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1-0 精霊と人



 この世界には数多の生命が存在している。


 ヒトをはじめとした陸に住む生き物たち、山に住む生き物たち、水に住む生き物たち。皆それぞれ特有の生態を持ち、それぞれに適した場所で発展を続けてきた。


 同時に、そのどれにも属さない、ひどく異端で特殊な生命も至る所に存在していた。


 彼らもまたあるものは陸に、あるものは山に。そしてあるものは水に宿り、時には風そのものとなり、火にすら姿を変えられる者もいる。


 さらに悠久に近い命を持つ彼らは、時に他の生命を脅かすほどに強大な力を持っていた。


 何もかもが一線を画した特殊な存在。しかし彼らもまた生命。この世界で共に生きる存在であることには変わりはない。


 いつしか彼らは『精霊』と呼ばれるようになった。


 長い生命の歴史の中で彼らの持つ力に少なからず影響を受けてきたヒトは、いつしか彼らを異形として扱い嫌ってきた。


 ヒトの存在が脅かされることなどあってはならない。ヒトに干渉されるべきではない。


 そんな強い願いからか、長い年月が経つとヒトの中にも精霊に対抗し得る戦力が現れた。


  超人的な身体能力とまるで精霊にも似たヒトに在らざる力を持つ、圧倒的な強さを身に付けた存在。


 後に彼らはこう呼ばれるようになる。『精霊と戦い、滅する力を持った戦力——スピリスト』と。



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