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91 人生は七転び八起き


 メル爺とセインを見送った後、兄と共に後宮へと戻った。

 これまで一度も使用したことのなかった居間と思わしき部屋に通されて、少し待っただけで陛下が姿を現した。先日玉座にいた時は式典仕様の正式な格好をしていたけれど、今日は相変わらずのラフな出で立ちをしている。近衛すら人払いされている室内は陛下と兄と私しかいないので、傍から見れば寛いだ家族団欒に映ったかもしれない。

 けれど私にとっては居心地はよくない。重圧が全身に圧し掛かってくるかのよう。

 これまで後回しにしていた自分の身の振り方が、ようやく告げられる。

 心音が外まで聞こえてるんじゃないかと不安になるほど強く鳴り響いていた。ここまで来て断罪されるとは思っていないけど、緊張はする。

 向かいのソファーに座った陛下にその緊張が伝わっているのか、挨拶もそこそこに焦らされることもなく本題に入った。


「一番手っ取り早くて丸く収まるのは、おまえがシークヴァルドと婚姻することだ」


 けれど簡潔に言われた内容が一瞬理解できなくて、数秒固まった。

 ある程度はどんな処遇が待っていようとも、覚悟はしているつもりだった。

 でも、私が? 兄と?


(婚姻!?)


 驚愕に身を瞠り、言葉も忘れて盛大に絶句した。


(ちょ、ちょっと待って)


 動揺のあまり、思わず脳内で待ったをかけてしまう。


(こんなの想定外過ぎる!)


 陛下は先日、私の然るべき嫁ぎ先は決まっていると言っていた。だから都合のいいところに嫁ぐことになるんだろうことは私だってわかっていた。

 でも、その相手が兄だとはまったく欠片も想定していない。

 大方、コーンウェル公爵家辺りじゃないかと思っていた。むしろ、そこだとしか思っていなかった。

 先代の至宝の家であり、公爵家とはいえ内政に深く関わる家でもなく、特に害もない。長男と次男は結婚しているけどニコラスはまだ独身で、兄の成人前から近衛を務めているということは、私の嫁ぎ先として確定していたからこそだと周りに思われてもおかしくはなかった。年齢は10歳離れているけど、これぐらいは妥当なところ。

 ニコラスは貧乏くじを引くことになるけど、彼にメリットがないわけじゃない。

 私と婚姻するとなれば爵位も用意されるだろうし、持参金は口止め料と迷惑料込みで充分に用意されるはず。それにニコラスなら私に不満があっても上手に息抜きするタイプだろうから、それなりにうまくやっていけると思う。

 ……とまで考えていたというのに!?

 予想が根底から覆されて頭の中が真っ白になる。でも、黙っている場合じゃなかった。


「兄様と私は、兄妹なのですが」


 絶句しつつも、我に返ってなんとか反論を試みた。

 あえて言うまでもなく当たり前のことを言ったせいか、陛下の顔に呆れが滲む。


「異母であれば、兄妹間の婚姻は認められている」


 知らないのか、と言いたげな声だった。

 言われるまでもなく、私だってそれは知っていた。……そう、知っていたのだ。

 かつてこの国は一夫多妻制で、血を貴ぶ傾向にあるから近親婚はむしろ推奨されていた。でも数代前に一夫一婦制になったことで異母間の婚姻は自動的に消えていくと思われて、改正されずに残っていたのか。それとも他家に財産が流れることを恐れて庶子と婚姻させる家は今もあったはずだから、抜け道としてあえて残したのかもしれない。

 でも以前の記憶がある私の中では近親相姦は禁忌として捉えていたので、この可能性は全然考えていなかった。

 否、思い返してみれば無意識に考えないようにしていた。

 告げられた言葉が先程以上に重さを増して、胸を押し潰すかのようで呼吸がし辛い。


(兄様と夫婦になる?)


 ぎぎぎぎ、と音がしそうな動作で首を回して隣に座る兄を恐る恐る見やった。

 視界の先の兄は驚いた様子もない。けれど歓迎している風でもない。かといって嫌がっているわけでもなかった。

 というか、いつも通り過ぎてどう思っているのか胸の内がさっぱり読めない。

 でも当事者となる兄に対し、話が通されていなかったとは思えない。事前にこういう話になることは知っていたはず。

 私と婚姻することで、兄にもメリットはある。

 私の特異性に加えて血筋を重視する面々からしてみれば、諸手を上げて歓迎されるだろう。兄の立たされてきた微妙な足場は、これで確固としたものになる。

 思えば陛下があの場でああ言ったのも、周囲にそうと匂わせる為だったのかもしれない。あれ以上深く糾弾されなかったのも、私が兄に嫁ぐことを想定して何も言えなくなっただけに思えてきた。

 それと、ランス領から戻ってくる際にドレスを用意した兄が言っていた言葉。兄が許嫁を連れて帰ってきたと周りが勘違いして都合がいい、というようなことを言っていた覚えがある。

 あの時はよくわかっていなかったけど、つまりあの時点で既にそういうつもりだった?


(でも兄様は、そういう意味で私を好きなわけじゃない)


 愛してくれていることはわかっている。


(だけど、恋じゃない)


 それはこれまでの兄の態度からも明らか。

 そして私が兄に抱く感情も、恋愛にはなりえない。兄は肉親の中で、ちゃんと私の家族だと胸を張って言える人。

 だけどここに生まれた以上、婚姻は恋愛感情に重きを置けるものではないことはお互いに百も承知。

 承知しているけど、頷けないだけの理由が私にはある。


(兄様だけは、絶対に駄目)


 じわり、と嫌な汗が背筋に滲んだ。動揺に耐え切れない心臓がドクンドクンと胸を強く打ちならしている。無意識に力の入った指先が掌に爪を食い込んだ。


「兄様は、どう考えておいでなのですか」


 無駄かもしれないと思いつつも、僅かな期待をもって隣に座る兄に投げかけた。

 私を引き受けるなんて御免だと言ってほしい。陛下だって最初の伴侶は好きな人を選んだのだから、兄にだってその権利はあると主張してほしい。

 そう願って食い入るように見据える私を見て、兄は私を気遣う眼差しを向けた。


「私はアルフェの意志を尊重する」


 言われた言葉に、声を失った。

 ここでそう言われてしまったら、私は拒否出来ない。

 元々、この国では親の決めたことは絶対。ましてや相手は王。私の立場では打診されているように見えても、これは決定事項に他ならない。


「…………少し、考える時間を、いただきたいです」


 だからこそ、そうとわかっていながらそれだけ絞り出した私はかなり足掻いたと言える。

 強く握りしめた拳が震えそう。陛下から注がれる眼差しを確認するのが怖くて、自然と顔が俯いてしまう。

 別に「兄を男として見られないから」などという精神的なことが理由じゃない。さすがの私も、そこまで甘ったれてはいない。

 だけど今ここで素直に頷けない理由を口にするには、まだ自分の気持ちに整理がついていなかった。

 ぎゅっと唇を引き結んでいる私に、溜息混じりに「わかった」と告げる声が届いた。

 そのたった一言に、一気に体から力が抜ける。

 忙しい陛下は話はそれで仕舞いだとばかりにあっさりと立ち上がり、私と兄もつられて立ち上がった。見送ってから、私も早々に兄に退席する旨を告げて扉を抜ける。顔から血の気が引いて強張ってしまっていたせいか、兄も引き留めることなく頷く。

 それに安堵したのも束の間。

 扉を抜けた先に、当然ながら護衛として控えていた姿を見つけて固まった。


(クライブ)


 謁見の間で母と対面した時、庇ってくれたことが脳裏を過る。

 あのときのことは、後で一応は御礼も言っている。

 擦れた声で『助けてくれて、ありがとう』と告げた私に、クライブは『お礼を言われることではありません』とひどく苦渋に満ちた顔で言った。


『もっとはやく、助けに入るべきでした……っ』


 それは本来の私の護衛であるラッセルにも言える。けどあの場合、王妃である母を事が起こる前に取り押さえるなんて不可能。不敬罪で処罰されてしまう。普通は怯んで手が出せないところを、クライブは十分早く動いてくれた方だ。

 あのとき、見捨てられなかったことにどれだけ救われたかわからない。

 でもクライブの表情は私以上に傷ついているように見えて、こちらが困惑してしまった。


(……ああいう顔をされると、変に期待してしまう)


 思い出すと、胸がジクリと膿んでいるかのような痛みを訴えた。


(私は期待できる立場でも、ないけど)


 だから今はもう、ここで話せることはない。

 そう自分に言い訳して、心配そうに窺う緑の目から咄嗟に顔を俯かせて逃げてしまった。

 その勢いのままに兄に一礼すると、控えていたラッセルを促して踵を返す。

 出来ればいますぐ自室まで全速力で駆けていきたかった。今にも叫んで発散したい衝動を必死に堪え、自室までの廊下を無言で歩く。

 とにかく今は混乱する頭の中を整理しなくてはならない。


(私が兄様と婚姻することだけは、出来ない)


 これは確定事項。

 前の生では、三親等間の婚姻は禁じられていた。近親婚を繰り返していた時代もあったけど、私がいた時代はいとこ同士まで離れないと結婚は出来なかった。そして禁忌とされる以上は、そうせざるを得ない理由があったと考えるべきだ。

 近親婚を繰り返すと、遺伝子異常を起こしやすい。

 道徳的問題もあるだろうけど、最たる理由がそれだと思う。

 特に今の私の場合、相当血が濃いと言える。両親が従兄妹同士。更に言えばエインズワース公爵家は元々血を薄めないように、血に近い者同士で婚姻してきている。

 その状態で異母とはいえ兄と婚姻するとなれば、生まれてくる子が障害を負う確率は必然的に高くなる。そうなった場合に苦労するのは私ではなく、生まれてきた子である。


(でも近親婚を推奨してきた国でそれを言ったとして、信じてもらえる?)


 婚姻したくないから嘘を言っている、とまでは陛下も兄も思わないだろう。でも常識をひっくり返すのは容易じゃない。


(それに、私は――)


 そこまで考えたところで、ようやく自室の扉が見えた。

 戻ってきた私に気づいて、衛兵が扉を開けてくれる。部屋に入れば、侍女のノーラが気遣わしげに微笑んで迎えてくれた。


「おかえりなさいませ。温かいお茶をお淹れしましょうか?」


 よほど私の顔色は悪く見えたらしい。

 気遣う声は耳に優しかった。ラッセルとよく似た色彩と雰囲気の彼女は、まだ数日なのにここの空気に溶け込むかのようで違和感もない。

 でも、そこにいたのがメリッサではないことに落胆してしまった自分がいた。


(そっか……もう、メリッサはいないんだった)


 気を抜きかけた体に反射的に力が入る。同時に無性に疲労感が湧いてきた。

 これまでも、なんでもかんでもメリッサに話してきたわけじゃない。どころか、極力何も言わずにやってきた。言ったところで困らせるだけだと思ったし、心配させたくもなかったから。

 けれどメリッサの姿が見えないだけで、こんなに不安になるなんて。

 傍にいれば、守らなければと自分を奮い立たせることが出来た。守っているつもりで、守ってもらってもいたのだ。

 メリッサはいつも何も言わずとも私の気分を察して、何も聞かないけどそっと心に寄り添ってくれた。お気に入りのお茶を淹れ、心安らぐ香を焚き、私を心配している素振りを見せないことも気遣いだったのだと今ならわかる。


(甘やかされてたんだな)


 だけど今、ここに頼れる乳姉妹はいない。


「いいえ。少し休みます」


 一人になりたくてそう告げてから、寝室へと移動した。

 ここから先は誰にも入らないように言ってあるので、やっと完全に一人になれる。

 扉を閉めて、まだ昼間なので窓からは燦燦と日差しが差し込んでいるけど、顔面からベッドに倒れ込んだ。ばふん、と音がして体を支えるベッドが軋む。


(そもそも、私に産むことが出来れば、の話だけど)


 一番の問題は、ここにある。

 これが、私の頷けない理由。

 たぶん既に近親婚による害は出ていて、そのせいか私は子宮が弱い。

 毎回、起き上がれないほどの生理痛に苛まされるのは異常があると考えた方がいい。以前の私も生理は重い方だったけど、ここまでではなかった。それでもたまに婦人科に掛かっていたし、妊娠しにくい体だと言われたこともあった。

 今はそれ以上の重さとなれば、推して知るべし。

 初潮を迎えて間もない頃は、落ち着くまではこんなものかと思っていた。日々ストレスに晒されればホルモンバランスは崩れて当然。とはいえ、それにしても重い。不規則だし、ひどい時は熱も出る。

 メリッサも私の状態が重いことを心配していたから、これが普通と言い張るには無理があった。


(でも女として機能的に心配があります、なんて……言い辛い)


 ぎゅっと唇を噛み締める。

 貴族の娘の利用価値なんて、それだけ。

 特に王妃ともなれば、何をおいても求められるのは子を産むこと、その一点。

 そうでなくとも周りからのプレッシャーで子が出来ない、というのもよくある話。ただでさえ男だと疑われた私が、なかなか子が出来なかったら疑いが再燃しかねない。

 いざとなれば脱いでもいいけど、女だとわかったところで結果が出せなければ意味もない。

 けれどさっきの場で、自分の口からこれを言える?

 自分でも、認めたくない気持ちはまだある。ストレスがなくなったら改善するかも、成長すれば治っていくかも、という期待がないわけでもない。

 でも確約も出来ない。

 私が兄との婚姻の可能性を無意識に排除していたのは、そういう思考が脳裏の片隅にこびりついていたから。ニコラスがいいと思ってしまっていたのは、惹かれているわけでは全くない。ただ、公爵家の三男だったから。子が生まれなくても困らない立場だから。

 そういう逃げ場を、勝手に自分に用意していた。

 これがたとえば一夫多妻制で、兄の妻の一人になるのだったらまだ問題はなかった。私も承諾していたと思う。

 でも一人しか妻を娶れない立場で、兄が私を妃に据えるのはデメリットの方が大きい。


(それに、兄様も誰かに恋をする日が来るかも)


 ふと、脳裏にゲームの画面が過った。

 画面の向こうでは、兄は兄の顔ではなくちゃんと男の顔をしていた。二次元のスチルだけど。


(現実問題として、ヒロインが王妃になるのはかなり難しいと思うけど)


 自分の生死に係わるから必死に思い出した限りでは、あれは王道のシンデレラストーリー。

 平民育ちのヒロインが、実は貴族令嬢でした、と迎えられるところから始まる。

 あまり覚えてないけど母親が貴族令嬢で駆け落ちした相手との子か、もしくは当主に御手付きされた侍女との庶子あたりだと思う。

 そんな立場の少女が王妃を目指すとなるとなれば、困難しかない。


(兄様ならちゃんと守ってくれるだろうから、大丈夫かな)


 兄が彼女を好きになって、彼女も兄を支えていく強い意志があるなら、私も全力で応援する気でいる。

 ここから逃げられないのは兄も同じ。私よりもずっとその道のりは厳しい。

 ならばせめて添い遂げる相手ぐらい、心から愛した人がいいでしょう?

 でももし兄がその人の手を取りたくなった時に、私が許嫁として存在していたら……


(このままでは私が悪役令嬢になってしまう!?)


 あのゲーム、悪役令嬢はいなかったけど。そんな役目、絶対やりたくないのだけど。

 兄には愛する人と幸せになってほしいとしか願ってませんけど!


「どう考えても、私が邪魔……っ」


 思わず口に出して呻いた。

 これはマズイ。ゲームの修正力やら強制力やらが発生するとしたら、どう足掻いてもこの世界は私を殺しにかかっているとしか思えない。冗談じゃない。

 ベッドに突っ伏していた体を転がして、仰向けになった。大きく息を吸って、吐き出す。

 それだけで煮詰まっていた頭が少しだけすっきりする。


(乙女ゲームはともかくとして。この先、兄様に好きな人が出来たとして)


 邪魔はしたくない。

 ただでさえ私に人生を邪魔されてきたのに、この後も私の面倒を見なければならないなんて不憫にも程がある。

 それにもしかしたら兄は恋愛というものに疎くて、私でもいいか、という気になっているだけな気がしなくもない。元々兄の中で私は家族であり、それが継続するだけだと考えていそう。

 でもそういう考えで人生の伴侶を決めると、きっと後悔する日が来る。

 簡単にやり直せる立場じゃないのだから、私なんかで妥協すべきじゃない。

 

(やっぱり私は死んでおくべきだったのかも)


 いや、本当に死にたいわけじゃない。死んだことにしておくべきだった、と思うだけ。

 陛下も兄も、その手を考えなかったわけではないと思う。その方がずっと簡単だった。

 でも私が皇女として残れる立場を勝ち取らなければ、私の周りはきっと助けられなかった。これが陛下と兄の恩情なこともわかってる。


(……でももう、私が守るべき人はここにはない)


 メル爺も、メリッサも、乳母も、セインも。

 ラッセルは残ってくれているけど、ここまで来れば私に何かあったとしても、彼らにまで害が及ぶことはない。

 欲しかったものは、手に入れた。

 そう考えると、疲労感が一気に押し寄せてきた。なんかもう、正直に言って、ひどく疲れた。ここに生まれて14年間、かなり頑張ってきたと思う。


「もういいかな」


 ぽつりと呟いた。

 馬鹿なことを考えている。馬鹿な真似をしでかそうと考えている。でも私がここにいたら、兄のこの先の人生の邪魔にしかならない。

 なら、もういいかな。

 こんなに守ってもらってきたのに申し訳ないと思うし、台無しだというのもわかっている。頭の隅で、「馬鹿なの!?」と叫んでいる自分もいる。

 心の底から、自分を馬鹿だと思う。

 でも、走り続けることに疲れた。兄にこれ以上迷惑を掛ける自分も許せない。ここにいるだけで募る罪悪感が胸を刺す。

 だけどやっぱり死にたくない。一度目がどうしようもなくやるせない終わり方だったから、今度こそ天寿を全うしたい。

 だから、兄に迷惑を掛けることなく、私も死なない方法を取りたいと思う。


(失踪しよう)


 そうだ、失踪しよう。

 私のことは死んだことにでもしてくれればいい。

 あんなことがあった後ならば、弱い私が耐え切れずに世を儚んだと世間は思いそう。

 たぶんメリッサもメル爺もセインもいなくなり、私の中の張りつめていた糸が完全に切れてしまっていた。

 こんなやけくそじみた馬鹿なことを真剣に考える時点で、私のストレスは臨界点を突破して鬱から転じて、躁になっていたといってもいい。無責任な逃避だと、自分を責める声も心に響かない。

 失踪すると決めたらなぜか湧いてきた謎なやる気に背を押されるまま、勢いよく体を起こした。



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