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置き去り  作者: 大和香織子
第三章 花上優
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花上優3

 でもねー、なかなかピッタリの人がいなくてね。でも、中学に入ってやっと、やーっと見つけたんだよ。

 それはね、担任の先生。そう、秋保と同じクラスの時の担任の先生。

 あ、そうそう、あの事件の日、先生が来ちゃったの、でね?大好きな先生に私がまだ残っているなんて知られたら嫌われちゃうってそう思ったの。


 でも、あーあ、結局ばれちゃったんだけどね。あの日秋保が死んじゃったもんだから。えーっとね、あの先生27歳くらい上だったかな?確か40歳くらいだったと思う。独身だったよ?

 だって私結婚している人の事なんて好きになれないよ?だってそういうのって不倫って言うんだよ?私ね、不倫とかって不道徳な言葉は先生にも似合わないと思うの。


 まぁ結局先生には気持ちは伝えなかったよ?だって、告白って女の子からするもんじゃないじゃない?

 告白って言うのは王子様がお姫様に必ずするんだよ?ほら、シンデレラだって白雪姫だって最初に声を掛けるのは王子さまでしょう?

 秋保はトーヤ君に告白されたのかな?

 そうそう、こうやって話してら、どんどん秋保の事思い出しちゃうね。秋保ね、自分のお胸がすごく好きだったみたい。よく男子に触らせてたよ?


 私のお胸を秋保は勝手に触ってきてたなー。あれ、すっごく嫌だったなぁ。でも、秋保にそんなこと言える人って一人もいなかったからさ、我慢したんだけど。

 嫌だよって言うことぐらい言ったって良かったのかな?もしそんな事言ってたら何か変わっていたのかな?

 お姉ちゃんって、そういえば、誰?さっきから秋保に似てるなってずっと思ってるんだけど、お母さんのお友達だよね?


 私なんだか、少し疲れてきたの。お薬を飲むとね、ボーっとしちゃうし。そういえば、お姉ちゃんは私の話している事ちゃんと聞き取れた?私が話しているとよく、何て言っているのか分からないだのもう少し早く話せだの、そんな風にみんながイライラしちゃうの。


 私だって好きでゆっくり話しているわけじゃないんだよ?薬のせいで上手く話せないっていうだけなのに。

 せっかく私に会いに来てくれたのにごめんね、でも、もう今日は限界。もう寝るね。おやすみ。あ、テクマクマヤコンの事よろしくね。秋保すっごく喜ぶから。


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