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反逆の日章旗  作者: 零戦
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第七十五話






 山本五十六が日本帝国総理大臣としてソビエト連邦に対して宣戦を布告する文書を渡したのは八月八日の午前五時半であった。


 しかも山本は自らの脚でソビエト大使館へと向かい、ソ連大使に対して宣戦を布告の文書を渡した。


 ソ連大使はとうとう日本が謝りに来たと勘違いしていたみたいで宣戦布告の文書を渡されると少し唖然としていたが、漸く気付いた山本に反論した。


「貴国は野蛮な国ですな」


「……我々は何もしてない。引き金を引かせたのは貴様らだ」


 ソ連大使の反論に動じない山本はジロリとソ連大使を睨みながらゆっくりとソ連大使館を後にした。


 そして満州では駐留する関東軍が五時半になると一斉に進撃を開始した。


「パンツァー・フォーッ!!」


 日本陸軍第一戦車師団の師団長である牟田口中将は無線に向けてそう叫んだ。


 満州とソ連の国境線で待機していた第一戦車師団の三式中戦車や二式砲戦車、二式自走砲がエンジンを始動させる。


 そして第一戦車師団の上空を陸軍航空隊の戦闘機疾風、三式爆撃機飛龍、三式襲撃機靖国が爆弾やロケット弾を搭載してソ連領の飛行場や戦車部隊、シベリア鉄道を爆撃するために国境を侵入する。


 夜明け前の作戦なため、ソ連軍は対応に完全に遅れていた。


「ヤポンスキーが攻めてくるぞッ!! 回せ回せェッ!!」


 パイロット達はYak-1戦闘機に乗り込んでエンジンを始動させる。そしてゆっくりと滑走路から離陸していくが、数機が離陸した時点で陸軍航空隊がソ連飛行場に殺到したのである。


「露助を叩けッ!!」


 数機のYak-1が三式爆撃機飛龍に迫ろうとしたが、疾風と格闘戦をして撃墜されていく。


 中には三十ミリ機銃弾がYak-1の右翼を吹き飛ばすなどソ連戦闘機は大地へと墜ちていく。


 あっという間に上空にいた戦闘機を片付けた疾風は滑走路に待機していたYak-1を機銃掃射していく。


 更に三式爆撃機飛龍は低空飛行で腹に搭載した二百五十キロ爆弾や六十キロ爆弾を投下してソ連飛行場の機能を完全に破壊させていく。


 そのような光景は、ソ連と満州の国境線にある各都市で行われていた。陸軍航空隊の奇襲攻撃でソ連のハバロフスク、ブラゴヴェシチェンスク、ウラジオストクの都市が黒煙を上げていた。


 また、国境線に配備していたT-34中戦車等は三式襲撃機靖国の攻撃を受けて大損害を与えられていた。そこに日本陸軍精鋭の第一戦車師団、第二戦車師団、第三戦車師団が三式中戦車チハを先頭に進撃してきたのである。


 戦車師団を援護するために大量に配備された機動九〇式野砲改や機動九一式十サンチ榴弾砲や九六式十五サンチ榴弾砲が援護射撃をする。


「弾幕はパワーだぜッ!!」


 九六式十五サンチ榴弾砲の指揮官がそう叫ぶ。これは将樹が陸軍の演習を見た時にそう叫んでいたのをこの指揮官は聞いていたみたいで試しに演習でそう言ってみたところ、案外他の兵士からの受けは良かったみたいで砲兵達の間では射撃中は此れが流行る事になり、後世の日本陸軍が火力中心になるのはこのためだったりする。


 それは兎も角、ソ連極東軍は日本陸軍の奇襲攻撃によって壊滅的打撃を与えられ、各地の戦線は崩壊する一方であった。


「ヤポンスキーの戦闘機が強い? 何かの間違いじゃないのかッ!?」


 ソ連軍極東司令官は部下からの報告にそう叫ぶ。T-34中戦車が次々と破壊されていくのが信じられなかったのだ。


「これがまだドイツなら分かるが何故ヤポンスキーの戦車に我が戦車群が負けるのだッ!!」


 ソ連軍極東司令官はそう叫ぶが誰一人、それに答える事はなかった。


 そして宣戦布告から2日後の八月十日、ハバロフスク、ブラゴヴェシチェンスクは日本陸軍に占領され、ソ連の国旗が降ろされて日章旗が掲げられる事になった。





――第二機動艦隊旗艦翔鶴――


「……ソ連と開戦か。アメリカで精一杯なのに戦うとはな……」


 翔鶴の艦橋で山口多聞はそう呟いた。第二機動艦隊はウラジオストクに二波に及ぶ攻撃隊を発艦させていた。


 第二機動艦隊の後方には約三個師団を載せた上陸船団が航行している。


「申し訳ありません」


「いや、楠木が謝る事はない」


 謝る将樹に山口はそう取り繕った。


「それと楠木、少し休みたまえ。ここ二、三日寝てないと聞いているぞ」


 将樹は各部署の作戦説明のためにあっち行ったりこっち行ったりしてあまり寝ていなかったのだ。


「分かりました、長官の言葉に甘えます」


 将樹は目の下にクマを作りながら艦橋を降りて自室へと向かった。


「……ふぅ」


 将樹は自室に入ると椅子に座る。その時、将樹の視線は机の上に置かれていた「はつ○連合艦隊」にあった。


「……史実通りには行かなくなったな……ま、最後の最後まで足掻いてみせるしかないな」


 将樹はそう呟き、パラパラと見てからベッドに身を委ねてそのまま眠り始めた。









御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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