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[設定集] 士族階級の特権と義務

明治維新に伴い、かつて武士階級に属していた人々には新たに士族という階級が与えられた。

明治四年に公布された散髪脱刀令により、それまで義務付けられていた帯刀は本人の自由意志に任されている。

かつての元服制度の慣習に倣い、満十五歳の誕生日を迎える事で正式な二本差しが許されるが、十五歳未満でも躾刀の名目で脇差し等を帯刀する事は認められている。

ただし人類防衛機構へ入隊した女子は部分的成人擬制の対象となるので、十五歳未満でも二本差しが認められる。

史実のような廃刀令が公布されなかったのは、「武士階級の誇りにしてアイデンティティである帯刀を許可する事により、西南戦争のような士族の大規模反乱を防ぐため」という維新政府の政治的判断がなされたからである。

ただし、高い殺傷能力を有する日本刀の抜刀には様々な規制が掛けられており、試合や緊急避難を始めとする正当な理由も無しに抜刀して場合は厳しく罰せられる。

特に深刻な物的・人的被害をもたらした者は、刑事罰や民事訴訟は勿論の事、士族階級の剥奪も科せられる。

こうした法的な煩わしさや、常時一キロ前後の重量が腰にかかるという肉体的な負担、そして治安の向上に伴う護身の必要性の低下といった理由から、敢えて丸腰で外出する若い士族も少なくない。

一方、そんな「若者の帯刀離れ」とでも言うべき風潮に危機感を抱き、帯刀文化を守ろうとする保守派士族の動きも活発である。


家禄を始めとする金銭的特権は廃止されているので、企業や官公庁に勤務したり起業して生計を立てているが、武士の誇りを重んじた末に武道家や文化人として大成した者も多い。

警察や自衛隊といった公安職に志願する者も多く、鍛えたられた心身や剣術の腕前は高く評価されている。

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