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服が決まりました!

 どうも、幼児体型から一日で少女体型に成長した俺ことアリスです。ただいまお母さんとメイドのリーザさんの手によって着せ替え人形と化してる。いやぁ、魔法って便利なんですね。一々脱がなくても衣装チェンジできるんですよ。それを何回も行使しているお母さんたちって結構ヤバいのでは。


「リーザの選んだこれ、中々いいわねぇ。アリスちゃんの可愛さを引き出してるわぁ。」

「ですがこちらの服は失敗ですね。露出がえぐすぎてまだ幼いアリス様に合っていません。」

「これならどうかしらぁ。ちょっとボーイッシュだけど前世が男の子のアリスちゃんなら着こなせるんじゃあないかしら?」

「ふむ、検討してみる価値はありますね。失礼します、アリス様。」


 リーザさんが指を振るうと、お母さんが持っていた服が俺の着ていた服と入れ替わるように転移した。お母さんの手には俺が今さっきまで着ていたゴスロリ服。そして俺はお母さんが持っていたボーイッシュな服に着替えていた。

 最初は驚きこそしたけどこの魔法、かなり便利なのでは。主に下着を見られなくて済むという点では。

 ちなみに俺が服を選ぶということはない。そもそも女の子の服とかよく分からないからね!大人しく着せ替え人形に徹するよ。……あ、でもこの服は動きやすいかもしれない。


「むむっ?いいわね。いいのだけれど……」

「えぇ、何か……後何かが足りません。」


 早く決まらないかなぁ。そう思ったところで俺の心の声に同調するように腹の虫が大きく鳴いた。


「うふふ、可愛らしい音ねぇアリスちゃん。リーザ、朝ご飯を用意をお願いね?」

「畏まりました。腕によりにかけて作らせていただきます。」


 リーザさんは朝ご飯の準備のため、衣裳部屋から退出する。残されたのは俺とお母さんだけ。

 よし、これで料理を待つ間休憩できる!


「じゃあアリスちゃんはもうちょっとママと服選びましょうねぇ?」


 あーうん、そういう流れだと何となく分かってたよ。



 服選びは夜まで続きました。と、言ってもずっと服を選んでいただけではない。ちゃんと昼食夕食は食べていたし、休憩したいって言ったら普通に休憩させてくれた。

 さて、最終的に決まった服というのは、フリフリとしたピンクのドレスだった。選考理由としては奇をてらうよりも王道でドーンといった方がいいと2人の意見が一致したからだと。俺的にはドレスって動きづらいからあまりよろしくないんだけど……我慢してと言われました。我慢しますですはい。

 ……ところで、今まで着せ替えに辟易としてて忘れてたんだけど。


「お披露目って誰に見せるの?」

「サキュバス全員――は流石に多すぎるから長だったり娼館のオーナーね?あと私のお得意様とか……あー魔王も呼ばなきゃダメよねぇ……」

「お気持ちはお察ししますが、やはりお呼びしなければ駄目でしょう。」


 今とんでもないビッグネーム出ませんでした?魔王って言いましたね?いや、ちょくちょくお母さんとの会話で魔王とか勇者なんてワードは耳にしてたからいるんだろうなーとは思っていたけれども。

 いっつもニコニコ顔というか妖艶顔なお母さんが苦い顔してたけど魔王は逆らえない相手とかなのだろうか。


「ま、そんなところかしらねぇ。他は……んー、別にいいかしらねぇ。あーでも、クラリエルは呼ばなきゃね。彼女は特別よ。」

「クラリエル?」


 思わず聞き返してしまった。他は良いと言っておきながらも、そのクラリエルなる人は特別と招待するのか。気になってしまったのだ。名前的には女性なのだろうけど……?


「あぁ、二世代前の聖女よぉ?」

「聖女?」

「聖女。」

「お母さんとどういう関係?」

「お友達よぉ?」


 サキュバスクイーンと聖女がですか?え?俺が思うに相対する存在が友達なんですか?どういうこと?どういう経緯を経て友達になったの?魔王という存在がもはや露と消えるくらい気になるんだけど。

 でもその経緯を聞いても「秘☆密」と返されてしまった。その間の☆どうやって入れたし。


「あー楽しみねぇ、リーザぁ?各所に招待状を出すのよぉ?あ、勿論アリスちゃんのことはトップシークレットよぉ!」

「え、お母さん?」

「畏まりました!開催日はいつになさいますか!?」

「リーザさん?」

「うーん、そうねぇ……2週間後にしましょう?」

「え、2週間って早っ――」

「ではそのように。」


 ――とまぁ、俺が口をはさむ暇もなく話がどんどんと進んでいった。

 え、マジでどうなるの。

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