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反逆の日章旗  作者: 零戦
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第八十七話






 ソ連極東軍は、日本側の七波にも及んだ航空攻撃に何とか耐えてはいたが士気は低下する一方だった。


「何としてもチタを奪い返すのだッ!!」


 極東軍司令官は部隊の後方から指示を出している。


 ソ連軍兵士は寒さに耐えながらチタに向けて前進するのであった。


 一方、チタにいる日本軍は迎撃も万全の状態だった。


「小隊長殿ッ!! メシですッ!!」


「おぅ御苦労。皆も食え」


 ある塹壕に、一等兵が配給を持ってきて一等兵に他の兵士達が群がる。


「喜べ、今日はサツマイモだ。熱々のな」


『オォォッ!!』


 一等兵の言葉に兵士達は喜ぶ。実はここ最近のメシはサツマイモや味噌汁といった物ばかりでコメは無かった。


 それもそのはずで、お握りを作って持って行っても直ぐにカチカチに凍ってしまうのでサツマイモを主食に配給して寒さをしのいでいた。


 無論、兵士達も不満はあるが待機状態なのでとやかくは言えなかった。むしろ、チタが破れたらソ連極東軍が満州に攻め込んで日本の脅威になるという事は兵士達も知っていたので文句は言わなかった。


 兵士達は配給されたサツマイモにかぶりつきながらソ連軍がいるはずの場所を見る。


 雪対策のために塹壕の上には木の板が敷いてあったりする。他にも塹壕の後ろに焚き火をして暖をとっている。


「小隊長殿ッ!!」


 その時、通信を聞いていた兵士が叫んだ。


「どうした?」


「露助が接近しているようですッ!! 全軍に戦闘準備の指令が来ましたッ!!」


「よし、全員持ち場につけッ!!」


 小隊長の言葉に兵士達は各自の持ち場につき、ある兵士は九九式短小銃を、ある兵士は九九式軽機関銃を、ある兵士は九二式重機関銃を、ある兵士は十二.七ミリ重機関銃を持って構える。


 他にも、ドイツ軍のMG42機関銃をライセンス生産した三式軽機関銃を持った兵士もいる。


 その兵士達がいる塹壕の後方に配置してある砲兵部隊も戦闘準備をしていた。


「徹甲弾を持ってこいッ!! 榴弾もだッ!!」


 砲兵部隊の指揮官が叫び、兵士が砲弾の準備をして装填する。


「まずは機動九〇式からだろうな」


 準備をする兵士がポツリと呟いた。チタには九六式十五サンチ榴弾砲、九一式十サンチ榴弾砲、機動九〇式野砲改等が多数配備されていたのだ。


「ソ連軍はどのくらいまで近づいている?」


「凡そ六十キロほどかと思われます」


 チタの司令部にいる山下大将はそう尋ねていた。本来なら後方へ退避するはずの山下大将だが山下はあえて断っていた。


「司令官が安全のために後方へ退避するなど士気も下がる」


 山下大将はそう言っていたが、東條達は退避してほしいと思っていた。


「航空機の援護はどうか?」


「は、残念ですが、先の航空攻撃で陸海の航空部隊は燃料及び弾薬の補給中であります」


 山下大将の問いに部下はそう答えた。


「むぅ、それは仕方なかろうな」


「航空部隊も戦車は優先して叩いたそうですがそれでもまだ大量に確認出来ます」


「……恐るべしソ連だな」


 山下大将はそう唸った。そしてチタ郊外にて日ソ両軍は衝突した。


「砲撃開始ィッ!!」


「撃ェッ!!」


 最大射程が長い機動九〇式野砲が最大射程にソ連極東軍が入ると一斉に砲撃を開始した。


「此方も撃ち返せッ!!」


 ソ連極東軍の現場指揮官は重砲部隊に命令をして重砲部隊が射撃を開始する。


 更に日本軍も九六式十五サンチ榴弾砲や九一式十サンチ榴弾砲等も砲撃を開始して猛烈な砲撃戦へと展開する。


「突撃だァッ!!」


 その両軍の重砲部隊が撃ち合う中、ソ連極東軍の機甲師団が前進を始める。


「ソ連軍の機甲師団が突撃を開始しますッ!!」


「第一、第二戦車師団を投入しろッ!! ソ連軍機甲師団の突撃を阻止するんだッ!!」


 山下大将が吠える。直ぐに待機していた第一、第二戦車師団が出撃をして砲撃戦の中、ソ連軍機甲師団へと向かう。


「撃ェッ!!」


 日本軍の三式中戦車のアハトアハトが火を噴き、ソ連軍のT-34中戦車を撃破する。T-34中戦車も負けじと反撃するが、装甲の厚さにより砲弾は跳ね返される。


 お返しとばかりに三式中戦車が撃ち返してまた撃破していく。


「歩兵部隊を突撃させろッ!! 数で押せばヤポンスキーに勝てるッ!!」


 指揮官はそう叫び、ソ連軍兵士達は突撃の準備をする。


「立ち上がれ人民よッ!! チタを奪い返すのだッ!!」


『ウラーーーッ!!』


 そして遂にソ連軍歩兵部隊が突撃を開始した。


「ソ連軍歩兵部隊が突撃を開始しましたッ!!」


「第三、第四戦車師団を投入して駆逐しろッ!!」


 これで投入していない日本軍の戦車は残り一個師団と三個連隊となった。


 しかし、直ぐに伝令が駆けつけた。


「で、伝令ッ!! ソ連軍機甲師団の数が多く、第一、第二戦車師団ではとても抵抗出来ませんッ!!」


 ソ連軍機甲師団と戦闘をしていた第一、第二戦車師団は獅子奮迅の戦いをしていたがソ連軍機甲師団は二個機甲師団であり、二個戦車師団では耐えられなかった。


「……ソ連軍歩兵部隊の駆逐に向かった第三、第四戦車師団を急ぎソ連軍機甲師団に向かわせろッ!! 歩兵部隊には三個連隊を投入するんだッ!!」


 この三個連隊の戦車は九七式中戦車改であった。しかし九七式中戦車改でも歩兵部隊相手なら十分に戦えたのだ。


 直ぐに九七式中戦車改の三個連隊が出撃して突撃してくる歩兵部隊の駆逐に乗り出す。


 戦場に到着した九七式中戦車改は砲弾を榴弾を装填して歩兵部隊に砲撃をする。


 榴弾の破片を浴びた兵士はいずれかの四肢をもぎ取られたり、絶命して地面に倒れるが無事な兵士は叫びながら突撃してくる。


『ウラーーーッ!!』










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