第九十一話
後半は史実に似た状況かな?
日本、中華民国、満州国は中華人民共和国に対して宣戦を布告して中華人民共和国に軍を派遣した。
日本は関東軍から八個師団、第一戦車師団、二個航空飛行団を派遣。
満州国は二個師団、一個航空部隊を派遣。
中華民国は五個師団、一個戦車連隊を派遣するのであった。
この三国の宣戦布告に毛沢東は大いに驚いた。
「馬鹿なッ!? 小日本も宣戦布告をしただとッ!!」
「は、三軍は既に国境線に接近しつつあると……」
「死守だッ!! 死守するのだッ!!」
毛沢東は狂ったように叫ぶ。その光景を部下は何とも言えなかった。
「……くそ、一体何故こうなった……」
部下が退出した部屋で毛沢東はそう頭を抱えたのである。
そして国境線では激しい戦闘が行われていた。
「撃て撃てッ!! 小日本の戦車を近づけさせるなッ!!」
中華人民共和国軍の兵士が叫びながらロシア製の古い機関銃で抵抗していた。
「目標防御陣地、撃ェッ!!」
三式中戦車のアハトアハトが火を噴き、榴弾で防御陣地を破壊していく。
走行する三式中戦車の後を日中満軍の兵士達が突き進む。
「くそッ!! 同志毛沢東は俺達に死ぬって言うのかッ!!」
ロシア製の小銃を撃つ兵士が舌打ちをするが、その兵士も九九式短小銃の七.七ミリ弾を喉を貫かれて戦死する。
挟み撃ちの格好となった中華人民共和国軍は各戦線で崩壊をしていく。
追い詰められた中華人民共和国軍の兵士は次々と白旗を掲げて降伏をする。降伏した兵士は中華民国軍に引き渡す。
全ての処理は中華民国でする事が内密に合意されているのだ。引き渡された兵士は中華民国である程度の保証はされるが奴隷のような働きとなり、中華民国のために働かされる事になる。
国境線を突破した日中満軍はゆっくりと前進しながらウランバートルへ目指す。北方からはロシア軍も国境線を突破してウランバートルへ目指す。
中華人民共和国は風前の灯火となろうとしていた。
それから二日後、四か国軍はウランバートルまで約八十キロまで迫っていた。
「同志毛沢東、このままでは……」
ここまで毛沢東を支え続けた周恩来は戦線に出て指揮をしていたが行方不明(実際は日本軍の捕虜)となり、他の部下が対策していた。
しかし、誰が見ても中華人民共和国軍の劣勢だった。
「死守だッ!! 何としても兵力を出してウランバートルを死守するのだッ!!」
『………』
毛沢東の叫びは部下達にはもはや無駄な行為だと悟っていた。そして部屋を退出した部下達は無言で頷きあった。
「戦闘で死ぬより降伏する方がマシだ」
こうして部下達は兵士達を説得した。兵士達も戦闘出来る状態ではない事を知っていて降伏には賛成をした。
そして十分後、毛沢東がいる部屋に一個小隊が突入。毛沢東を捕らえたのであった。
中華人民共和国軍は直ぐに降伏を打診。四か国軍がウランバートルを占領した。
捕らえられた毛沢東は二日後には軍事裁判がかけられてロシアと中華民国の仲を引き裂こうとした罪と捕らえた部下からの情報である日ソ戦争が発生したシベリア鉄道爆破及び脱線事故を指示した罪により銃殺刑となった。
日ソ戦争の引き金が毛沢東率いる中国共産党にある事を知った日本国民は大激怒をした。この一件により日本国内で共産主義が生まれる事はなく、弾圧される対象になったのである。
「共産主義が日本に来ない事は助かるな」
「うむ、取りあえずは中国共産党を片付けて中国の赤化は阻止出来たわけだ」
会合に集まった山本達はホッと溜め息を吐いた。
「それと企業などは中国に入らぬようにしておこう。赤化は阻止出来たが油断は禁物だ」
「うむ、ところで楠木少佐はどうしたかね?」
今日の会合に将樹と桐野少佐はいなかった。
「一応二人は第二機動艦隊乗り組みだから訓練しとる。今頃はマリアナ諸島と小笠原諸島の中間にいるだろう」
堀長官はそう言った。この時、将樹達は第二機動艦隊は訓練として小笠原諸島とマリアナ諸島の中間の海域にいた。
「訓練は大分捗っているな」
空母翔鶴の艦橋で山口多聞中将はそう呟いた。
第二機動艦隊は空母を中心にした輪形陣で航行していた。第二機動艦隊の上空には発艦した彗星や天山が飛行している。
「海戦が暫く無いから乗組員の気も緩くなっている。ここいらで一発引き締めないとな」
山口中将はそう呟く。
第二機動艦隊は大方の訓練は終えて柱島泊地に帰ろうとしていた。乗組員達も少しばかり訓練が終わった事に気を抜いていた。
それが駄目だった。
海中から第二機動艦隊を覗き込む者がいた。
「ビンゴッ!! ジャップの機動部隊だッ!! ショウカク型がいるぞッ!!」
第二機動艦隊を見つけたのはガトー級潜水艦三隻だった。しかもそのうちの一隻はカヴァラであった。
「奴等油断してやがる。やられていった仲間達の敵討ちだ」
ガトー級潜水艦は六門の発射管に魚雷を装填する。
「準備完了ッ!!」
「発射ッ!!」
三隻から魚雷十八本が発射された。それをたまたま上空を飛行していた偵察機瑞雲が発見した。
「魚雷ッ!! 敵潜水艦だッ!!」
瑞雲からの警報は直ぐに全艦に伝わった。
「回避急げェッ!!」
向かってきた魚雷を各艦が回避運動して避けていく。しかし、旗艦翔鶴は回避運動に遅れた。
「右舷から魚雷四本接近ッ!!」
「高角砲、機銃は魚雷に向かって撃てッ!!」
翔鶴艦長の松原博大佐はそう叫び、右舷の対空火器が射撃を開始した。
射撃により一本は爆発する事が出来た。しかし、残り三本は破壊出来なかった。
「総員衝撃に備えろォッ!!」
将樹達は発着艦指揮所にいて、近くにあった手すりを握った。
そして翔鶴の右舷に三本の水柱が立ち上ったのであった。
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