第八十三話
先に言います。甘いそして悲しい(笑)
十二月中旬、相変わらず日ソ戦争は停滞していたが、雪がチラホラと降り始めるとソ連軍は漸く態勢を整え直していた。
「全く……我等が同胞は漸く立て直してきたか」
モンゴルの首都であるウランバートルにある中国共産党司令部で日ソ戦争の元凶である毛沢東はそう呟いていた。
「ですが、此方も国民党軍の攻撃で壊滅的打撃を与えられています」
「それを言うな」
毛沢東は部下の言葉に顔を歪める。共産党軍は何度か中国に攻めこんでいたが、日本軍の支援を受けた国民党軍の攻撃でほぼ壊滅的打撃を与えられていたのだ。
そのため、共産党軍は編成中であったが国民党はモンゴルに攻め込むような事はしなかった。
蒋介石は日本から深く入り込まずに迎撃に徹するよう言われていた。蒋介石も深く入り込むのは好まなかった。
深く入り込んで、一歩間違えれば中国全土は赤化してしまう。それだけは日中首脳の考えであった。
そのような事情があるため、国民党軍は迎撃に徹するのであった。
「何としても中国に我等が人民の旗を建てるのだ」
毛沢東はそう呟いたのであった。
「おい、将樹。朝だ、早く起きろ」
「ん……」
桜花に身体を揺すられて将樹は目を開ける。ぼやけているが桜花の姿はあった。
「……は?」
眼鏡をかけて桜花を見ると将樹は唖然とした。何故なら桜花は白いエプロンしか着ておらず、後は裸である。もう一度言おう裸である。
「な……何やその姿は……」
「何って裸エプロンだが?」
「何でお前がそれを知ってんねんッ!!」
将樹は思わず突っ込んだ。
「もう、五月蝿いわよマサキ。何時まで寝てるのよ」
「なッ!?」
そこへクロエが入ってくるが、何とクロエも裸エプロンをしていた。もう一度言おう裸エプロンをしていた。
「な……な……」
将樹は口をパクパクと開けて言葉が出ない。それに気付いたクロエがウインクをする。
「あぁこれ? マサキが好きそうだと思ったから桜花と着たのよ」
「ど、どうだ将樹? に、似合うか?」
二人はそう言って胸を将樹に見せつけるかのような姿をする。桜花は恥ずかしさからなのか顔を赤らめている。
「……gutgutや。二人とも」
将樹は感無量の様子で静かに泣いていた。しかし、クロエは将樹の何かを見てニヤリと笑い、将樹に抱きついた。
「マ・サ・キ♪」
「ク、クロエ?」
「あ、クロエッ!! 協定違反だぞッ!!」
将樹に抱きついたクロエに桜花が噛みつくが……いや何の協定だよ?
「ほら見てよ桜花。マサキの此処、私達のおかげで朝から元気だよ」
クロエはそう言って手を将樹の下に向かわせる。え、下? ……考えてくれ。
「ちょッ!? クロエッ!?」
流石に将樹は驚く。(そりゃそうだ)
「桜花、こういう時は私達で将樹のを鎮めないとね」
「し、鎮めるだと……」
桜花は顔を赤らめながら将樹の下に手を伸ばす。
「お、おい二人とも……」
「大丈夫よマサキ。ちゃぁんとやるからね」
「う、うむ……」
そう言って二人はあ〜んと舌を出して将樹のアソコに……。
「ぬわっひゃァァァッ!?」
そこで将樹は目が覚めた(笑)
「………」
将樹は無言で辺りを見渡すがそこは桐野家で将樹の部屋であった。
「ゆ……夢オチかよ……」
将樹は深い溜め息を吐いた。何か背中に哀愁が漂いそうな雰囲気であるが……。
「……溜まってるんかなぁ……」
ギシギシ。
将樹はそう思うが二階からのギシギシ音に全ては合点がいった。
「……原因はあいつらか……」
今にも血涙が出そうな程天井を睨み付ける将樹であった。
「……どうしたのだ将樹?」
朝食時、将樹の溜め息に桜花が尋ねた。
「ん? ……まぁ、俺も色々と辛い事があるんやな」
「?」
将樹の言葉に桜花は首を傾げるのであった。
「諜報員からの報告では、漸くソ連も態勢の立て直しをしてくるようだ」
「人海戦術……砲兵隊が師団であるとかどんだけチートなんや……」
会合で東條の言葉に将樹はそう呟いた。
「陸軍の方に予算を少し回してくれないだろうか?」
杉山は山本にそう聞いた。
「……ソ連戦の事も分かるが、海軍もアメリカに侵攻を押さえなければならん」
山本は陸軍が大事なのかは十分に分かっているが、海軍の予算を抑えるとアメリカがどう出るか分からなかった。
「それは儂もよく分かっているが……」
杉山もアメリカの威力は知っているため口を濁す。その時、将樹が手を挙げた。
「何か案があるのか?」
「はい、今は戦争中ですので衆議院と貴族院の議員のカネを減らすのはどうですか?」
「……成る程、今は国家の危機だ。国家に優先すべきだろうな」
伏見宮は納得したように頷く。他の面々も同様である。
「当然反発もあるでしょうから、山本さん達内閣の給料を減らして反発を押さえます」
「ふむ、それはそうだろうな。どれくらいまで減らすのだ?」
「大体、今の給料から三分の一まで減らしましょう。陛下も賛成すれば議員達も何も言わないはずです」
「良し、それでいこう」
山本は頷き、議員達の減給は決定したのである。
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