第七十六話
「……ん……」
数時間後、将樹は起きると「はつ○連合艦隊」は机にあり、何となくページを捲るといつもの漫画と解説だった。
「ふぁ〜……よく寝たな……」
将樹は欠伸をしながらそう呟きつつ本を仕舞い、ベッドに横たわる。
時間を見るが仮眠に指定された時間は一時間半まであったのでまだ寝れる。
「……絶対に日本を滅ぼさせない……」
脳裏に桜花とクロエを想いつつ再び仮眠という名の二度寝をするのであった。
その後、第二機動艦隊から発艦した二波の攻撃隊はウラジオストクに停泊していたソ連太平洋艦隊を撃滅させ、航空基地等に多大な損害を与えており航空機の発進はとても困難な状態であった。
そして翌日、第二機動艦隊から分離した戦艦金剛と榛名がウラジオストクに接近して猛烈な艦砲射撃を敢行する中、上陸船団から発進した大発などの舟艇がウラジオストクの港へ接岸して武装した兵士を次々と吐き出していく。
「撃て撃てッ!! ヤポンスキーを撃ち殺すんだッ!!」
防御陣地でソ連軍の大尉が叫ぶ。それを見た日本軍狙撃手が九九式狙撃銃を構えて引き金を引いた。
タァーンッ!!
「げぱァッ!?」
狙撃銃の弾丸は大尉の額を貫き、そのまま後ろに倒れて絶命する。この狙撃に防御陣地にいたソ連軍兵士は浮き足だった。
「今だッ!! 重機撃ちまくれッ!!」
小隊長が叫び、奪取した防御陣地に設置した十二.七ミリ重機関銃が射撃を開始する。
十二.七ミリ重機関銃の威力は凄まじく、射撃が命中したソ連軍兵士は四肢をもぎ取られて次々と倒れていく。
そこへ、T-34中戦車五両が接近してきた。
「戦車接近してきますッ!!」
「パンツァーファウスト持ってこいッ!! チハはいないのかッ!?」
その時、T-34中戦車が砲撃して付近に着弾する。
「駄目ですッ!! チハはまだ揚陸中ですッ!!」
「準備完了ッ!!」
海岸を見ていた副官が首を振り、パンツァーファウストを持った兵士が叫ぶ。
「撃ェッ!!」
五基のパンツァーファウストは一斉に発射され、四両に命中してこれを撃破した。しかし残り一両は照準が外れてしまったためにまだ一両残っていた。
「くそッ!! 外したかッ!!」
その時、T-34中戦車の砲搭が小隊長がいる防御陣地に照準する。
「イカンッ!? 全員退避ィッ!!」
防御陣地にいた兵士達が慌てて逃げ出すと同時にT-34中戦車が砲撃する。
砲弾は防御陣地に命中して爆風が逃げ遅れた兵士を薙ぎ倒す。
「しっかりしろッ!!」
小隊長は右手を吹き飛ばされた兵士を抱き起こす。数人の兵士がT-34中戦車に手榴弾を投げる。
しかし爆発しても装甲が厚いT-34中戦車に効果はあまりない。
十二.七ミリ重機関銃が必死に射撃をして近づけないようにするが厚い装甲の前では重機関銃は無力であり、戦車は前進する。
「これならどうだッ!!」
一人の兵士が九九式破甲爆雷――通称アンパンを持って走り戦車に装着させて爆破させるがT-34中戦車には威力不足であった。
アンパンを装着させた兵士も戦車の砲撃で肉片へと変えられる。
「くそッ!!」
接近してくるT-34中戦車に小隊長が舌打ちした時、爆音が響いた。
「急降下爆撃ッ!?」
上陸部隊の事態に気付いた彗星が急降下をして五百キロ爆弾をT-34中戦車目掛けて投下した。
狙われたT-34中戦車は爆発して行動不可能となる。
「ありがとう海軍さんッ!!」
小隊長は上昇していく彗星に向かってそう叫び、負傷兵を衛生兵に渡す。
「チハ二両来ますッ!!」
「よし、チハと前進するぞッ!!」
漸く揚陸した二両のチハと共に兵士達は港を制圧するのであった。
チハが搭載するアハトアハトは進撃を妨害してくるT-34中戦車郡を次々と撃破していく。
果敢に砲撃してくる戦車もあるが、全てチハの装甲が砲弾を弾き返す。
「ヤポンスキーにあんな戦車があったのかッ!?」
T-34中戦車の車長はチハの装甲を見てそう叫ぶが、直後にチハのアハトアハトの砲撃を受けて戦死するのであった。
上空では第二機動艦隊から発艦した攻撃隊が飛行して上陸した陸軍部隊を支援するために防御陣地やT-34中戦車を攻撃して撃破していた。
航空支援がある日本陸軍は快調にウラジオストクの港を占領して上陸船団を港に停泊させて残りの重砲等を降ろしていく。
「山口長官、上陸部隊からの報告ですがウラジオストクの港を完全に占領したそうです」
奥宮航空参謀が電文を山口長官に渡す。
「……まだ市街地がある。間違って市民を殺してはならん。油断するなと陸軍に伝えろ」
「分かりました」
奥宮航空参謀は頷いた。
それから陸軍が完全にウラジオストクとナホトカ周辺を占領したのは十日が過ぎた頃だった。
このウラジオストクの占領により日本軍は物資の移送がやり易くなったのである。
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