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ヴィオラ語りで盛り上がれ!

書籍第三巻発売時リクエストより♪


綺麗どころトリオと公爵家の侍女さんたちが、ヴィオラについて語ります。

『裏状況説明~』61話目の続き? その後?

 ヴィオラから『ヴィオラ・サファイア』をプレゼントされることになったサーシスの部下の綺麗どころトリオ。

 噂のサファイア、ゲットだぜ☆ とウキウキしながら待つこと幾日。「サファイアが届きましたので、スミマセンが公爵家うちまで来ていただけませんか?」というヴィオラからのお呼び出しが来たので、「よろこんでー!!」と仕事帰りにいそいそフィサリス公爵家へとやってきた。




 公爵家にやってきたものの、ヴィオラとサーシスがちょっと接客中だということで、侍女が三人をサロンへと案内した。


「お待たせして大変申し訳ございません。主人たちはすぐ来るということですので、お茶でもお召し上がりになってお待ちくださいませ」

「お気になさらず」


 侍女数名がお菓子を用意したりお茶を淹れたりと、急いでいるはずなのにそうは見せない優雅な身のこなしで動いている合間に、サロンの中には甘い香りやお茶の蒸れるいい匂いが漂ってくる。

 そう待たず、三人の前にお茶とお菓子が用意された。


「今主人たちが会っているお客様というのは、実は宝石商ポミエールのオーナーでございますの。ちょうど先程、騎士様方にお渡しするお飾りができたということで、届けに来てくださったのです」

「「「え? お飾り?」」」


 あらかじめ待たせる理由を話しておけと言われていたのか、侍女が客のことを説明すると、目を丸くした三人。

 サファイアをくれるとは聞いていたけど、お飾りとは聞いてないよ? と、お互いに顔を見合わせていると、


「そうでございます。石だけをお渡しするのはどうかと考えたようで、お仕事の邪魔にならない首飾りに仕立てさせたそうでございます」


 侍女のさらなる説明に、ようやく合点のいった三人。


「それは奥様が?」

「はい。奥様の考えでございます」


 カモミールが侍女に聞けば、ニッコリ頷く侍女。


「すごーい。奥様、ちょー気が利く!」

「しかも仕事に障りないようにって、首飾り!」

「わぁー! もう素敵すぎる!!」

「てゆーか、ヴィオラ・サファイアをくれるってだけでも十分太っ腹なのに、その上?!」

「もう、どうしろと?!」


 ヴィオラの気前の良さに惚れ直す三人は、ここが公爵家でなければ床をゴロゴロしているんじゃないかというくらいに悶えまくっている。


「奥様はほんと、素敵な方ですよねぇ」


 思わずアンゼリカが侍女に同意を求めると、


「そうでございます! 気立ても素晴らしいお方で、公爵家の宝でございます……あ、失礼いたしました」

「いいんですよ~、気にしないでください。私たちも十分存じておりますから!」


 こちらも思わず素で答えてしまった侍女が慌てて繕うが、気にも留めずに笑い飛ばす綺麗どころトリオ。


「ありがとうございます」


 一流の使用人とは言い難い行いをとがめられずホッとしたのもつかの間。


「てゆーか、ちょっとでも奥様を知れば、ファンにならないはずがない」

「そうなんでございますよ! わかっていただけますか!」


 アルカネットの言葉に、反射的に同意してしまった侍女。アッと口を押えたのだけど。


「「「わかりますわかります!」」」


 テーブルに手を突き身を乗り出し、激しく同意する綺麗どころトリオ。

 すると、もはや後はなし崩し。


「顔がかわいいだけじゃなくて、お優しいし、所作や心遣いなんかも素晴らしい」

「センスもいいし」

「あ~なんでしょう、いいところを上げていったらきりがない」


「しかし、陰ではとっても努力されておりますの。健気なのでございます」


「まあ~! そうだったんですか」


「はい。厳しいレッスンにも音を上げずに頑張っておられるんです」


「さすが!」

「私の中の奥様株がまた上がったわ」

「私も~」


 すっかり意気投合してしまい、ヴィオラ萌えを語りまくる綺麗どころトリオと侍女たち。

 ヴィオラ語りで盛り上がっていると、そこに。


「きゃ~!! みなさん何を話してるんですかぁ!!」


 ワタワタとサロンに入ってきたヴィオラが、真っ赤になって止めに入った。

 宝石商オーナーとの会談を終えサファイアの首飾りを持ってきたところが、自分の話で盛り上がっている綺麗どころトリオと侍女たちで。思わず割って入ったヴィオラ。

 サーシスはかわいいヴィオラの姿に脂下がっているので問題ないのだが、その後ろに真顔のロータスの姿を見つけて『やっちまった』と首をすくめる侍女たち。いそいそと壁際に撤退する。

 しかし綺麗どころトリオは、


「「「奥様について存分に語り合ってました!」」」


 あっけらかんと笑って言う始末。


「や~もう、恥ずかしいですなに話してたんですか?!」

「それはいろいろと~」

「また奥様が好きになってしまいましたよ!」

「奥様サイコー! 団長にはもったいない!」

「もう何それ意味ワカリマセン!!」


 真っ赤になってサーシスの後ろに隠れるヴィオラ。

 その姿にまた萌え萌えする綺麗どころトリオと侍女たち(とサーシス)なのだった。



ありがとうございました(*^-^*)

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