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反逆の日章旗  作者: 零戦
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第五十五話






――1942年十一月上旬東京――


「お久しぶりです皆さん」


「インド洋、アフリカと御苦労だったな楠木君」


 将樹と桐野少佐は久々に山本達と会い、久しぶりの会合をしていた。


「久しぶりの内地はどうかね?」


「やっと日本に帰ってきたと思いますよ」


 将樹はそう言ってお猪口に注がれていた日本酒を飲み干した。


「ドイツとイタリアに飛鷹型空母の設計図のコピーを手渡した。恐らく彼等はそれを元に中型空母の建造に乗り出すだろう」


 山本はそう言って刺身を食べる。


「ドイツとイタリアは機動部隊を編制して太平洋の負担を減らしてほしいですね」


 将樹はそう呟いた。


「第一機動艦隊はどうなってますか?」


 将樹は堀長官に聞いた。


「赤城は漸く修理が終わって第一機動艦隊に戻った。また、赤城は修理中に高角砲を長十サンチ高角砲に交換した」


 赤城は長十サンチ連装高角砲を八基に交換している。(全てシールド付き)


「更に空母ヨークタウンも修理が完了して第一機動艦隊に配備させた。艦名は銀鶴ぎんかくだ」


「大鳳の建造はどうなってますか?」


「大鳳の竣工は来年の一月に予定している。慣熟訓練や飛行訓練をするとなると第一機動艦隊への配備は三月だと見込むべきだな」


 堀長官はそう言った。


「……早期の戦力化は難しいですね」


「あぁ。だが、武蔵が竣工したから他の建造艦に振り分けが出来る」


 大和型戦艦の二番艦である武蔵は七月に竣工しており、大和同様の第一戦隊に配備されている。


「そう落ち込む事はない。雲龍型空母の一番艦である雲龍と二番艦の天城は十一月下旬に竣工する」


 堀長官は言う。


 雲龍型はほぼ史実同様に飛龍型の設計図を流用しており、乗用機六三機、補用九機以外は全て史実通りである。


 なお、葛城は十二月に竣工予定であり、四番艦の笠置以降は来年の二月に竣工予定をしている。


「二空母とも第一機動艦隊に配備させる予定だ」


「成る程」


 将樹は頷く。


「ところで……ニューカレドニアとニューヘブリデス諸島は来月攻略だが……」


「陸軍はニューヘブリデスに二個師団、ニューカレドニアには三個師団を派遣する」


 山本の言葉に東條はそう言う。


「陸軍は九七式中戦車の改良型を開発したと聞いているが……」


「九七式中戦車改だ」


 東條は資料を全員に見せた。


「これは……」


「明らかに米軍のM4中戦車を圧倒しているな……」


 山本達は資料を見ながらそう呟いた。


 九七式中戦車改は、最大装甲を八五ミリとしていた。


 車体は史実の三式中戦車をモチーフとし、史実の三式中戦車より大きめの車体にしていた。


 これに戦車砲を四八口径にした二式七糎半戦車砲(史実の三式七糎半戦車砲を四八口径にした戦車砲)を開発してこれを九七式中戦車改に搭載していたのだ。


 また、速度も五二キロとかなりの向上をしているがこれはドイツからの技官を招いて技術の交流をした結果であった。


 陸軍は直ぐに制式採用されて生産が開始されている。


 既に九七式中戦車の生産は全て中止されて九七式中戦車改の生産を急がせていた。


「今の段階では一個中隊が編制を完了させている」


 東條は自信満々に言う。


「ならばチハ改も攻略作戦に参加させようと思いますが反対意見はありますか?」


『……………』


 反対など無かった。


「ではチハ改の一個中隊も攻略作戦に参加します」


 将樹はそう言った。


「ところで、このチハ改は売却も検討しているみたいだが……」


 資料を読んでいた堀長官が呟いた。


「売却は表向きです。ですが裏は……」


 将樹はニヤリとしながらそれを言った。


『な、何だとォッ!!』


 将樹の言葉に山本達が驚いた。


「く、楠木君はそれを本気でやろうと言うのかね?」


 山本は慌てながら言う。


「はい、やる気ですよ」


 将樹はそう断言する。


「ただまぁそれが出来るかは自分も分かりませんよ」


「むぅ……だろうな」


 山本はそう言って酒を飲む。


「だが……やってみる価値はあるな。早速諜報員を送り込んでやってみようではないか」


 山本はニヤリと笑う。


 その日の会合はそこで終了となった。





「久しぶりに桜花の朝飯を食べるな」


「そうか、ならたらふく食え」


 桜花はニコニコ笑いながら将樹に二杯目のご飯を茶碗に入れる。


「あ、桜花私もね」


「俺も頼むよ桜花」


 クロエと桐野少佐が桜花に茶碗を差し出す。


「確かにお櫃は私の側にある……だが断る」


 桜花はドヤ顔で二人に言った。


「ちょ……」


「それはひでぇ……」


「フン」


 二人の反論に桜花はそっぽ向く。


「いや桜花、それくらいしたりや」


 だが此処で将樹が助け船を出した。


「……仕方ない、将樹に免じてクロエはしてやる。だが兄上は自分でしろ」


「ダンケシェーン♪」


「……グスン……」


 クロエはドイツ語で御礼を言い、桐野少佐は一人寂しく泣いていた。


「……まぁええか(桜花は何でクロエに突っかかるんやろか……)」


 既に未来で恋など諦めている将樹はそう思った。









御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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