市の戦い」で全滅した。
サイバー恐竜
バイオテクノロジーによって甦らせた恐竜に、ナノマシンによる生体改造やサイボーグ手術を施した生体兵器。
火炎放射機や分子振動波などの超兵器が体内に装備されている。
西日本学園大学生物学部の元教授である大野総一郎博士によって開発された。
【主な登場エピソード】 第5話「サイバー恐竜は大和川に散る!」
シリコン・ビースト
珪素獣の別称。
深紅の革命軍
元化15年に壊滅した武装テロ組織。
堺県河内長野市の滝畑ダムに毒物を混入するバイオテロを企てたが、人類防衛機構極東支部近畿ブロック堺県第2支局の特命遊撃士に阻止される。
鉄十字機甲軍
ドイツで勃興し、サイボーグ兵士と殺人兵器による連続テロ行為でヨーロッパ全土を震撼させてきた、危険な極右派民族主義団体。
母体は、第二次大戦時のナチスとファシスト党の残党。
自分達を、紀元前に繁栄を極めたアトランティス文明の末裔である「アトランティス・ゲルマン人」と称し、「優性種族であるアトランティス・ゲルマンによって、地上は正しく統治されるべきである。」と吹聴していた。
人類防衛機構ヨーロッパ支部の精鋭部隊である「レッドベレー隊」によって滅ぼされる。
天弓武装戦線
かつて国内外を無差別テロで震撼させた非合法団体。
人類防衛機構を始めとする公安組織との戦闘や組織内部で吹き荒れた粛清の嵐により、構成員の多くが凄惨な末路を辿ったために、元化12年10月時点では事実上の休眠状態にあった。
ところが摘発や組織内の粛清を免れた急進派の残党が生き延び、堺県内の駄菓子メーカーである彩虹ラムネ株式会社と結託して活動を続けていた。
獣化作用を有した禁止薬物の混入されたラムネ菓子を青少年にばら撒いて中毒患者に仕立て上げ、薬物と引き換えに服従させるという手段で新たな構成員の確保に勤しんでいた。
特命遊撃士の加森千姫子中佐率いる対テロ部隊によって殲滅される。
【主な登場エピソード】 N8755HX「刃で切り開く希望を信じよ!女性士官達が臨んだ対テロ作戦」
チュパカブラ
家畜や人間の血液を好む吸血怪物。
別名「吸血チュパカブラ」
長い間UMAとされていたが、近年その実在が確認された。
南米大陸に広く分布し、危険生物として警戒されている。
強靭な脚力と鋭利な爪と牙を武器とする。
メキシコでコンテナ貨物船に紛れ込み、船員を殺して海上から逃走。
堺県の大浜付近に上陸し、工員などを殺害した後、堺少女歌劇団(大浜歌劇団)が「歌劇・吸血鬼ドラキュラ」を上演中だった大浜大劇場に乱入。
ヒロインのミナ・セワードを演じていた白鷺ヒナノを殺そうとするが、特命遊撃士の和歌浦マリナ少佐に倒される。
【主な登場エピソード】 第1話「大浜大劇場の死闘!倒せ、吸血チュパカブラ!」
ティクバラン
フィリピン産の馬頭怪人。
人間の女性を好んで襲うという危険な習性から、生息圏であるフィリピンでも悪名が高い。
筋骨隆々で屈強な人間の身体に牡馬の頭部を持ち、人間と同じ直立二足歩行の両足には蹄がついている。
フィリピンの伝説では、「ティクバランは自分のテリトリーである山や森林に入った人間を魔術で遭難させ、時には発狂させる。」と恐れられていた。
現在この伝説は動物学者の科学的調査により、「脳内神経細胞間で発生する特殊な電気信号が、周囲の知的生命体の方向感覚に変調を来すため。」と解明されている。
ティクバランの放つ電気信号は、時としては周囲の電子機器にまで変調をきたしてしまう。
【主な登場エピソード】 第8話「元化24年度 御子柴中学校卒業式」
不平士族
明治維新に伴う武士階級の特権剥奪によって零落した士族。
黙示協議会アポカリプス
ヘブンズ・ゲイト最高議長を首魁とする、カルト宗教団体。
バイオテクノロジーを駆使した生物兵器である「審判獣」を使役して、世界征服を企てていた。
日本国内でテロ行為を働いていたが、元化22年に人類防衛機構極東支部近畿ブロックの行った、教団本部への総攻撃で壊滅する。
モスマン
アメリカ産の大型猛禽類。
別名「肉食モスマン」。
通常の鳥類と同様に卵で繁殖し、背中に備えた二メートル強の翼で空を飛ぶ。
肉食性で、成体ならば子牛1頭も完食する。




