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反逆の日章旗  作者: 零戦
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第八十四話

お久しぶりです。






 それから一週間後、議員達の減給が発効された。期間は戦争終了までである。


「議員達のカネが減るのか……まぁ妥当だろうな」


 新聞を見ていた桜花はそう呟いた。隣では桐野少佐も頷いている。


「何もしてない輩にやるカネなんて無いな」


 新聞では議員達は少なからず反発をしているような文面があった。


 まぁ直ぐに陛下からの御言葉で沈黙するのだが……。


 この浮いたカネは陸軍の方に組み込まれ、陸軍の幹部達は臨時予算に大喜びするのであった。


「それに今は戦争中なんだ。欲しがりません、勝つまではだな」


 桜花はそう言った。






「……いたぞ。アメリカの輸送船団だ」


 ハワイ沖、海中に潜む伊号潜水艦の艦長が潜望鏡を見ながらそう呟いた。


「輸送船は八、護衛艦八隻か。全門撃つぞ」


「了解、魚雷戦用意ッ!!」


 副長が伝声管に怒鳴り、魚雷室で魚雷係が九五式酸素魚雷を発射管に装填していく。


「装填完了ッ!!」


「距離四千五百……当たるか微妙だが……まぁいい」


 潜望鏡を見ながら艦長はニヤリと笑う。


「魚雷一、二番撃ェッ!!」


 ズシンズシンと発射管から酸素魚雷が発射される。


「続いて三番、四番撃ェッ!!」


 伊号潜の艦長は時間差での攻撃にしたのだ。三番、四番が放たれると最後の五番、六番に装填された九五式酸素魚雷も発射された。


「急速潜航ォッ!! 深度八十ッ!!」


「急速潜航ォッ!!」


 全ての酸素魚雷を撃ち尽くした伊号潜水艦はメインタンクに海水を注水しながら海中深くに沈んでいく。


 そして待つこと数分、伊号潜水艦に酸素魚雷が命中した証である衝撃音が来たのであった。


「消火急げェッ!!」


「駄目だッ!! 火災が激しすぎる、誘爆するぞッ!!」


 六本の酸素魚雷のうち、二本が輸送船と駆逐艦の二隻に一本ずつ命中していた。


 駆逐艦には左舷中央部に命中して駆逐艦は瞬く間に真っ二つになって轟沈。輸送船は少しずつ傾斜が激しくなり、積み荷のM4中戦車が浸水した海水に呑み込まれていく。


「総員退船ッ!! 総員退船だッ!!」


 艦橋にいた輸送船の船長はそう判断して乗組員達は現場を放棄して次々と海に飛び込んでいく。


 大傾斜していた輸送船は戦車の砲弾が誘爆して大爆発をしながら海中に引きずり込まれていく。


 そしてそれに巻き込まれて海中に呑み込まれていく乗組員もチラホラといた。


「生存者の救助を急がせろッ!!」


 生き残っていた駆逐艦の艦長はそう指示を出してボートを降ろして生存者の救助活動を始める。


「ファック。ジャップめ、これで今月に入って八隻目だ」


 救助活動を見ていた艦長はそう舌打ちをした。


 対ソ戦が始まった日本ではあるが、ハワイに対する警戒は全くもって解いておらず、潜水艦隊による通商破壊作戦は継続中であった。


「……ジャップのサブマリンは厄介になってきたな……」


 太平洋艦隊司令部でニミッツ長官はそう呟いた。


「此方もカタリナ等の対潜哨戒機を飛ばして警戒はしていますが、ジャップはそれを掻い潜って輸送船団を襲撃しています」


「……痛い話だな」


 ニミッツ長官は溜め息を吐いた。


「ハルゼー中将等は直接機動部隊を出して対潜警戒の訓練の一環でジャップのサブマリンを撃沈する方が得だと具申していますが……」


「……それは無理だと言っただろう? 二ヶ月前に護衛空母四隻を投入してやったのに戦果は撃沈一隻だけだ。反対に護衛空母二隻と駆逐艦三隻が撃沈されたのだぞ」


 ニミッツ長官は溜め息を吐く。実は二ヶ月前に業を煮やしたハルゼー中将等がニミッツ長官に具申をして空母部隊の投入を求めたのだ。


 この時はニミッツ長官もやる気であり、まずは護衛空母をからとなり護衛艦隊を編成した哨戒艦隊がオアフ島から出撃をした。


 哨戒艦隊はたまたまオアフ島に接近していた伊号潜水艦を集中的に攻撃をしてこれを撃沈した。


 伊号潜水艦は最期の力を振り絞って浮上してミッドウェー島の第六艦隊司令部に打電して撃沈された。


 電文を受信した第六艦隊司令長官の清水中将はすぐさま米軍が対潜哨戒に空母部隊を投入したと判断をして二式大艇を投入した作戦を決行した。


 集結した伊号潜水艦隊は囮部隊を出して護衛空母部隊を罠に嵌めようとする。


 護衛空母部隊が囮部隊の伊号潜水艦を追跡中に待機していた二式大艇が離水して護衛空母部隊に接近。二式大艇の接近に護衛空母は戦闘機を発艦させる。


 そこへ、残りの伊号潜が護衛空母部隊に近付いて酸素魚雷をぶっぱなしたのである。


 その結果、護衛空母二隻と駆逐艦三隻を撃沈させて残存艦艇をオアフ島に帰させたのだ。


「兎も角、ジャップのサブマリン狩りは艦隊が十分な訓練を積んでからだ。それまでは輸送船団に護衛空母を付けさせるしかない」


「イエッサー」


 部下はそう言って司令部室を退出する。一人になったニミッツ長官は深い溜め息を吐くのであった。


 その頃、シベリアのイルクーツクではソ連軍の増援部隊が続々と集結していた。


「ククク、漸くヤポンスキーの奴等に一泡吹かせれるぞ」


 ソ連軍極東軍の司令官はそうニヤリと笑った。









御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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