表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
置き去り  作者: 大和香織子
第三章 花上優
8/14

花上優1

花上はなかみ ゆう


 あの日の事は、あまり覚えてないかなあ。

 でも、高校を途中でいなかなくなったのは、あの事故のせいだと自分でも分かってる。

 黒板見ると、どうしても秋保の顔が浮かんできて―――。

 そのうちにノートを開くと、秋保が「許さない」って言っている声が聞こえてきて。それに夜寝てる時も初めのうちはすっごく怖い顔で秋保が部屋に立ってて……。


 怖くて悲鳴を上げたら、お母さんが驚いて入ってきて大丈夫よって。でもね、確かに死んだはずの秋保がいたのよ。

 それで、私病院に行ったんだけど、病院の先生は、幻覚だろうとかって言ったの。それで、お薬をもらって今も過ごしてるけど、それでも気持ちが不安定になることがあってね。


 秋保が私を襲いにくるそんな感覚がして、堪らなく怖いの。

 高校もやめてしまったけど、今は外に出るのすら怖くて。外を歩いていたら、人の顔が秋保にみえたりするから。


  秋保は、私の事「あか」って言って悪口沢山言ったのね。秋保は、すごく意地悪な人ですごく怖い人なんだけど___。それで、秋保が死んじゃってから、秋保の意地悪パワーはレベルアップしたんじゃないのかなってそうやって思ってしまうの。


 秋保ね、本当に死んだと思う?

 私はね、死んだと見せかけてるだけで、うん、皆を騙しているだけできっと、生きてるんだと思うの。だからこうやって私に会いに来るんだと思う。

 キャー。あれ?お姉ちゃんの顔?さっき、秋保に見えたんだけど、お姉さん本当に秋保のお姉ちゃん?

 まさか、お姉ちゃん秋保のくせして私を騙そうって言うんじゃないでしょうね?



 あれ?私いつのまにか寝ちゃってたのかな?お薬やお注射を暴れる私にしてくるんだけど、そうすると、確かに秋保はきえるんだけど、でもいつも寝てしまっているの。


 んで、なんの話だっけ?そうそう、あのね、秋保は私の事「あか」って呼んだのはね、赤いセーターを着ていたからなんだけど、そんな風に読んでいるなんて知らなかった頃は秋保がそんなに怖い人なんて思ってもみなかったの。

秋保とは、同じクラスだったんだけど、秋保ね私が教科書を忘れた時に、自分のを貸してくれたの。ねっ?優しいでしょ?でね、自分は先生に忘れましたーとか言って手を上げてくれるの。それでね、朝倉君っていう男の子がいたんだけど、その男の子に秋保ちゃん見せてもらっていたのよ。


 わざわざ私の為にそこまでしてくれるなんてって嬉しかったかなー。

 でもね、秋保ちゃん、たまに意地悪な事もしていたよ。

 朝倉君の隣の席の女の子の机に落書きしてるの見て、何書いたのか気になって後から見たら「ばか」とか「キモイ」とかそういうことばかり書いてあったの。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ