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真夏の夜の夢の後

活動報告より♪


昨年の舞台(通称・誰ステ)に関連して。

舞台を見に行ったヴィオラとサーシスについて語る、ロータス♪

 今宵は旦那様と奥様が二人連れ立って劇を観に出かけられました。旦那様が招待状をいただいてきたからです。


「オペラ宮で観劇ですか〜。一度は行ってみたいものですねぇ」


 カルタムがナイフを研ぎながらため息をつきました。

 久しぶりにゆっくりした時間ができたので、カルタムと雑談しながら使用人用ダイニングで休憩しています。

「ロータスさんは行ったことあります?」

「若い頃に。最近は忙しかったからそれどころでは」

「ですよね」

 私が遠い目をすると、カルタムが苦笑いになりました。

「ところで、今は何が上演されているのですかね?」

「タイトルは『侯爵様と子爵令嬢』。確か、事実に元づいた話だとか。とある国の侯爵様とその奥様の結婚の顛末だと聞いてますね」

「へぇ!」


 噂で聞いた劇の内容は、愛人持ちの侯爵が貧乏子爵家の令嬢と契約結婚をする。健気で可愛らしい子爵令嬢に惹かれていった侯爵は、やがて愛人とすっぱり別れて子爵令嬢とハッピーエンドになる、ということでした。


 ……おや。


「「………………」」


 劇の内容を説明した後、私とカルタムは同じように黙り込んでしまいました。


 ……それ、完全にうちの旦那様と奥様のことですよね。


「……どこで取材したんでしょうかね?」

「おおかた、アルゲンテア家のセロシア様あたりではないでしょうか」

 確か旦那様は彼の方から招待状をいただいていたはず。それにセロシア様ならば旦那様からの制裁など痛くもかゆくもない。

「奥様、一体どんな顔して帰ってこられるんでしょうねえ」

「ほんとに」

 カルタムと二人、帰ってきたときの奥様の顔を想像してクスリと笑っていると、

「そろそろ旦那様たちがお戻りになられる時間ですよ」

 ダリアが呼びにきました。

「では、奥様がどんな顔して帰ってくるのか見てきましょうか」

「ええ! 後で報告待ってますよ」

 厨房にカップを片付け、カルタムに見送られて、私はダイニングを後にしました。



「今戻った」

「ただいまぁ!」


 お出迎えに行くと、いつもよりご機嫌な奥様と、苦笑いの旦那様。おや、どうかしたのですかね?

「お帰りなさいませ。歌劇は楽しゅうございましたか?」

「とっても面白かったですよ! ……いたたまれない感ハンパなかったけど」

 はじめは満面の笑みだった奥様がじとんとした目になりました。いや、まあ、そりゃそうでしょう。

「楽しまれたようで、よろしゅうございました」

「だってヒロインの女優さんはとっても可愛いし、旦那様役の俳優さんはとっても素敵な人だったし」

「〝旦那様ぼく〟役って言わないでください!」

 すかさずつっこむ旦那様。おや、やはり気付かれておいででしたか。ご自分たちがモデルだということに。

「え〜だってサーシス様役でしょう。というか、私役の人は私なんか及びもつかない可愛い人でしたけどね……美化しすぎ」

「何を言うんですか。ヴィーの方がずっと可愛いに決まってるでしょう!」

「いやいや、あれは美化しすぎでしたね。サーシス様役の方はいい感じに素敵な方でしたけど」

「……ナニソレ、ヴィーはあっちの方がいいってこと?」

「まさか! あの方も素敵でしたけど、サーシス様に敵いっこありませんよ」

「本当に?」

「本当ですって」


 私たちの目の前で延々繰り広げられるイチャイチャ。


「「「「「…………」」」」」


 いいことですよ、仲良いことは!!

 使用人一同、温かく見守らせていただきましょう。


ありがとうございました(*^ー^*)


実は、誰ステのチケット特典SSの裏話だったりするんです ( *`艸´)

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